神戸市の児童館で、20代女性職員が、利用者の小学2年の男児にバットで殴られ、職員は頭などのケガを負い、片がほぼ聞こえなくなるなどの後遺症を患っていると12月19日神戸新聞などで報じられた。

報道によると今年5月女性職員は勤務中に突然、男児に少年野球用のバットで頭部を殴られ、意識がとした状態で発見されたという。児童館側は直後に職員を病院に連れて行ったが、警察通報していなかった。

職員が警察被害届を出して事件が発覚。兵庫県警は男児を児童相談所に通告した。神戸市の会見によると、児童館は指定管理者である社会法人運営している。この事件の法的責任にあるのだろうか。高橋知典弁護士に聞いた。

男児は法的責任を問われないが、保護者は損賠償責任を負う可

者の男児は児童相談所に通告されたが、男児や男児の保護者はどのような法的責任を問われる可性があるのか。

刑法には、14歳未満の者を処罰しないという規定がありますので、小学2年の男児(7〜8歳)が刑事責任を負うことはありません。また、その年齢ですと、少年院に入ることもありません。この事件で、親が刑事責任を負うということもありません。

しかし、民法では、未成年者に『責任』がない場合、その未成年者は損賠償責任を負わないとされています。何歳から『責任』があるのかは、条文にはっきり書かれているわけではありませんが、裁判例などで、大体11〜12歳くらいが判断の分かれとされています。7〜8歳の場合、責任がないと判断されて、今回のケースも男児が損賠償責任を負うことはないと考えられます。

もし未成年者責任がない場合、その親が損賠償責任を負うことになります。親が監督義務をきちんと果たしていたと認められれば、責任を免れるとされていますが、実際の事件で、これが認められることはほとんどありません。この事件でも、親の損賠償責任が認められる可性が高いと考えられます」

では、施設管理者である神戸市にはどのような法的責任が生じるか。

「児童館の責任者など、施設内の安全を管理すべき上等に過失があったと認められた場合、神戸市が損賠償責任を負う可性もあります。過失があるかどうかは、事実関係次第で何ともいえないところですが、小2の児童がバットを用いて職員に暴行に及ぶというのは、一般的には予見することが困難で、過失があるとはいいにくいと思われます。

以前から強い暴行が繰り返されていたなどの事情があり、そのことを上等が把握していたにもかかわらず、職員に対する注意喚起が不十分であった、職員の体制が不十分であったなど、必要な措置が取られていなかったということになれば、上等の過失が認められるかもしれません」

弁護士ドットコムニュース

【取材協弁護士
高橋 知典(たかはし・とものり)弁護士
第二東京弁護士会所属。学校子どもトラブルについて多くの相談、解決実績を有する。都立高島高等学校での教育シンポジウム、テレビラジオ等の出演。東京こども専門学校非常勤講師としても活躍。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URLhttp://rei-law.com/

児童館職員、小2男児にバットで殴られ、耳が聞こえなくなる後遺症 法的責任は誰に?