私たちが足を運ぶ舞台やコンサートといった数々のイベントでは、会場を盛り上げるための演出効果が欠かせません。その中でも、特に観客を楽しませるために必要となる演出を担っている特殊効果スタッフ仕事について、有限会社クラウドに勤める戸塚洋美さんにお話を伺いました。

キャノン砲で会場を盛り上げる! お客さまを喜ばせるのがやりがい

液化炭酸ガスの重たいボンベを持ち上げる戸塚さん
液化炭酸ガスの重たいボンベを持ち上げる戸塚さん

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

特殊効果とは、舞台やコンサートファッションショーなどのイベントテレビ番組などでその場を盛り上げるために行う演出のことです。

ドライアイスを使ったスモークや高圧ガスの勢いでさまざまなものを中に飛ばすキャノンテープ、炎、ミスト)、炭酸ガスなどで間を演出します。また、酸素ボンベなどの配達作業も行っています。

イベントがない日のスケジュール
10:00 出社
10:30 酸素ボンベなどの配達
13:30 機材のメンテナンスイベントに使う機材の準備
18:30 退社

イベントがある日のスケジュール
07:00 現場入り、演出作業開始
23:00 仕事終了
イベントによっては、仕事終了が深夜になることも。
照明や音スタッフが準備をしている間は特殊効果のスタッフは何もできないので、待ち時間となる場合が多い。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

特殊効果の仕事イベントの盛り上げ役で、キャノンを打ち放ったり炎を出したりしてお客さまを楽しませます。お客さまがびっくりしたり大笑いしてくれたりすると、私もうれしいですね。


Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?

特殊効果に使う具が重いときは大変です。酸素ボンベは、重いものだと80kgもあるんです。基本的に女性男性も同じ仕事をするのですが、体的に難しい場合は、男性先輩や上がフォローしてくれます。

また、イベントによっては24時間近く会場にいる場合があり、待ち時間に仮眠を取ろうとしても明るい時間帯だとなかなか眠れないのがつらいですね。

高校生で抱いた夢が現実に。夢のきっかけはダンスイベント

音楽イベントの定番、炭酸ガス噴射
音楽イベントの定番、炭酸ガス噴射

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

高校生の頃、最初は照明スタッフしていました。が通っていた学校ダンスイベントで、色が変わる照明を見て感動したのがきっかけです。

その後、別のイベントバラエティに富んだ仕掛けができる特殊効果に興味を持ったのですが、特殊効果について学べる専門学校が周囲にはなかったので、照明技術を学ぶ専門学校に進学しました。

専門学校卒業後、弊社で特殊効果スタッフを募集していることを知って応募しました。当時は特殊効果に関する知識はあまりなかったのですが、採用されて現在に至っています。


Q5. 専門学校では何を学びましたか?

俳優ミュージシャンす人から音照明、舞台デザインなど裏方の仕事を志望する人まで幅広く学べる、総合エンターテインメント専門学校に通いました。照明に関する学習がメインでしたが、良かったのは特殊効果の仕事でも必要となるケーブルの巻き方や業界の専門用を学べたことです。

ただ、仕事に必要な実践的なスキルはやはり現場で学ぶことが多いです。現場は学校での2~3倍の学びがありますね。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在仕事につながっていると感じることはありますか?

高校時代から照明や特殊効果の仕事をしたいと思っていたので、夢がかなってうれしいです。そして、エンターテインメント専門学校に通っていたとはいえ、照明が専門で特殊効果についてはあまりスキルがない私の人間性を見てくれる会社に入って良かったと思っています。入社してからたくさんのことを教えてもらいました。

「人を喜ばせたい!」という気持ちが大切

Q7. どういう人が特殊効果スタッフに向いていると思いますか?

帰宅が遅くなることがありますし、いろいろな現場に赴きます。普通の会社員のような仕事ではないので体が必要ですし、スキルも身に付けなければなりません。そのため、知らないことを柔軟に受け入れて学べる人が向いています。

入社して2、3年たつと現場を任されることがあるので、自分で特殊効果による演出方法を考えて依頼に提案し、実行するめられます。そういったは意欲と結びついているので、人を喜ばせる、楽しませる、驚かせることが好きな人に向いている仕事だと思います。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

特殊効果の仕事では、お客さまをいかに楽しませるか、感動してもらうかを自分の頭で考えることが必要となってきます。仕事に慣れてくれば現場を任されるようになるので、裏方エンターテイナーとして活躍できる醍醐味もありますよ。

実は、イベント関連の仕事はもっとブラックかなと想像していたのですが、きちんと休みも取れるホワイトな職場でした(笑)。勤務時間が不規則だったり、覚えることがたくさんあったりしますが、先輩や上が優しくしっかりフォローしてくれるので安心です。


舞台の裏で活躍しながらも、大勢の人々に喜びや感動を与える表のきらびやかな演出をれる仕事があることを知ることができました。

が必要とされる面もあるようですが、イベントに参加することが好きで、場を盛り上げたり人を喜ばせたりすることに興味がある人は、特殊効果スタッフ仕事に就くを視野に入れてはいかがでしょうか。


profile有限会社クラウド 特殊効果スタッフ 戸塚洋美

有限会社クラウド http://sankyocloud.co.jp/

取材協有限会社クラウド