いま人気海外インディータイトルには、和製ゲームの香りが漂う。

 事実日本でもヒットしているUNDERTALEを手がけたToby Foxが、さまざまなメディア日本ゲームに影を受けたことを明かしていることからも、その“芳香”は“図らずして香りづけされたもの”ではないようだ。

 彼のような海外インディーゲームクリエイターは少なくない。
 その多くは、ゲーム業界で身を立てた今日に至るまでに、間違いなく日本ゲームに触れているのである。

 ではいかにして、彼らはゲーム的“ジャポニズム”の洗礼を受けたのだろうか。
 電ファミ編集部は、海外ヒットしているタイトルを手がけた開発者6人に対して「これまでに影を受けた作品・クリエイター」に関するアンケートを実施、生のを集めてみた(おまけに来日回数や日本への印なども伺った)。
 そこには、ジャパニーズゲーマーと同じような“ゲーム遍歴”があった。そして、ジャパニーズゲーマーと同じような日本ゲームへの”があった。

 そんな彼らの言葉を──日本人として誇らしくもくすぐったい気持ちになる彼らの言葉を──読者の皆さんと共有したい。

取材・翻訳・文/ガルシア・ルイスなかJ


証言1:「最も影響を受けた人物は三上真司」Emeric Thoa氏(『Furi』開発者)

Emeric Thoa 
『Furi』極色なグラフィックで表現された幻想的な世界で、ザコ敵ナシのボス戦だけをとことん楽しめるアクションゲーム。とてもしくハイスピード剣戟バトル応えアリの難度ゆえ、腕に覚えがあるアクションゲームファンをも唸らせるハズだ。ボスデザインを担当したのは、『AFRO SAMURAI』原作ニンジャバットマンキャラデザインを手がけた岡崎士氏日本では現在PlayStation 4Steamで配信中。
デベロッパーThe Game Bakers
公式サイト :http://www.furigame.com/
(画像はSteamより)

プロフィール(年齢・開発歴、出身地など)

 36歳で、ゲーム業界でプロになってから12年経っているところだ。

 パリで生まれたが、幼少時代はけっこうあちこちを回っていた。
 ベルギードイツに加え、フランスのいくつかの都市に在住したことがある。今はフランス南部モンペリエというに住んでいる。フランスのもっともキレイのひとつだ。

自身が影響を受けた作品

 子どもの頃、メガドライブRPGに浸った思い出を鮮明に覚えている。ファンタシースターシャイニングフォースLUNAR ザ・シルバースター

『Furi』ゲーム画面
(画像はSteamより)

 ただ、開発者として 三上真司バイオハザード4ゴッドハンドVANQUISHなどで見られる“スムーズで絶妙な操作性”に憧れて、そういうボタンに優れた反応をするキャラクターコントロールを入れている。

いちばん好きなゲーム(産地問わず)

 いろんなゲーム機、いろんな時代のゲームへの情を拡散すべく皆さんに伝えたいのだ。シャイニングフォースワンダと巨像バイオハザード4ペルソナ4Bloodborne

尊敬するクリエイター(国籍問わず)

 前述したとおり、自分が行うゲームデザインに関する観念に、よりも影を受けたのはおそらく三上真司氏だ。

 ただ、ヨコオタロウゲームに対する見解やライフスタイルも本当に素敵だと思う。

『Furi』ゲーム画面
(画像はSteamより)

 DARK SOULSBloodborneで成し遂げた宮崎英高氏ゲームデザインもとても好きだ。それに小島秀夫須田剛一上田文人……何人もいるので、全員を並べて言うのが難しい。

 日本人ではないクリエイターなら、風ノ旅ビトを作ったJenova Chen標にしている。いずれ私も、彼が手がけるような作品を作ってみたい。

来日回数・その目的とは?

