Image: Apple

今後はディスプレイの色味もチェックしなければ。

OnePlus 5Tには、ディスプレイの色味を調整する5種類のオプションが搭載されていますし、Google(グーグル)もPixel 2 XLのディスプレイにさらに色味の強いカラーモードを追加しようとしています。一方で、ディスプレイ検証団体のDisplayMateは、Phone Xのディスプレイはどのスマホよりも優れた色味調整機能をもつとも評価していますね。

では、なぜここ最近急にスマホディスプレイの色が注目され始めているんでしょうか? 米ギズモードのDavid Nield記者が、あまり知られていないスマホディスプレイの色についてまとめてくれています。

まず、私たちが今まで以上にディスプレイの色味を気にするようになった理由の一つが、ここ最近スマホのLCD(液晶ディスプレイ)が徐々にOLED(有機EL)ディスプレイに移行しつつあるからなんです。もともと、両方とも長い間存在していましたが、Apple(アップル)やLGなんかが今年に入って切り替えてきていることもあり、OLEDの方がより優勢になっています。

おっと、ここでLCDとOLEDそれぞれのメリット、デメリットについて語るつもりはありません(過去にも書きましたしね)が、色味の調整という観点では、一般的にOLEDの方がより広い色域を出せるということは知っておいて損はないでしょう。それはつまり、OLEDディスプレイの方が彩度(飽和度)の強いものになりやすいということでもあります。

そしてそれが、大抵の人が好みがちな「明るくて鮮やな色」へのニーズと、「実物に近い自然の色」へのニーズとの間で起こる議論に関係してくるんです。普段はほとんどの人が、スクリーンに映る絵が飛び出したような、色鮮やかな方を好むんですが、写真を撮影するのにスマホを使ったり、オンラインショッピングで品定めしたりする時には、自然色の方が重要だったりするんです。

だからこそ、より多くのスマホが色味の選択肢を広めに設けるようになってきているというわけです。そう、これはTVの設定と同じことです。ただ、どのモードが一番自分に合っているかを判断する前に、「色域」とそれに関連する(だけど実はかなり異なる)「色空間」の考えについて理解する必要があるでしょう。

色空間と色域

Image: Wikipedia デバイスやTVでは一般的となった3つの色空間

スマホやモニターなどのデバイスの色というのは、関連する2つのある考えによって成り立っています。それが、「色空間(Color Space)」と「色域(Color Gamut)」です。実際、どちらもかなり近しい考えですし、時には同じものとして語られることもあったりします。ですが、厳密には異なるものなんですよ!

「色空間」というのは、色を組織する特定の方法のことを言います。「sRGB」、「Adobe」、「RGB」、「rec. 709」、「DCI-P3」など、部分的には聞いたことがあるんじゃないでしょうか? 色空間は数学的に形成されることもありますし、恣意的なこともあります。たとえば、Pantoneの色空間とかね。全ての色空間がそれぞれ「色域(空間の中の具体的な色の範囲)」というものを持っているがために、一見つながっているとも捉えられるんです。

たとえばクレヨンの箱が、無限に存在するはずの色を選択的にいくつか絞っているように、イメージやディスプレイにおける色空間とその色域も同じ考えです。広い色域は、より彩度の高い色ということです。クレヨンの箱の中に、より色の濃いクレヨンを含んでいるということですね。

ただ、単にディスプレイが特定の色空間を持つことができると主張するからといって、それが全色域を表現することができることにはなりません。LCDとOLEDディスプレイは両方ともDCI-P3を出せるかもしれませんが、OLEDはより幅広い色を表現できますので、色空間の色をより正確に再現することができるのです。より多くのクレヨンの色が利用可能だということですね。

過去、ほとんどの全てのスマホのディスプレイは、工場出荷時に定められた1種類の色空間と色域しか搭載していませんでしたが、今やOLEDディスプレイのトレンドと合わせて、多くのスマホが追加のモードを足してきているんです。アプリとOSも同じく、よりこの幅広い色空間を識別できるように対応してきています。

スマホ上での色

Image: OnePlus

では、これらがどうやって私たちのスマホに反映されるのでしょうか? 実は、スマホのディスプレイ上で私たちが「赤を赤」と認識したり、「青を青」と認識したり、そして「緑を緑」と認識するのには、それを成り立たせるいくつかの要素が存在するのです。それは、明るさ設定から日中の色、設定されている色空間(と色域)まで、あらゆるもの全てです。

