【ソウル時事】韓国の文在寅大統領は10日、新年の記者会見を行った。この中で、「韓国が独自に対北朝鮮制裁を緩和する考えは、今は持っていない」と述べ、北朝鮮の核問題解決に向け、圧力をかけている国際社会と歩調を合わせる考えを強調した。南北閣僚級会談が開かれ、北朝鮮に対する圧力のほころびが指摘される中、国際連携を重視する姿勢を打ち出し、各国政府の懸念を払拭(ふっしょく)する狙いとみられる。

 北朝鮮は韓国との関係改善について、「『わが民族同士』の原則で、対話と交渉を通じて解決していく」として、米国など他国の干渉を拒否する姿勢を強めている。平昌冬季五輪を契機とする南北対話が核問題の解決につながるか各国が注視する中、韓国政府は難しい判断を迫られる。

 韓国は南北経済協力事業である開城工業団地の操業や金剛山観光を中断している。文大統領はこうした中断事業について「(国連安全保障理事会の)決議の制裁の枠組みで判断せざるを得ない。独自に解除することは難しい」と述べ、早期再開に否定的な見方を示した。

 また、9日に板門店で行われた閣僚級会談で北朝鮮が表明した五輪参加をめぐり、文大統領は「五輪を南北関係改善と朝鮮半島の平和の転機としなければならない」と強調。環境が整い、成果が期待できるという条件付きで、金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談に臨む用意があるとの考えを明らかにした。

 一方、慰安婦問題をめぐる日韓合意については、「間違った結び目はほどかなければならない」と非難。その一方で、「日本が真実を認定し、被害者に心を尽くした謝罪」をすることなどで、「元慰安婦も日本を許すことができ、完全な解決となる」との見方を示した。

 合意に基づいて日本政府が拠出した10億円については、「少し時間をかけて日本と協議し、元慰安婦を含め、関連団体と話し合っていく」と表明した。