2018年1月3日、プロレスファン、そしてプロレスゲームにとって革命的ともいえるコラボレーションが実現した。新日本プロレスが開催した、1.4東京ドーム大会の前夜祭的イベント“大プロレス祭り2018”。新年らしく、新日本プロレス所属の真壁刀義選手とKUSHIDA選手、そして1.4東京ドーム大会のアンバサダーを務めるSKE48の松井珠理奈による鏡開きで幕を開けたこのイベントで、スパイク・チュンソフトの『FIRE PRO WRESTLING WORLD(ファイヤープロレスリング ワールド)』(以下、『ファイプロ ワールド』)と新日本プロレスのコラボが発表されたのだ。


【画像7点】「「すべてのプロレスを『ファイプロ ワールド』に!」プロレスラー&『ファイプロ ワールド』開発者がコラボ実現の経緯を語る!!」をファミ通.comで読む(※画像などが全てある完全版です)

新日本プロレスとのコラボが実装されるPS4版は2018年夏発売予定!

 発表会には、『ファイプロ ワールド』総監督の松本朋幸氏と、『ファイプロ ワールド』開発ディレクターの田村季章氏が登場。大プロレス祭り2018に駆けつけたファンの前で、『ファイプロ ワールド』と新日本プロレスのコラボを発表。プレイステーション4(以下、PS4)版の『ファイプロ ワールド』に新日本プロレスの選手が実名で登場するほか、2017年の新日本プロレスをベースにしたストーリーモードが搭載されることが明らかになった。そして、PS4版の発売日が、2018年夏であることも初めて公開された。


 『ファイプロ ワールド』のCMにも出演する真壁選手は、『ファイプロ』について聞かれると「知ってるに決まってんだろ? やっぱりハリケーン力丸だよな。あとビクトリー武蔵な」と、かつて使用していた(?)選手名を披露して会場を沸かせると、KUSHIDA選手も、「僕は『ファイプロ』がきっかけでプロレスを見るようになったんですよ。正月からいいニュースですね」と、少年時代のエピソードを披露しながら大喜び。そんな根っからの“ファイプラー”であるふたりが、『ファイプロ』開発陣がこの日のために用意した『ファイプロ ワールド』の真壁選手とKUSHIDA選手を使って対決を行うことに!


 両選手とも『ファイプロ』は久しぶりとあって、技を空振りしたり操作がおぼつかないシーンも見られたが、最後はKUSHIDA選手が自身のフィニッシュホールドである“バック・トゥ・ザ・フューチャー”を決めて見事に勝利。試合後は、『ファイプロ ワールド』特製のチャンピオンベルトが手渡され、初代『ファイプロ ワールド』王者に認定された。


 発表会の最後に、『ファイプロ ワールド』と新日本プロレスのコラボについてのアピールを求められた松本氏は、「3つだけ言わせてください」と、新日本プロレスのIWGPヘビー級王者であるオカダ・カズチカ選手の試合後のマイクアピールを彷彿させるセリフに続いて、「ひとつ! 貴重なお時間をいただき、皆様ありがとうございました。ふたつ! 新日本プロレス様、今回のコラボ、ありがとうございました。3つ! ……とくにありません(会場笑&拍手)。……と言いたいところですが、今日は『ファイプロ』を作り続けて20年、『ファイプロ』一筋にがんばってきた、開発ディレクターの田村さんにひと言いただいてもよろしいですか?」と、『ファイプロ』の師匠である田村氏にマイクを預ける粋な演出。松本氏からマイクを受け取った田村氏は、「長年『ファイプロ』を作ってきましたが、まさか新日本プロレスさんとこんな大きなコラボをすることになるなんて、夢にも思っていませんでした。開発スタッフ一同、たいへん興奮しております。その気持ちをゲーム開発にぶつけて、皆さんが楽しんでいただけるモノを作っていきますので、ぜひ応援よろしくお願いします」と真面目に挨拶し、発表会を締めくくった。


 発表会終了後には、真壁選手&KUSHIDA選手への囲み取材、そして『ファイプロ ワールド』総監督の松本氏&開発ディレクターの田村氏へのインタビューが実現したので、その模様をお届けしよう。


おいKUSHIDA、リベンジマッチだコノヤロー!(真壁)

■真壁選手&KUSHIDA選手合同インタビュー

――『ファイプロ ワールド』と新日本プロレスのコラボに期待することは?