 今まで日本には8回行ったことがあるんだ。はまちまちだけど、ビジネスのために行ったりしていた。
 『Furi』のキャラデザインを担当されている岡崎士さんとの打ち合わせや、東京ゲームショウで出展することもあったから。

『Furi』ゲーム画面
(画像はSteamより)

 バカンスでは、ロードトリップとか自転車をしたこともあるよ。

日本でいちばん好きなもの

 難しい質問だね。好きなことがありすぎるから……料理日本語、建設様式、色の美しさ……。

 ただ、絞ってみたら日本人自然を都内で保護することがいちばん気に入っているかもしれないね。大都会でも公園に限らず、と茂みと植物が見られるね。心を和ませ、気持ちいいよ。

日本のゲームファンに一言

 日本ゲームファンの皆さん、こんにちは! あなたたちを想って作った『Furi』というゲームは、どうして日本ではさほど人気になっていないのだろう?

『Furi』ゲーム画面
(画像はSteamより)

 欧ではヒットになって、たくさんのゲームファンが高い評価をしてくれているけれど、日本での売り上げがイマイチだ。スマホゲームを一旦休ませて『Furi』を遊んでみてください。昔の作品ではおなじみの“ボス戦ざんまい”なゲームにはなっていて、一般向けではないけれど楽しんでいただける方もいるかと思うよ!

 すまんアメリカジョークをよせて……。とにかく、たくさん好きなゲームをやってほしいな。で、また日本に行ったらよろしくね!

 

証言2:「特筆すべき“影響を受けた作品”は『洞窟物語』」Raúl Rubio Munárriz氏(『RiME』開発)

Raúl Rubio Munárriz氏 
『RiME』突き抜ける青空く建物にあふれたオープンワールドで繰り広げる、パズルアドベンチャーしいの後、不思議な覚めた少年プレイヤー)は、野生動物と触れ合ったり古代遺跡を探索したりしながらパズルを解き、の頂上をすことになる。日本では現在PlayStation 4Nintendo SwitchSteamで配信中。
デベロッパーTequila Works
公式サイト :http://www.tequilaworks.com/en/projects/rime/
(画像はSteamより)

プロフィール(年齢・開発歴、出身地など)

 HOLAラウルです。あと少しで41歳になります。はじめて遊んだゲームは、PONG。これは1979年に出会いました。
 が、はじめて惚れたゲームドンキーコング
 1983年にはじめて自分のゲームを作ってみました。それは、木から落ちるココナッツラクダが回避するゲームでした。で、2001年に、正式にゲーム開発のプロとしての人生スタートしました。思えば、年を食いましたね!

『RiMEゲーム画面
(画像はSteamより)

 スペインのナバラ県にある、トゥデラというで生まれました。フランシスコ・ザビエルが誕生したところに近いです。その後、プロになるために首都のマドリードに引っ越しました。長年、趣味の一環としてゲームを作っていたけれど、就職活動しているときに本格的なゲームを作りたくなって。あれから17年が経っていますが、まだ就活中な気がしていますね……。

影響を受けた作品

 全部言っちゃっていいかな(笑)
 影を受けた作品なら、まず頭に浮かぶのがパックマン』、『ドンキーコング』、『ポパイ』、そして『ドンキーコングJR.』です。(ゲーム&ウオッチの)『マリオブラザーズ』、『魔城伝説II ガリウスの迷宮』、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』、『クロノ・トリガー』、『ゴールデンアックス』、『アウトラン』、『魔界村』、『超魔界村』、『ソロモンの鍵』、『Pang』、『ストリートファイターII』、『スーパーメトロイド』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、『キャディラックス 恐竜新世紀』、『MOTHER3』、『スーパーマリオ64』、『ダンジョンズ&ドラゴンズ ミスタラ英雄戦記』、『メタルスラッグ3』、『グランド・セフト・オート』、『ICO』と『ワンダと巨像』(『ICO』は発売されたとき、すでに業界で働いていたが、あまりにも衝撃的で自分の限界えるため元気づけられた)。

 特筆すべきなのが、伝説開発室Pixel/大輔による洞窟物語ですね。

いちばん好きなゲーム(産地に問わず)

