どこにも説明がされていないマナーなるもので怒られが発生するのがきらいだ。

ルールの注意書きがあり、それを守らないことによる怒られはよくわかる。だけど、マナーなるものは、結局のところ「その場にいる人たちの暗黙のルール」であり、慣れない場ではマナーがどういったものであるかわからない。

「ここではこういうマナーになっているので気をつけて」とひとこと注意してくれると、「ははぁ、ここではこうふるまうといいんだな」とわかるし、そうふるまおうとがんばれる。

でも、「マナー」なるものが幅を利かせるような場では、えてしてマナー違反はいきなりの怒られにつながる。

サウナ風呂につかる前には汗を流しましょうマナー
サウナ風呂につかる前には汗を流しましょう」というマナーがある。サウナの後風呂に入るとき、シャワーを浴びるか、風呂くにおいてある桶で汗を流す。そういうマナーが一般的にあるんです。

つくばの温浴施設で、常連のおっさんたちが「あいつ汗も流さずに風呂に入りやがった」と怒りあっていた。サウナおっさんたちの間ではの掟っぽい。

マナーよりルール
いくつかのサウナでは、「サウナのあと風呂に入る前には、シャワーを浴びるか、桶で汗を流すこと」というルールが掲示してある。

ルールが掲示してあれば、はじめて風呂につかる人であっても、「あっ、風呂に入る前には汗を流すものなんだな」とわかる。

ラーメン屋で大盛と普通盛を頼んで、普通盛から子どものぶんを取り分けていたら怒られが発生した記事とか、飲食店でしかオーダーしない客に対する怒り記事などを読んだ。

仙台中華そば 嘉一というお店に先日行っておいしかったのですが、そこの券売機です。

中学生以上であればオーダーする、以上。こういうルールが貼ってあれば、わかりやすいですよね。もしくは、店外に掲示を出して、小学生以下の入店を断ってもいいかもしれない。

飲食店で、ドリンクのオーダーがないと利益的にたちいかないのであれば、ライブハウスのように、必ず1杯ドリンクをオーダーさせるようにしたらいい。

一般的に、マナールール化すると「感じ悪い」ようになります。小学生以下の入店禁止とか、感じ悪そうです。しかし、は、教えられてもないマナーで怒られるよりはずっと好みです。

ルールよりマナーが重視される?
ルールがあるのに、それが視され、マナーのほうが優先されている場合があります。

たとえば、エスカレーターの片方をけるマナー。急ぐ人が歩くスペースを確保しようというマナー

近年は、エスカレーターでの歩行禁止、というルールが掲示されているエスカレーターがある。エスカレーターの安全な乗り方のポスターなど。歩行禁止なので、歩くスペースを確保する必要はない。

それでも、おそらく多くの人は片側をけてしまいそう。

労働基準法とか道路交通法とかの法律も守られていないルールです。

でも、世間一般の空気に基づいた暗黙のマナー違反にはみなさん厳しい。

たとえば、長時間労働については、2017年ごろの実感として「マナー」が善されてきて、結果として状況が善されているようにみえます。とくに労働基準法が変わったわけではないはずですが。

パチンコの三店方式とか、ソープランドとかも、ルール上はダメそうだけど、マナーというか世間の空気的に許されているようです。は、ルールを変えて、許可しちゃえばいいのに、と思っています。

ルールよりマナーを重視すること、すなわち、ルールより世間の空気を重視することは、法律を適切に正することなく、社会をうまく回すためのしくみとしてはまあまあ完成度は高いのですが、あまりの好みではないです。どうふるまっていいのかが初見ではわからないし、知らない間に変わっていたりするし。

ルールを守ることと的を達成すること
たとえルールが分かりやすく掲示されていたところで、「こういうな状態を実現したい」という標がみたされていないと、何のためのルールだろう、と思う。

男性であれば見たことある人はいると思うのだが、トイレの手洗い場で、アリバイのように先にをちょちょちょっとだけつけて手洗いにしているひとがいる。「手洗い」という行為はしているけれど、実際に手はよく洗われていない。

同じように、風呂でも、桶で足元だけにちょちょっとを掛けて入浴している人がいる。結局、全身の汗のほとんどは流されていないんだけど、一応ルールを守っているように見える。

