吉岡里帆が大きな大きな胸の間を見せつけた下着シーンリプレイから始まった『きみが心に棲みついた』(TBS系)の第4話。初めての連ドラ演に吉岡里帆は健気に体をっているわけですが、その努はなかなか評価されずにいます。頑れば頑るほど回りしてしまう劇中のキョドコとシンクロするものを感じさせます。吉岡里帆とキョドコの苦労は、果たして報われる日が訪れるのでしょうか。吉岡真っ白ブラジャー姿の余韻が残る『きみ棲み』第4話を振り返りましょう。

 下着メーカーで働く、仕事にダメダメな女・小川今日子(吉岡里帆)、通称キョドコ。新作ランジェリーの発表会で大胆にもプロモデルに交じって下着姿でランウェイに上がったものの、命令した上名(向井理)が同じ材料課の飯田石橋杏奈)にマンションの鍵を渡しているところを撃してしまうのでした。さらにはデザイナー八木鈴木紗理奈)からは「お前企画書には、本音が見えへんのや!」とダメ出しを喰らいます。とことんまで落ち込むキョドコでした。

 でも、ここで諦めたら、自分の居場所はどこにもなくなってしまいます。キョドコは会社でを明かし、新しい企画書を書き上げるのでした。「男にかわいいと思われたい。男が思わず抱きしめたくなるようなランジェリー」というキョドコの欲望丸出しな企画案に、ようやく八木は納得します。八木から嫌われていると思っていたキョドコでしたが、八木がさっそくラフデザインを描いたことから大喜び。八木デザインにぴったりな素材提供してくれる生地メーカーを見つけるため、社外へと駆け出していくのでした。相変わらず、感情の浮き沈みのしいキョドコです。

 喜び勇んで飛び出したキョドコですが、出社してきた名とばったり遭遇。名から「昨日はよくがんばったね」と下着モデルの件を褒められ、ついつい調子に乗って「企画が通ったら、デートしてください」と切り出すのでした。なぜだ、キョドコ! 何度、痛いに遭えば気が済むんだ!! どうして下着モデルの惨劇から救ってくれた吉崎桐谷健太)ではなく、デーモン名へと戻ってしまうんだ!? 視聴者の苛立つが立体サウンドで聞こえてきそうです。でも、みなさん、もうお気づきでしょう。そうです、キョドコは真性マゾヒストだったのです。サディストである名も、そんなキョドコを手放そうとはしないのでした。「キョドコは生かさぬよう殺さぬよう」。それが名のポリシーです。

■第4話の後半は『下町ランジェリー』へと急展開!!

 ついさっきまでり切っていたキョドコでしたが、持ち帰った生地を八木から「あかん!」と突き返されます。「予算以上の素材を見つけてくるのが、あんた仕事やろ?」と八木摘され、ぐうの音も出ないキョドコでした。ライバルチームデザイナー堀田瀬戸香)のパートナーを務める飯田が、八木パートナーも兼任するかもしれないという噂をにして、またまた落ち込むキョドコ。翌日会社を休んだ上に、漫画家スズキ先生ムロツヨシ)との打ち合わせで忙しい吉崎ネガティブメールを大量に送り続けます。

 その日の気分で職場を休み、仕事中の相手のことも考えることができないキョドコは、はっきり言って社会人失格です。名や八木に褒めてもらえることを生き甲斐にしている点でも、半人前でしかありません。身近なかに褒めてもらうために頑っているようでは、幼稚園のお遊戯レベルであって、オリジナルの新商品を生み出すプロ仕事人には到底なれません。

 吉岡里帆エロシーンが売りだったはずの『きみ棲み』ですが、第4話の中盤から企業ドラマとして然盛り上がりを見せ始めます。編集者である吉崎から言われた「作家にとって、いちばんの味方でありたい」という言葉に触発され、八木デザインにふさわしい生地探しを再開します。中間プレゼンの日が迫り、もはやキョドってる場合ではありません。苦手意識のあったメーカーにも持ち前の粘着気質でり強く交渉します。いつも自分の殻に閉じ籠っていたキョドコは、それまでずっと溜め込んでいた言葉にならなかった熱い想いを、仕事をきっかけに吐き出すようになったのです。