 ダントツ1位Éric Chahi氏アウターワールドです。他に好きなゲームが多すぎます……。
 それでは、上記で言い切れなかったので、今言いますね。

 『レミングス』、『モンキーアイランド』、『La abadía del crimen』、『テトリス』、『プリンス・オブ・ペルシャ』、『シムシティ』、『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』、『フラッシュバック』、『ディアブロ2』、『フォールアウト』、『ポピュラス』、『Elite』、『Syndicate』、『Star Wars: TIE Fighter』、『スターフォックス64』、『ゴールデンアイ 007』、『Shadow of the Beast』、『マーブルマッドネス』、『ボクらの太陽』、『Deus Ex』、「ゼルダの伝説シリーズ、『Grim Fandango』、『バイオハザード4』、『大神』、「逆転裁判シリーズ、『ゴーストトリック』、『LIMBO』、『INSIDE』、『風ノ旅ビト』、『ドラゴンズクラウン』、『ハーフライフ2』、『Portal1&2』、『The Last of Us』、『Reigns』、『ウィッチャー3 ワイルドハント』、『人喰いの大鷲トリコ』。
 他にもありますが、このへんで……。

『RiMEゲーム画面
(画像はSteamより)

尊敬するクリエイター(国籍問わず)

 アイドルの上の存在みたいな人という概念は信じません。
 しかし、Éric Chahi氏、上田文人氏、宮本 茂氏、Warren Spector氏、Peter Molyneux氏、故・横井軍平氏、須田剛一氏、三上真司氏、鈴木 裕氏、Tim Schafer氏、Kim Swift氏、Sid Meier氏、Will Wright氏、坂口博信氏、Michel Ancel氏、稲葉志氏、手塚卓志氏、神谷英樹氏、Jenova Chen氏の実績は信じます。

来日回数・その目的とは?

 日本には、3回訪れたことがあります。

 初めては2008年10月
 理由は……あまり素敵じゃないですよ。初めて共同設立した会社「Mercury Steamキャッスルヴァニア ロードオブシャドウメトロイド サムスリターンズデベロッパー)で取締役をやっていたのですが、辞職した後、だんだん憂になってしまったんです。

『RiMEゲーム画面
(画像はSteamより)

 さんが私のことを案じて、「日本で自分を見つけるために」とに誘ってくれました。彼女は念願の京都伏見稲荷神社に、ついでに行きたかったからみたいですが……。

 あまり日本語ができなかったけれど、1カ間の旅行中はほとんど他人のを借りず本州を周ることもできました。

 そのおかげで、新しいゲームスタジオを立ち上げる喜びと勇気を見出し、Tequila Works『RiME『The Sexy Brutale』を開発)を創設しました。あのは、とても濃厚でした。

 2014年8月東京に戻ってきましたが、暑苦しくて、無料サウナの中を遊泳しているような感覚でした。
 当時、ゲームファンから『RiME』への期待が高まっていましたが、自分がプレッシャーから逃れるように、現場からしばらく距離を置くことにしたんです。
 ゼルダの伝説 風のタクトICOという不朽の名作較されていたのがおそろしかった……自分たちはちっぽけゲームスタジオにすぎないのに……。が及ばないだろうという不安を抱いていたんです。

『RiMEゲーム画面
(画像はSteamより)

 最近訪れたのは、昨年の2017年でした。このは、連発で4作(『RiME』、『The Sexy Brutale』、『The Invisible Hours『WonderWorlds』)を発売したことで溜まった疲労やストレスを解消するためのご褒美になったし、弊社で年に一度行われる「テキーラショットズ」【※】というイベントに参加する前に心身を浄化する効果もありました。

テキーラショット
2週間に及ぶ社内ゲームジャム自由自在にチーム運営しながら、メンバーズのありのままの発想を放つ。自己啓発で分担作業を促す意識を生み出すとのこと

 でも実は、初めてのでできた、ある約束を果たすためだったんです。
 それは、大阪を拠点にしているプラチナゲームズへの恩返しのために訪問すること。

 プラチナゲームズさんが弊社までお越しになった際の優しさと心をお返ししたいと思っていたのです。 

日本でいちばん好きなもの

 美しくて魅了されるですね。自然が色鮮やかで手描きされたような色が印的ですね。日本人マナー、優しさ、そして高い志も好きです。

『RiMEゲーム画面
(画像はSteamより)

 スペイン人として美味しい料理にはがないし、評価しますね。ですので、私にとって日本の次に故郷のようです。絶品がたくさんあって困ります!