真壁 冗談抜きな話、俺とKUSHIDAがリング上でメチャクチャ夢中になったくらい、この『ファイプロ ワールド』はおもしろいから。俺たち、プロのレスラーだよ? プロのレスラーさえも夢中になるくらいおもしろいから、ファンのみんな、プロレスを知らない人でも、グループで遊んだらメチャメチャおもしろくなると思うよ。プロレスの醍醐味、大技が決まったときの爽快感、勝ったときの喜び……いろいろなものが味わえるから。俺たちは、ガキのころから(『ファイプロ』を)やっているから、わかるんだ。おもしれーんだわ。ホントに。今回、俺とKUSHIDAの名前が実名で出ているんだよね? これ、最高じゃない! 最高に栄誉なことだし、うれしいよね。だから、みんなでこぞって競って楽しんでもらいたいよね。

KUSHIDA 初代『ファイプロ』王者として、現役プロレスラーの中にも『ファイプロ』ユーザーが隠れていると思いますし、ひょっとしたら、『ファイプロ』がきっかけでレスラーになった人もいると思いますので、僕より『ファイプロ』が強いというレスラーは、ぜひ名乗りを上げてください。その挑戦を受けて、『ファイプロ ワールド』の普及活動に務めていきたいと思います。僕が実際そうだったように、ゲームはプロレスを知るための窓口になり得るので、これからの広がりに期待してください!

真壁 ちょっと質問があります! 今日俺はKUSHIDAのヤローに負けましたけど、これ、リベンジマッチの機会はありますよね?

松本 ああ、それはぜひ! やりましょう!

真壁 よーしわかりました! おいKUSHIDA、覚悟しておけよコノヤロー!(報道陣笑)



――ストーリーモードがあることが発表されましたが、おふたりはどんなストーリーを体験したいですか?


真壁 チャンピオンロードしかないよね。明らかに、俺はチャンピオンになる男だよね? そう自分で信じてがんばりたいです。あと、ハリケーン力丸を倒したいです!(報道陣爆笑)

KUSHIDA 僕は、道場のストーリーがあったらおもしろいと思いますね。ヤングライオン(※1)の切磋琢磨している姿とか、コーチのきびしい言葉とか。プロレスに限らずですけど、人生における悟りがあったり、学べることというのは道場に詰まっていると思うので、そういったところを充実させると、ゲームにより深みが増すんじゃないかなと思います。



※1 ヤングライオン:新日本プロレスの若手選手の呼称。若手選手だけのリーグ戦“ヤングライオン杯”も行われている。





――ファンの方に、自分をどのように使ってほしいというリクエストはありますか?


真壁 やっぱりあれだよね、真壁刀義を使いながら、勝ち上がってもらいたいよね。世界レベルで。それで、「やっぱり真壁は強いな」って喜んでいるファンに、「いやいや、オメーが強えんだよ」ってカッコつけたいですね(報道陣笑)。

KUSHIDA 僕は、実際のリング上ではあり得ないような対戦カードで楽しんでほしいですね。階級を超えた試合とか。あとは、「KUSHIDAにはこんな技が似合うんじゃないかな?」とか、技を組み合わせてもらえると自由が効くと思いますので。あと、『ファイプロ ワールド』と連動した新技を開発したいなと考えていますので……。

松本 本当ですか? ぜひぜひ!

KUSHIDA 春先くらいまでに考えて、それを道場で披露しますので、ゲーム上で反映していただければと。

松本 絶対にやります!

KUSHIDA よろしくお願いします!


もっといろいろと、やってやりますよ!(松本)

■松本総監督&田村開発ディレクターインタビュー


――新日本プロレスと『ファイプロ ワールド』のコラボが発表されましたが、いまの率直な感想をお聞かせください。


松本 このコラボを今日(2018年1月3日)発表するというのはだいぶ前から決まっていたのですが、緊張して寝られなかったですね(笑)。早く言いたかったんですけど、ようやく言えました。あと、コラボを発表したときのお客さんの反応が暖かかったですね。もっとアウェーな感じになるのかと思っていたのですが、とても喜んでいただけて、コラボしてよかったなと思いました。『ファイプロ』の歴史上、実在の団体というのは全女(全日本女子プロレス)を除けば初めてなので、賛否両論があるとは思います。しかし、『ファイプロ』が12年ぶりに復活して、これから新しい『ファイプロ』になっていくためには、こういった大きな改革は必要だと思っていましたので、今回こうして発表して、反応もよかったので安心しました。

田村 僕はPCエンジンの『ファイプロ3』(『ファイヤープロレスリング3 Legend Bout』)で携わらせていただいたのが最初なんですけど、そのときの自分に言っても信じないだろうなと。