 名とデートするしないは関係なしに、このプロジェクトに残りたい。メンズインナーを歩み、社内で正当な評価をされていない八木を“女”にしたい。そして、何よりも八木と作ったランジェリーを自分が身に着けてみたい。周囲の視線を気にせず、ガムシャラに相手に喰らい付くキョドコがそこにはいました。まるでOL版『下町ロケット』か、下着版『陸王』のような展開です。『下町ランジェリー』、もしくは『下着王』と呼びたくなるような『きみ棲み』第4話です。

 第4話からの登場となった部長・池杉本)、マーチャンダイザーである名が見守る中、堀田チーム八木チームとのサババルマッチとなる中間プレゼンが行なわれます。先攻を務めるのは八木チームのキョドコです。キョドコは八木と共に「必ず商品化します」とメーカー側に約束して、予算ギリギリギリの値段でシルク40%素材提供させることに成功したのです。自信満々のキョドコでしたが、わずか数分後には飯田によって地獄ドン底へと突き落とされるはめに。飯田は縫製工場を経営する叔父に頼み込み、何とシルク100%素材でサンプルを仕上げてきたのです。シルク100%の肌触りに、会議室にいた社員全員うっとりして、ため息をもらすのでした。

 いくら努しても、自分はダメなのもとに生まれたんだ。キョドコが自分の殻の中に、再び閉じ籠ろうとしたときでした。名が「パートナー小川さんではなく、飯田さんに兼任してもらいますか?」と八木に尋ねると、これを八木はきっぱりと断ります。飯田が持ってきたシルク100%素材は確かに素晴らしい。だが、身内のコネで在庫分を安く分けてもらっただけでは、在庫がなくなった先はどうする? そんな至極まっとうな意見を、プレゼンの最後に八木は切り出すのでした。飯田はプレゼンでの勝利しか考えていない。プロジェクトとしての将来性を考えれば、キョドコがって交渉してきた素材のほうがビジネス的には有益ではないのか。起死回生となる八木の発言によって、キョドコは窮地を救われ、両チームの闘いは最終プレゼンへと持ち越されるのでした。

 下着メーカー会議室が、まるでカンパニー松尾監督の『劇場版テレクラキャノンボール2013』(14)の審会のような手に汗にぎるドラマチックシーンになったのでした。社内プレゼンなんて、やる前からだいたい結果が分かっているものですが、勝利を確信しきっていた堀田飯田チームに対し、意外な団結でひと泡吹かせることに成功した八木小川チーム天国から地獄へ、そして再び天国へ。「私のパートナー小川今日子や!」とおでこパチンと八木にはたかれ、喜ぶキョドコでした。やっぱり、キョドコはMっ子です。

 エロシーンがなくなったことで職業ドラマとしては大いに盛り上がった『きみ棲み』第4話ですが、視聴率は前回の8.4%ビデオリサーチ調べ、関東地区)から7.0%へとダウンしてしまいました。キョドコと名のSMチックな関係をより官的に掘り下げながら、キョドコが大人の女として成長していく姿を描けるかどうかが製作の課題となりそうです。吉岡里帆エロシーンも見たいし、ドラマとしても面くなくちゃダメ。視聴者はとても欲りな生き物ですから。

 第4話のクライマックスでは、有名下着ブランドパンレットの撮影を見学している吉崎とキョドコの背後に、ふいに名が現われます。いつもクール名ですが、時間を費やして調教してきたキョドコを吉崎に奪われそうなことから内心は穏やかではありません。名はすっかり「キョドコのくせに」「吉崎~ッ」が口癖になってしまいました。次回、第5話では名の悪巧みが仕込まれたバーベキュー大会が催され、吉崎たちのいる前でキョドコと名の過去の関係がバラされてしまいます。名のサディストぶりにゾクゾクしてしまう人は必見です。キョドコ、そして吉岡里帆マゾヒズムもますます疼くことになりそうです。
(文=長野次)

TBS系『きみが心に棲みついた』番組サイトより