 それに、伝統と現代美術が融合している雰囲気が、クリエイターにはたまりません。
 その雰囲気に励まされたり、憧れたりします。しかも、スペイン語日本語の発音が似ていますので、初級レベル日本語なら覚えやすいんですよ!

日本のゲームファンに一言

 応援を心より感謝申し上げます。

 ゲーム際的な現です。大阪だの、バングラデシュだの、産地に問わずゲームの多様性を受け入れ、いいゲームを楽しんでください。日本は魅了的なですから、内ならどこでも影を受けられます。

『RiMEゲーム画面
(画像はSteamより)

 ……ただ、思い出してください。真実は視によって変わるものですよね。
 ときに普通を「普通でない、特別」に変えるために、自分のコンフォートゾーンから出ないといけません。Tequila Worksスタッフ一同、私たちが作ったくだらないゲームをエンジョイしていただければ嬉しいと思っております。

 業界に「ガスト味)」を出すために、努とノウハウを活かし、ゲームを作り続けたいと思います。

 

証言3:「自分の絵に対する流儀を形作ったのは、吉川達哉氏の存在」Simon Stafsnes Andersen氏(『Owlboy』開発)

Simon氏アイコン
(画像はD-Pad Studioより)
『Owlboy』美しいピクセルアートの世界で、多アクションが楽しめるアクションアドベンチャープレイヤーは落ちこぼれのフクロウ族“オータス”になって大を飛び回り、仲間とともに戦いながら、間に浮かぶ世界を解き明かすことになる。日本では現在Steamで配信中。PlayStation 4Nintendo SwitchXbox One2月13日配信予定。
デベロッパーD-Pad Studio
公式サイト :http://www.owlboygame.com/
(画像はSteamより)

プロフィール(年齢・開発歴、出身地など)

 31歳です。気が遠くなるほど、昔からゲームを作っていたかもしれないが、業界では11年歴です。

 トロムソという、ノルウェーの小さいで生まれました。北極圏の上部に位置しているところ。現在、私たちの事務所はベルゲンにあります。

『Owlboy』ゲーム画面
(画像はSteamより)

自身が影響を受けた作品

 自分がゲームを作りたくなって、そしてその思いに火を点けたのは、おそらく日本ゲームだと思います。
 絵を描くきっかけのひとつはロックマンでした。自作ロボットナンバーズや、新しいをよくデザインしたものです。
 実際、自分がデザインしたロボットがあまりにも多すぎたから、その後カプコンさんが作った式にカブったものも。言わずもがなダブったやつを仕方なくボツにせざるを得なかったなぁ。
 『X6』に登場するゲイトは、驚いたことに小学生の頃に落書きしたやつに酷似しているよ!

 初期のロックマンXシリーズゲームは、ユーザーを駆り立て、プレイするモチベーションを上げる要素とは何かを教えてくれたんだ。
 このシリーズは時が経つにつれていろんな姿を見せてきたけれど、このゲームたちに見習って、同じように“明瞭にキャラクターを際立たせる”ことを試しているよ。

『Owlboy』ゲーム画面
(画像はSteamより)

 初めて持っていたゲーム機ファミコンでした。光神話 パルテナの鏡スーパーマリオブラザーズスーパーマリオブラザーズ3は、『Owlboy』の土台になったと言えます。
 このゲームの初期企画では『スーマリ3』の「たぬきスーツ」で中を舞い降りるよりも飛躍させることをゲームの基準にして、『パルテナの鏡』みたいな縦になっている世界をするコンセプトにしたんです。

『Owlboy』ゲーム画面
(画像はSteamより)

