堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生が答える連載。本日の相談者は福島詩乃さん(仮名・34歳・実家手伝い)

「1年前まで東京にいて、不動産関連会社に勤務していました。会社の成果主義と、上司からのプレッシャーに飲み込まれてしまい、メンタルの病に。出社しようとすると体が動かなくなり、一時期は1か月ほどほぼ寝たきり状態。そんなとき、実家がある岡山県から母親が手伝いに来てくれて、そのまま退職して帰ることにしました。

実家に帰ると、大きな子宮筋腫が見つかり手術することになりました。この費用も両親が出してくれたのです。手術の後2か月くらいは安静にしており、その後働こうと思ったのですが岡山はあまり仕事がない。そこで実家の仕事を手伝うことにしたのですが、まさかのタダ働き。

母親に“人並みな給料をください”と言うと、“あんた、どれだけ親に迷惑をかけたと思っているの。医療保険も入らないテキトーな生活をしていて、入院は個室がいいとか言い出して……いったいいくらかかったと思っているの?治療費を払いなさい。”と言ってきます。

実家だから、身内だからタダ働きというのとは、ちょっと許容できない部分が大きく、思い切って相談しました。

おそらく、入院や交通費などを総合すると50万円程度だとは思うのですが、これを労働で返済したら、給料をもらいたいと思っています。その場合はどうすればいいのでしょうか?」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

まず、実家の会社から給料をきちんともらうようにしてください。

というのも、人件費は会社を経営するにあたっての”経費”になります。家族に仕事をさせて給料を支払わないということは、単にお金を支払うのはもったいないというだけの事態ではありません。法律で定められた最低賃金の問題もあります。

それに、実家が行なっている会社の仕事をすることは、“家族の協力”という域を超えています。会社の規模がどうであれ、きちんと雇用契約を結んで、水準を満たした給料をもらいたいことを話して問題ありません。

この雇用契約書はネットでひな型をダウンロードできるケースも多いですし、大きな文房具店で履歴書などと似たような形式で売っていることもあります。

雇用契約書の内容は、雇用内容、雇用期間、就業場所、終業時間、休日、給料などの項目があり、2部用意してお互いが同じ内容のものを保管します。書面で条件をまとめることも意識を変えるために意味があります。

これからずっとただ働きをして後悔しないためにも、きちんと法律知識を知り、雇用契約を結んでください。

どうしても解決しないようなら、自治体が主催する、法律や労働にまつわる相談会などに申し込むのも解決策のひとつ。

賢人のまとめ

実家で仕事をする場合も、雇用契約を結びましょう

プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/

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