暗くて冷たい北極圏の海に生息しているニシオンデンザメという生物がいる。

以前は肝油を採集する目的で漁獲されていたが、現在はニシオンデンザメの漁は行われておらず、定置網に引っかかった個体を見るとがっかりする漁師も多いそうだ。

謎の多いサメ

最大級の肉食のサメであり、約5.5メートルにまで成長する。繁殖地などの生態は明らかになっておらず、研究者泣かせのサメでもあるという。

明らかなのは、ほとんどのニシオンデンザメの目には寄生虫がいるということ。

そして、何でも食べるということだ。胃の中からシロクマの肉が出てきたこともあり、「死体を食べたのだろう」と推測されている。

寿命もニシオンデンザメの謎の一つだった。

成長が遅く大きい体になるまで長い年月を要することから、長寿とは考えられていた。しかし、年齢の測定方法が確立されておらず、どれぐらい生きるのかも明らかになっていなかった。

デンマークの研究者らがこのほど、寿命の謎の一端を解明した。

28匹のサメの水晶体を使用

コペンハーゲン大学のユリウス・ニールセン氏らは、28匹のニシオンデンザメから取った目の水晶体を使って放射性炭素年代測定を実施。

結果、平均寿命はおそらく390歳。年齢の幅は272~512歳だと推測した。

今回使った放射性炭素年代測定は殺人事件の捜査などでも使う手法だ。しかし、ニシオンデンザメの場合は判明していないことが多いため、確実な数字は出せていない。

また、性的に成熟するまでには150年ほどかかるという。

明確な年齢や寿命が明らかになったわけではないが、地球上でもっとも長寿な脊椎動物であることは確実だとしている。

奇妙な生物に注目が集まる

研究自体は2016年夏に発表されたものだが、11月25日にThe New Yorkerが紹介するなど、最近になってこの奇妙なサメに注目が集まっている。

なぜニシオンデンザメが長寿なのか、その仕組みは未だに明らかにはなっていない。可能性としては、「代謝が非常に低いこと」「生息地の海水温が低いこと」などが考えられるという。

もっとも長命な脊椎動物について、Twitterには「私が生きているうちに謎が解明されますように」「とっても興味深い」「Wow」「信じられるか?」といったコメントが投稿されている。

平均寿命は390歳?最も長生きな脊椎動物「ニシオンデンザメ」の奇妙な生態