 これを言ってもも驚かないと思うけど、ゼルダの伝説シリーズも自分にとって不朽の名作で、ゲームデザインについてとても考えさせてくれました。スーパーファミコンで初めて遊んだのは神々のトライフォースだったし、自分のお金を使って初めて買ったゲーム『夢を見るだったなぁ。
 ムジュラの仮面風のタクトを通して、ストーリーの構造や形でキャラの特徴を表現することについて色々発見できたんだ。『ムジュラ』で漂う憂であやふやな設定は、どうしても自分のゲームに反映させたかった……。

 ということもあって、駆け出しの頃に初めてやってみたプロジェクトは「ゼルダ」的なもので、ワールドと名付けたゲームでした。

 クロノ・トリガーの存在も大きいです。最後までプレイした、数少ないRPGの中のひとつ。ストーリー一本道ではないことにびっくりしました。それにくわえて、登場人物と音楽が魅了的で、もう虜に! 「これは、自分ので最後まで見届けなけないといけない」と思ったゲームですね。

 『ブレス オブ ファイア子ども時代にクリアできなかったひとつだけれど、音楽ドット絵に魅惑されました。吉川達哉の影を受け、自分の絵に対する流儀が形作られたと思います。

いちばん好きなゲーム(産地に問わず)

 これは選びにくいな。なにもかもが影を及ぼしているから。でも、強いて言えば、私にとってのべストはゼルダの伝説 ムジュラの仮面ロックマン3ロックマンX『ブレス オブ ファイアIVクロノ・トリガー

『Owlboy』ゲーム画面
(画像はSteamより)

尊敬するクリエイター(国籍問わず)

 任天堂の幹部を、常にリスペクトしています。宮本茂青沼英二、そして故・岩田聡

 作ってきた実績があるからといって尊敬するのではなく、会社を運営する面で注するべきでしょう。

 第三者の視点から、古い歴史を持つ任天堂は不思議で謀な挑戦をしているかのように見えるけれど、任天堂はお客さんを楽しませることを重視し、すぐに利益につながりそうなものや流行り物に左右されない。

 あくまで自分の解釈だけど、彼らは、そんな任天堂スタイルカッコイイからこそ任天堂に導かれ、同じ的を成し遂げようとしているんじゃないかな。

『Owlboy』ゲーム画面
(画像はSteamより)

 小島秀夫も、称賛しないといけない。彼は、奇妙で複雑で哲学的な概念を、「設定」の中にしっかり採り入れることができたから。

 ユーザーに対して、繰り返し単純な選択肢しか与えられない=“安易なゲームデザイン”となるけれど、簡単に答えにたどり着かないような彼のゲーム作りには、特別に洗練された“攻め”がかなり必要だろうな。

 Iconoclasts』Joakim SandbergHeart Forth, AliciaAlonso Martin氏の名前も挙げないといけないな。

 2人とも同じ頃にそれぞれのプロジェクトを立ち上げたし、完成するには10年近くに及んだ努をかけたんだ。とてつもなく長い開発期間を生き抜いている彼らを、私は自慢に思っているよ。

『Owlboy』ゲーム画面
(画像はSteamより)

 業界では普段、数々の名作を作った監督プロデューサーという職種だけを絶賛するけれど、好きなゲームに関わったみんな──分担作業を可に編成されたチームメンバー一人一人──と、いずれ握手できるといいな。みんなの名前は、残念ながらわからなくて言えないけど……。

 一丸になって突き進んだチームがあったからこそ「ゲームプレイできる」と思えば、彼らのことを称えたくなるのは当然だよ。

来日回数・その目的とは?

 2回です。初めては15歳の時、お父さんと来たんです。
 そう、と2人でよくに出ていたなぁ。シベリア鉄道にも2回も終点まで乗ったことがあって、その2回に、その終点から旅行が続いて日本的地にしたんです。結局、日本がすごく気に入って、滞在が3週間も延長してしまいました。

 2017年に、また久しぶりに来日しました。初回からずっと「もう一度行きたい」という願いを胸に秘めていたんだけど、仕事のために去年までえなられなかったんだ。開発を終えて、「Bit Summit」でゲームを出展するオファーを頂いたので、迷わずチャンスをものにして念願の2度の来日ができた、というわけです。

