VRやARにおいて「位置トラッキング」は、仮想空間での移動や現実との違和感のない合成を行うため非常に重要です。3Dセンサー及び3Dスキャンソフトウェアを開発・販売しているOccipital社は、1月に行われたCES2018において、VRの位置トラッキングデモを展示していました。今回UploadVRの記者が体験したレポートと合わせて紹介します。

Occipital社の持つ三次元再構成技術を用いた位置トラッキングデモ

Occipital社はiPadに取り付けるタイプの3Dセンサー「STRUCTURE SENSOR」、iPhoneに取り付けてMRヘッドセットにできる「BRIDGE」、それらのセンサーを使うためのSDK「BRIDGE ENGINE」といった製品を開発しています。1月に行われたCES2018において、同社はHTC Viveに3Dセンサーを取り付け、ルームスケールの位置トラッキングデモを行いました。

https://www.youtube.com/watch?v=BRPQFwaB8oo

これはWindows Mixed Realityヘッドセットなどと同様に、ヘッドセット側にトラッキングするためのセンサーを配置し、周囲に追加のハードウェアが必要ない「インサイドアウト方式」の位置トラッキングです。インサイドアウト方式は、これまでは外部センサーを置く「アウトサイドイン方式」よりも精度が劣ったり、同等の精度が出せてもヘッドセットに組み込むコストが高くなるといった問題がありました。

Occipital社は、精度とコストを両立したシステムを開発しようとしています。上記のデモ動画では、3Dセンサーに搭載されたカメラを用いて空間をスキャンしています。自動的に表示されたラインはHMDとの距離に応じて変わり、遠いところは青、緑、黄、オレンジ、近くなると赤で表示されます。

動画では体験者が素早く振り返ったり、上下に動いたりしていますが、トラッキングは破綻せず、ラインが表示され続けていることが分かります。

ユーザー環境内の障害物を自動的に特定

HTC Viveのシャペロンシステムのように、ユーザー側でプレイエリアを設定し、部屋の壁や家具などの障害物を避けられるシステムはすでに存在します。しかし、Occipital社のシステムでは、空間を構築した際のラインがそのまま障害物の情報としてVR空間で使用できます。

上図のように、VR空間中でも現実空間に何があるのかが見えることで、安全にVRを体験できます。UploadVRの記者によると、このシステムを信じて動き回れるようになるまで少しかかりましたが、慣れた後は障害物に全くぶつかることなく、部屋全体を歩き回ることができたと述べています。

UploadVRによれば、Occipital社のトラッキングシステムは1万ユニットまでは無料、10万ユニットまでは1台10ドル、10万ユニット以上は7ドル、最終的な小売価格が700ドルを超える場合は3%の利用料金がかかるとのことです。

(参考)
Hands-On With Occipital’s Lighthouse-Level Inside-Out Tracking System / UploadVR(英語)
https://uploadvr.com/occipital-lighthouse-level-inside-out-tracking/

Occipital公式サイト(英語)
https://occipital.com/