たとえば、ユーザーによって変えられる豊富な色調整オプション(「Adaptive Display」、「AMOLED Cinema」、「AMOLED Photo」、「Basic」)を搭載しているGalaxy Note8はいい例ですよね。もし、あなたのスマホにこれらと似た設定オプションが備わっているようであれば、設定のディスプレイ欄から見つけられるはず。もし見つけられないようであれば、おそらくあなたのスマホには備わっていない機能なんでしょう。残念。

これらのオプションそれぞれがディスプレイ上での色空間と色域を変えてくれます。Note8の場合で見てみましょう。まず「Basic」は、現在はほとんどの一般コンテンツに使用され、王道となったsRGB(Microsoft(マイクロソフト)とHPが開発)の色空間と合います。「AMOLED Cinema」は最も新しい色空間のDCI-P3と合いますね。DCI-P3は今や4Kコンテンツにも使われていたり、sRGBよりも26%も広い色域を持っているんです。

ほかのスマホだっていろいろ搭載していますよ。OnePlus 5Tは、sRGB、DCI-P3を含む5つのモードから選べますし、iPhone XはsRGBとDCI-P3両方をサポートしています。iPhoneの場合、切り替えはアプリの必要性に応じてiOSが自動で行なってくれるんですから。さすが、Apple(アップル)と言ったところでしょう。

Android Oreoは、Androidの中でも初めてsRGB以上の色空間をサポートしたバージョンですが、あくまでサポートしているのは特定のアプリ上のみとなっています。もしかしたら、これが、多くの人が初めてPixel 2のスクリーンを見つめた際に多少色が薄く感じる理由の1つなのかもしれません。さらに広い色空間を持つDCI-P3の方にも対応しているかもしれませんが、もっと一般的で、それほど鮮やかでもないsRGBの方で表現されることになるでしょう。

Googleは、すべてのアプリ上でDCI-P3の色域を適応できるようにするためのアップデートをかけようとしていますが、色の精度が悪くなる可能性があるとも警告しています。つまり、いくつかの色が、配列されていない色空間に引き伸ばされてしまう可能性があるということです(スマホ上のオンラインショッピングからセーターなんかを買おうとしている人は要注意かも)。

今のところは、Android 8.0のデバイス上で広い色域をもつ色空間を使うことができるようになるアプリ「Oreo Colorizer」を使うといいでしょう。全体的により濃くて鮮やかな色合いに見えるはずです。

ディスプレイの色を調整する

Image: Sam Rutherford/Gizmodo

もう一つ考慮すべき要素があります。それが、「色合わせ(カラーキュリブレーション)」です。これは、スマホとそのディスプレイが色を表現するために開発された方法です。いくつか異なる要素を含み、先ほど説明した色空間の設定はそのうちの一つに過ぎません。

スマホレビューなんかの深い内容まで確認すると、色の正確性に関する説明を目にするでしょう。よく、対応している色空間と色域と合わせて語られているはずです。これは、一般的には製造メーカーがその定めた色空間の中の正しい色を表現できているかどうかについての記述です。

そのため、白がスマホによっては異なって映ったときは、ただ色空間のことを責めるんじゃなくて、ディスプレイの作られ方や、製造メーカーによって決められた仕様も責めるべきなんです。DisplayMateは、色の正確さの測定に関しては、あらゆる全ての情報を紹介していますので、もし興味があれば覗いてみてください。想像できる範囲のあらゆる全ての検証内容が細かく掲載されていますよ。

多くの場合耳にすることもないでしょうし、スペック表でも確認することもないでしょう(何か異常があったときだけ気づくんですよね)が、全ての製造メーカーが色の正確性を向上するために独自の技術仕様を加えているんです。

DisplayMateの専門家が指摘するように、どんなものがスクリーン上に表示されていても、色域がいつでも自然な色を表現できるようなディスプレイを作る責任がスマホの製造メーカーにはあるんです。そう、iPhone Xを手がけるAppleがそうであるように。iPhone Xは、コンテンツやアプリによって要求されるsRGBやDCI-P3の色空間を正確に再現できるよう内部で調整しています。

つまり、長い間続いた「ドレスの色の議論(黒か青かみたいなやつ)」が証明したように、色は個人的な選択によるものでもあるということです。私たちのほとんどが、それが正確な色かどうかに関わらず、見ているディスプレイに慣れてしまうのです。これらの「色空間」、「色域」そして「色合わせ(キュリブレーション)」は、次にスマホを買う際には確認しておいた方がいい項目かもしれませんよ? スクリーンというのは、毎日見なくてはいけないものですからね。



Image: Apple, Wikipedia, OnePlus, Gizmodo US
Reference: Wikipedia (1, 2)
David Nield - Gizmodo US[原文

(Doga)