『Owlboy』ゲーム画面
(画像はSteamより)

日本でいちばん好きなもの

 欧州べると、日常微妙な違いがとてもチャーミングだと思います。人があまり意識していないという“微妙なところ”が一番好きなんです。

 たとえば──から歩に移動する部分に段差がないトコロを見ると、すぐ「日本にいるな」と実感したり。都会の通りを歩いてを曲がると、隠されていたかのようにお寺があったり。道路の狭い幅を走れるぐらいコンパクトにデザインされたがあったり。そういった思い出がずっと頭から離れなかったんです。

 その“微妙なところ”のものが、日本人制作する芸術品などに影を与えるから非常に面いと思います。あと、食べ物がすごく美味しい!

日本のゲームファンに一言

 私たちが作ったものをエンジョイしてくれたらうれしいな。
 やはりゲームの嗜好って十人十色なので、『Owlboy』はすべてのゲームファンには向いていないかもしれないけれど、どのゲームで遊ぶにもかかわらず、少しだけでも見てくれたら幸せです。

 

証言4:「グラスホッパー・マニファクチュアに入社して、新たな人生がはじまった」Massimo Guarini氏(『Last Day of June』開発)

Massimo Guarini氏
(画像はMassimo Guarini | Profileより)
Last Day of Juneと喪失を物語3Dアドベンチャー交通事故で亡くなったする女性Juneの最後の1日を追体験し、事故に関わった人々の行動を変化させ、悲しい事故を避けることが的となる。独特なグラフィック映画シーンのような体験を楽しめる、タイムリープ系作品。日本では現在Steamで配信中。
デベロッパーOvosonico
公式サイト :http://www.lastdayofjunegame.com/en/
(画像はSteamより)

プロフィール(年齢・開発歴、出身地など)

 42歳です。20年のゲームデザインの経験があります。

 ミラノ出身ですが、カナダのモントリオールや東京で長らく住んだことがあります。現在イタリアの北部の、を含む地域にあるヴァレーゼという古い町に在住。

自身が影響を受けた作品

 80年代からゲームをやってきて、ほぼすべてのファミコンスーパーファミコンメガドライブNEOGEOリリースされたゲームを体験して影を受けたから、ゲーム開発者になろうと思ったんです。
 新ハードが出る度に驚愕して、「自分が構想した世界でみんなを遊ばせたい」という欲求が強くなりましたね。

Last Day of Juneゲーム画面
(画像はSteamより)

いちばん好きなゲーム(産地に問わず)

 順を追っていないけれど……私の好きなゲームICOシェンムーゼルダの伝説 風のタクト風ノ旅ビトバイオハザード4The Last of Usです。

尊敬するクリエイター(国籍問わず)

 また、順不同ですが……須田剛一上田文人小島秀夫David CageJenova Chen

来日回数・その目的とは?

 日本文化への情熱とが、自分を日本立たせました。ずっと日本の視覚芸術映画、伝統とゲームソフト興味を持っていたのです。

 若かった頃、輸入していたマイナーゲームを理解できるように日本語を自習していました。日本人が作るゲームの流儀に魅せられ、 日本人シュールミニマリズムと隣り合わせていることに気づき、自分の“アーティストとしての成長”につながりました。

 ある時期、欧ゲームデザイン現実に寄りすぎたため、クリエイターとして呆れていましたが、自分の“新しい挑戦への欲望”は半端じゃありませんでした。

Last Day of Juneゲーム画面
(画像はSteamより)

 自分の価値観が潤うことをし、日本ゲーム業界で就職するまで諦めずにがんばりました。やっとグラスホッパー・マニファクチュアに内定が決まったとき、新しい人生が始まったんです。

 もう東京には住んでいませんが、過ごした時間で吸収できた文化が、この世を去るまでずっと私の中で生きると確信しています。

日本でいちばん好きなもの

 コントラストだね。私からすると日本は差異と矛盾の地だと思います。といっても同時に調和、伝統と信仰心の地でもあります。私が日本で生活した日々に明暗があり、上辺の調和に均衡が保たれていた気がしました。すべての色、味、雑音と音を愛していました。