松本 絶対に信じませんよね(笑)。

田村 そういうレベルのことが起きたので、本当に衝撃的だったり、うれしかったり……。いわゆる『ファイプロ』ネームを愛してくださっている方もいらっしゃいますので、そういった方がどう思うのかは気になりますけど、それでもこれから『ファイプロ』が新しくなって生きていくためにというところで考えると、いま新日本プロレスさんとコラボできたことは、大きいことだと思います。



――田村さんにとっては、節目の『ファイプロ』10作目にもなりますよね。


田村 そうですね。よくよく考えたら、『ファイプロ ワールド』の開発を始めたときにも、このような状況は考えてもいなかったですね。10作目が作れてうれしいと思っていたのに……。この先どうなってしまうのか、わからなくなってきますよね。

松本 もっといろいろと、やってやりますよ!(笑)。これじゃ終わらないですよ!



――今回発表されたコラボ内容は、どのように実装されるんですか?


松本 PS4版に関しては、高山善廣選手のDLC(※2)を除いたSteam版でリリースするすべてのDLCを最初から含んだ完全版となりますが、新日本プロレスの選手も入った状態で発売します。



※2 高山善廣選手のDLC:現在闘病中の高山善廣選手のチャリティーDLCとして、Steam版で配信中。高山選手が実名で使えるほか、固有の技も収録されている。価格は300円[税込]で、Steamへの手数料を除いた全額が、高山選手を応援するチャリティープロジェクト“TAKAYAMANIA”を通じて寄付される。





――団体としても、“新日本プロレス”という団体があって、その中に新日本プロレスの実名選手がいると?


松本 そういうことです。



――新日本プロレスの中に、自分が作ったオリジナルの選手を入れることも?


田村 もちろんできます。



――選手の技も、それぞれの技が同じ名前で入っているわけですよね?


松本 そうです。第1弾ですべての選手というわけにはいかないと思いますが、収録される選手はそれぞれの必殺技が入っていますし、ない技もどんどん追加していきます。


“すべてのプロレス団体が『ファイプロ』に集まる”を実現したい



――日本の最高峰のプロレス団体である新日本プロレスとのコラボが実現したということで、今後の展開も楽しみですよね。“すべてのプロレス団体が『ファイプロ』に集まる”みたいな。


松本 僕は完全にそれを狙っています。“すべてのプロレス団体が『ファイプロ』に集まる”。それが実現してこその“ワールド”だと思いますので、実現できるかどうかは別ですが、海外の団体もやりたいくらいの気持ちは持っています。



――あと、PS4版のリリースが2018年夏と発表されましたね! 我々としてはこれも大きなニュースだったのですが、新日本プロレスとのコラボが大きすぎてサラッとした発表になってしまったような(笑)。


松本 そうですね(笑)。夏というのは、やはりG1(※3)に合わせてということで、それまでには何とか作ります! と。田村さん、お願いします!

田村 はい……(笑)。



※3 G1:新日本プロレスが毎年夏に開催しているリーグ戦“G1 CLIMAX”の呼称。G1 CLIMAXの優勝者には、翌年の1.4東京ドーム大会でIWGP世界ヘビー級王者へ挑戦する権利証が与えられる。ちなみにG1 CLIMAX 2017の優勝者は内藤哲也選手。



――『ファイプロ ワールド』を盛り上げるためには、やはりG1の時期にいっしょにプロモーションできるのは大きいですからね。



田村 新日本プロレスが盛り上がる頂点といえば、夏のG1とイッテンヨン東京ドーム(※4)ですからね。



※4 イッテンヨン東京ドーム:毎年1月4日に東京ドームで開催される、新日本プロレス主催興行の呼称。1.4東京ドームとも書かれるが、日付の読みかたは“イッテンヨン”。正確には毎年大会名があり、2018年の大会名は“WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム”。




松本 G1が始まるちょっと前くらいに発売すると思いますので、ファンの方には自分でリーグ戦を組んで、G1をシミュレーションしていただければと(笑)。「俺の『ファイプロ』では○○が優勝したよ」なんて遊びかたをしていただければおもしろいんじゃないかなと。


――ああ、なるほど。よく競馬のGIレースでも、競馬ゲームを使って予想するとかありますもんね。


松本 ありますよね! あれをやってもらいたいんですよ。『ファイプロ』的星取表みたいなものを出していただいて(笑)。


――それは盛り上がりますね(笑)。ちなみにストーリーモードの実装も発表されましたが、現状だとどれくらいできているんですか?


