アニメ、ハリウッド大作が数多く公開される夏休みシーズン、今年も様々な作品で芸能人がハリウッド映画の吹き替えやアニメの“声”を担当している。

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  例えば、実写では8月14日公開の「アベンジャーズ」に米倉涼子、竹中直人、宮迫博之、アニメでは7月21日公開「メリダとおそろしの森」の主人公メリダにAKB48の大島優子、同日公開の「おおかみこどもの雨と雪」には宮崎あおい、大沢たかお、菅原文太、染谷将太、谷村美月、麻生久美子、8月1日公開の「マダガスカル3」では玉木宏、柳沢慎吾、高島礼子、岡田義徳といった具合に、芸能人がズラリと揃う。

  そうやって芸能人が活躍するかたわら、ハリウッド大作でありながら、7月28日公開の「ダークナイト ライジング」は、様々な作品でクリスチャン・ベイルの声を担当する檀臣幸を筆頭に、小川真司、納谷六朗、池田勝など、ベテラン声優陣で固めている。

  この違いは何なのだろうか。関係者が話してくれた。

  「芸能人がアニメの声や吹き替えをするのは、キャラクターのイメージとピッタリだったからと、プロデューサーや監督は言いますが、正直、客寄せですよね。芸能人がやることで、その作品のイベントをしたときにマスコミが集まって露出が自然と増え、その芸能人のファンが劇場に足を運んでくれる。また、アニメの場合は、アニメファンが映画に行くかというとそうでもなく、やはり一般層が需要。だったら、プロの声優よりも、分かりやすい芸能人のほうがいい。今、宣伝費はとても厳しい状況なので、なかなか思うように広告が打てません。結果、芸能人起用が、費用対効果が高くてベストなんですよ」。   そんななか、「ダークナイト ライジング」の例は、どういうことなのだろうか。

  「これは客層ですよね。同作は素晴らしい作品で、エンタテインメント性にも富んでいますが、ビジュアルからの印象は暗さが先行してデートムービーとは言い難く、しかも3作目なので、今から見始めるにはちょっとハードルが高い。となると、劇場へ行くのは『ダークナイト』シリーズのファン、映画ファンになるでしょう。そういう人をターゲットに、吹き替え版を芸能人にしていたら、劇場へ行かなくなってしまう」。

  では、同じアメコミ系でも、「アベンジャーズ」の芸能人起用に関しては?

  「こちらは、多くの一般の人に観に来てほしいのだと思われます。でも、アメコミは日本でヒットしづらい。だったら、芸能人を起用して大量に露出し、幅広く認知してもらう必要性が出てくる。しかも、『アベンジャーズ』は世界70ヵ国で初登場No.1を記録と、日本に課せられたハードルは高く、是が非でもヒットさせなくてはいけないのでしょう。いくら良作であっても、今の時代どのような作品がヒットするか分からず、芸能人という保険をかけなくてはいけない」。

  そして、関係者はこう締めくくってくれた。「アニメや吹き替えの芸能人起用は減るどころか、増える一方だと思います」。確かに、業界の現状を考えるとそうだろう。だが、それ一辺倒だと飽きられてしまう気が……なんて思ってしまうのである。

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(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

「ダークナイト ライジング」(写真上)/「おおかみこどもの雨と雪」(写真下)