Last Day of Juneゲーム画面
(画像はSteamより)

 刺を受けたこともあれば、がっかりしたこともありました。平和の心を持てるようになったり、不満になったりして。

 対立している強な感情に満ちていました。それは、私の忘れられない日本で過ごした日々。

日本のゲームファンに一言

 好奇心を持って。通い慣れたから出て、新しいことをやってみて。恥ずかしがらないで。英語がしゃべれなくても心配しないで。私も日本語ゲームをやり始めた頃は、日本語を理解できなかったしね。

 世の中は面ゲームで溢れています。今はデジタルストアで入手しやすくなっています。あなたたちのためにも、ゲームを作りたい! 日本人ゲームファン愛しているから!

 

証言5:「すごいアイデアと素敵なアートで成り立っている『ボクらの太陽』に影響を受けた」Alex Preston氏(『Hyper Light Drifter』開発)

Alex Preston氏
(画像はThe Heart Machine | Teamより)
Hyper Light Drifter』世界最大のインディーゲームワードIGF2017」において、「Excellence in Visual Art」と「Audience Award」の2部門を受賞した2DアクションRPGゲーム内にセリフはほぼないにもかかわらず、細部に至るまで丁寧に描かれたドット絵により構築された世界観が、物語深さを感じさせる。日本では現在PlayStation 4版(パッケージ版あり)、Steamで配信中。
デベロッパーHeart Machine
公式サイト :http://www.heart-machine.com/
(画像はSteamより)

プロフィール(年齢・開発歴、出身地など)

 33歳です。デベロッパーになってから5年が経ちます。

 ハワイ州で生まれましたが、ロスに拠点を置いています。

自身が影響を受けた作品

ボクらの太陽がすごかったです! すごいアイデアと素敵なアートで成り立っていると思います。

Hyper Light Drifter』ゲーム画面
(画像はSteamより)

いちばん好きなゲーム(産地に問わず)

 たくさんありますが、最近ではゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドオーバーウォッチショベルナイトがとても好きです。

尊敬するクリエイター(国籍問わず)

 故・横井軍平と故・岩田 聡氏です。 

Hyper Light Drifter』ゲーム画面
(画像はSteamより)

来日回数・その目的とは?

 ずっと子どもの頃から日本へ行く夢を見ていますが、残念ながら健康上の理由で、長いはできません……万が一のときの対策が難しいからです。いずれえたいですが……。

日本でいちばん好きなもの

 壮大な歴史に基づいた文化と、素晴らしい色です。 

日本のゲームファンに一言

 らのゲームを遊んでいただいて、本当にありがとうございます! 皆さん、すごいです!

 

証言6:「いちばん好きなゲーム? 多くて選べない……」Toby Fox氏(『UNDERTALE』開発)

UNDERTALE』「も倒さなくていいRPG」として、世界中で前の大ヒットを記録したインディーゲームユニーク戦闘システムを駆使してモンスターの心をつかみ、うまく危険から逃れながら冒険することになる。モンスターたちが暮らす地底の世界に落ちてしまったニンゲンの子(プレイヤー)は、地上へ帰れるのか、それとも、永遠に閉じ込められてしまうのか……?日本では現在PlayStation 4パッケージ版あり)、PlayStation Vitaパッケージ版あり)、Steamで配信中。
デベロッパーtobyfox
公式サイト :https://undertale.com/
(画像はSteamより)

プロフィール(年齢・開発歴、出身地など)

 26歳です。初めて製品としてのゲーム(『UNDERTALE』)をリリースしたのは2015年ですが、10歳の頃からゲーム制作プログラムで遊んできました。

 生まれてから今まで、ずっとボストンに住んでいます。

自身が影響を受けた作品

日本ゲームがなみなみと入ったバスタブでくつろぎながら)……えっ? なんでそんな質問するんですか……?

UNDERTALEゲーム画面
(画像はSteamより)

いちばん好きなゲーム(産地に問わず)

 好きなゲームはたくさんあって、それぞれ理由も違うので、「特に好きなもの」と言われても、選ぶことはできないですね。とりあえず、好きなゲームの例を挙げます。

MOTHER 2』

東方妖々夢 〜 Perfect Cherry Blossom.