手桶でを掛けるときには、利き手のまわりにを掛けわすれることがある。

ルールを形式上守っていても、そのルールによって実際にやりたかったことが実現されていないようなとき、面倒だからルールしてくれないかな、と思う。

サウナのあと風呂に入る前には、全身の汗をもれなく流すこと」のようにルールを厳しくする手もあるが、実際守られるかどうかはあやしい。

そもそも、こういう一応ルール守る系の人はまだマシで、ルールガン視系の人もそれなりにいる。

では、ルールを撤したとして、どうしたらルールをつくった人がめざす状態になるんだろうか。

ルールよりシステム
サウナについて、「サウナ室までの通路を設け、そこの天井からシャワーでを流す」ようにして欲しい。流しっぱだともったいないなら、人感センサーつきで。

これで、「風呂に汗をもちこまない」ことがよりよくできそう。

プールなどでは、濃い塩素で足を消毒するゾーンをかならず歩かせるところありますよね。ああいうイメージ

シャワー設備にお金かかっちゃうけど、わざわざルール書きなどをするくらいの、絶対守って欲しいことであれば、お金を投じてもよいのではないでしょうか。

・そもそも気にしなくていいのでは
そもそも、汗をかいたままで風呂に入ることの何が問題なんでしょう。

ふつうのあたたかいお風呂の場合、入浴中に汗をかいているはず。他のひとの汗が混じったお湯に入っても気になりません。風呂だけ特別視されるのはよくわかりません。

風呂温度が上がることを嫌っているのだ、という線も考えたんですが、人体そのものが入る影のほうが大きそう。

理由としては「なんとなく不潔な感じがする」といったところなんだろうけど、公衆浴場なんてそんなもんだよなあ、と個人的には思ってしまう。

そして、マナールールがあることによって、「実質問題はないことなんだけど、マナールールを破っていることが気に入らない」という新たな怒られ要因が発生してよくない。

本来気にしなくてもいいようなことについて、明文化されていないマナーなるものに基づいて怒られが発生したりするのはイヤだし、ルールがあるんだけど、結局は標が達成されていないのもアホらしい。それでいて、人類の怒り総量をふやしている。

・余談: タオル浴槽つけ禁止 タトゥー禁止
余談で。他にも、公衆浴場マナールールがいくつかあります。

タオルを浴槽につけてはいけないマナールールよくわからない。守ってはいるけれど、これがのよろこびにつながっているんだろう、と思ってます。

浴槽のヘリタオルを置いたりする人がいる。浴槽からちょっとあふれたお湯タオルのところまで届き、また浴槽に戻ったりする。でも、もあまり気にしていない。

洗剤がしみこんだタオルを浴槽に持ち込まれると困りそうだけど、それなら「洗剤がしみこんだタオル持ち込み禁止」とすればよさそうだ。

よく洗濯されていないタオルが持ち込まれるとこれも困りそうだ。だけど、公衆浴場タオル無料提供されている場合には、そのタオルはよく洗濯されているはずなので、そのタオルを湯船に入れるのは問題なさそう。

一般的にタオルより人体のほうが汚いので、人体入れているんだったらタオルくらいいいんじゃないか、と思っている。

タトゥーがある人の入浴禁止は、歴史的経緯を考えればわからなくもない。

タトゥーを入れている人はほとんど反社会的勢力ひとであり、トラブル防止のために反社会的勢力の人を見ただけで効率よく排除したい的であれば、タトゥーを入れている人を排除すればいい、という理屈なんだろうな、と想像している。

タトゥーを入れている人はほとんど反社会的勢力のひと」という前提条件がくずれれば、この理屈もくずれます。反社会的勢力でもないけどタトゥー入れている人、の周りでは何人かいます。もうすこし年が経てば、この前提条件もくずれていくことでしょう。

ワンポイントタトゥーならOK、という、どこかの中学校の校則にあるソックスの制限かよ、というところもありますよね。反社会的勢力の人のモンモンはデカイから、という理屈だと想像しています。

こういったルールマナーがあるのは、公衆浴場という場が、なにかしら生理的嫌悪感にむすびつきやすい場なんだろうな、と雑な感想をもっている。全に余談でした。

・最後に
マナーというならルール化しろ、マナーよりルールを重視せよ、ルールよりもシステムマナールールすものを実現できるようにしろ、そもそもそのマナールールすものが必要でなければマナールール止せよ」という感じです。

おなじような感想をもつ問題って世の中にけっこうあるんじゃねーかな、と思っていて、個人的には「風呂汗問題」と呼んでいきたい。

この記事は、大阪スパワールドにて書かれました。

もっと詳しく読む: 「水風呂に入る前の汗流し」から考えるマナーとルール(バズプラス Buzz Plus) http://buzz-plus.com/article/2018/01/09/cold-water-bath-of-the-public-bath/

執筆: グニャラくん / 編集・冒頭画像: 編集部