松本 プログラムだったり素材的なものはこれからですが、先行して僕がシナリオを書いています。毎日プロレス漬けの日々で、メシを食っているとき以外は(新日本プロレスの映像を)見続けていますね(笑)。とくに2017年の試合は逐一見て、シナリオ的に引っ張り上げたらおもしろそうだなという事件はメモしています。鈴木軍(※5)にも出ていただきますから。



※5 鈴木軍:“世界一性格の悪い男”鈴木みのる選手が率いるヒールユニット。2017年1月5日の後楽園ホール大会に突如乱入し、約2年ぶりの新日本プロレス参戦を果たした。






――鈴木軍も出るんですか! それは楽しみですね。選手のデータは作り終わっているんですか?


田村 いえ、まだまだこれからです。



――先ほどの発表会では、今回のために用意した真壁選手とKUSHIDA選手を再現した選手のデータを使って対戦しましたけど、『ファイプロ』を知らない人でも、やはりファンの方も実在の選手だと盛り上がりますよね。


松本 僕が感動しましたからね。「ああ、(作った選手を)本物の選手が使ってる!」って(笑)。『ファイプロ』を作ってきてよかったと思いました。



――今回は真壁選手とKUSHIDA選手でしたが、これから新日本プロレスのレスラーの中で『ファイプロ ワールド』が広まって、リアル『ファイプロ ワールド』最強決定戦が行われたりするかもしれませんね。


松本 それをやってくれたら、最高ですね! 先ほど田口選手が“新日本プロレス大作戦”で乱入してきて、KUSHIDA選手とのタイトルマッチが決まりましたけど、そういった企画を番組内でやってほしいですね。



――ぜひ実現してもらいましょう! では、『ファイプロ』ファン、そして今回のコラボで『ファイプロ』を知ったプロレスファンの方に、『ファイプロ ワールド』をアピールしてください。


松本 まだSteam版の『ファイプロ ワールド』をプレイしていない方も多いと思いますが、明日(2018年1月4日)いっぱいまでセール期間中で、通常3000円のところ、1447円で購入できます!



――ギリギリですけど、いまがお買い得のチャンスですね!


松本 それにしても、あのゲームが1447円って、あり得ないですよね?

田村 あり得ないですね(笑)。

松本 イッテンヨン東京ドームを観た後に、ぜひ『ファイプロ ワールド』で振り返っていただければと。そういった楽しみかたもできますので、この機会に『ファイプロ ワールド』に触れていただきたいですね。あと、(2018年)1月12日にアップデートを行います。技の追加と、あと……なんでしたっけ?

田村 ダウン中に移動するやつですね。

松本 ああ、そうだそうだ! 自分がダウン中にボタンを押すと、たとえばムーンサルトプレスが当たりやすい位置にニジッ、ニジッと(笑)。



――へー(笑)。倒れているほうがジワジワと移動すると。


松本 いままで“タヌキ寝入り”ってあったじゃないですか。



――ああ、はいはい!


松本 あれの延長線上で、当たりやすいところに移動できると(笑)。

田村 これまで、タヌキ寝入り中にローリングはできたと思うんですけど、あれと同じタイミングで、相手の技をあえて受けるために、ちょっとだけニジッ、ニジッとロープから離れてみたり、もうちょっといい場所に動いてあげるというのを入れましたので、とくに対人選が楽しくなる機能だと思います。



――わかりました。最後にPS4版に向けての意気込みをお願いします!


田村 今回のコラボは自分にとってもショッキングな出来事というか、僕のプロレスファンとしての入り口は新日本プロレスさんだったので、自分の中でいろいろな意味で揺さぶられていますが、そういった気持ちを開発にぶつけていければと思っています。あと、コラボ以外でも、技の追加など細かい要望もネットから拾って、手短にできるものはどんどん応えていきますので、そのあたりも期待していただきたいと思っております。



――そういう追加の要素をリアルタイムで楽しめるという意味でも、いまのうちにSteam版を遊んでおくのはいいですよね。


松本 そうなんですよ。PS4版が出るまでのつなぎでもいいですし、『ファイプロ ワールド』の勉強でもいいですし、とにかくお買い求めやすい価格で『ファイプロ ワールド』を楽しめる絶好の機会ですので!



――それが明日(2018年1月4日)いっぱいまで、と。


松本 (2018年)1月5日以降は3000円です。明日(2018年1月4日)のうちにぜひ!