大乱闘スマッシュブラザーズDX

洞窟物語

Brandish』

尊敬するクリエイター(国籍問わず)

 え……? が……憧れている……ゲームクリエイター……ですか?

 えっと……その……

 が……いちばん好きな……ゲームクリエイターは……

 (感動的なBGMが流れ始め、画面がフェードアウトする……)

UNDERTALEゲーム画面
(画像はSteamより)

来日回数・その目的とは?

 日本には、4、5回行きました。1回は旅行で。あとは、(日本のローカライズを担当した)ハチノヨンスタッフと会ったり、SONYPlayStation Awards」の授賞式に出席したり、何かしら仕事の用事で行きました。

日本でいちばん好きなもの

 旅行するうえで、という意味なら、おいしいものがたくさんあるところですね。日本カレーとか、つけ麺とか、すき焼きとか、おいしい料理が手軽に食べられるし、コンビニで売っている食べ物ですら、アメリカよりもぜんぜんおいしいです。

 でも、いちばんの魅は、日本で会える人たちですね。大好きな友だちが何人も住んでいるし、日本に行くと、ゲーム業界で活躍する刺的な人たちにたくさん会えますから。

日本のゲームファンに一言

 『UNDERTALE』をプレイしてくれた皆さんへ
 『UNDERTALE』をプレイしてくれて、どうもありがとうございます

UNDERTALEゲーム画面
(画像はSteamより)

 『UNDERTALE』をプレイしていないのにコレを読んでいる皆さんは、いったいどういうつもりなんですかね?
 だって、が作ったゲームプレイしたことがないなら、がなんて答えようが、どうでもよくないですか……?

 あ、なんか、そう考えたらムカついてきたぞ……この、薄汚いイヌめ……!

を見るToby)

 あ……ごめんなさい、薄汚いイヌは、でした……。(了)


 

 外国人ゲームクリエイター6人の言。

 彼らの言葉に接してわかったこと。

 いま元気いっぱいの海外インディーゲームクリエイターは、日本ゲームに大きな影を受けていた。そして彼らは、日本に対して並々ならぬ情を持っていた。

 彼らがる“日本への想い”に、なんだかプライドがくすぐられる一方で、「ジャパニーズゲーマーは、海外クリエイターが羨むような、とても恵まれた環境で生きているんだな」と、めて認識することができたのではないだろうか。

 和製ゲームに影を受けたクリエイターは、これからも新作タイトルを続々とリリースしていくだろう。
 「日本ゲームファンのことを想って作ったのに、あまり日本では人気になっていない……Why Japanese people!?」(『Furi』Emeric Thoa氏)というもあるので、ここはひとつ、たくさんプレイして応援しようではないか!

『Furi』公式サイトはこちら『RiME』公式サイトはこちら『Owlboy』公式サイトはこちら『Last Day of June』公式サイトはこちら『Hyper Light Drifter』公式サイトはこちら『UNDERTALE』公式サイトはこちら

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取材・文
フリーライターフリー翻訳者として10年以上の経験を持つ、ゲームマニアスペイン人。2013年、開発・ローカライズを業務とするスタジオ「Shinyuden」を立ち上げ、海外ゲームリリースしたい日本企業と積極的に協し活動中。
 翻訳者としての代表作は『ファイナルファンタジーVI』、『ファイナルファンタジーXIII』、『ファイナルファンタジー零式』、『ファイナルファンタジーXV』、『イナズマイレブン』、『勇者30』など。ゲームコレクター魂も尋常ではないようだ。
Twitter@ahgueo
「電撃セガサターン」、「電撃PS2」、「電撃オンライン」、「電撃レイヤーズ」、「iモードで遊ぼう!」、「mobileASCII」、「デンゲキバズーカ!!」と数々の媒体を渡り歩いて来た40ファミコン世代の編集者。好きなハードは「ファミコンバージョンゲームボーイミクロ」。
Twitter@nkjdfng