『雪影ぼうし』(和楽器バンド)/『戦ってしまう』(ゲスの極み乙女。)

 和楽器バンドというグループ名は割としょっちゅう目にしていたような気もするので、今回の『雪影ぼうし』が彼らにとってまだ第二弾のシングルであったとは、案外意外でもあった。のだが、そうしてみればたしかに、俺も今までに一度もその肝心の音には接した覚えがないのである。ついでに申せば、一体どのような編成なのか、そしてアピアランスや如何に?……etc。このバンドの実情や戦略について、実は全く不案内なことにも気づいたのだった。

 さいわい、ジャケットには男女八名からなるメンバーのショットが、コラージュ風にデザインされて用いられていたので早速じっくりと拝見。

 そのファーストインプレッションだが、みなさんまずはかなりの美男美女とみた。しかもセックス的にも一定量以上の場数は踏んでおられそう。

 と、まぁ、そこはあくまでも私見ですので、当たるも八卦(はちょっと違うか?)ってェことで御勘弁願うといたしまして……とはいいつつも、衣装などをハラリと羽織ったフリ? をしては、さり気なく乳首をアピールしてくるような“プロみたい!”なメンバーもいたりして、このバンドの全員、態度及びメイクに関しての“風俗度”はかなり高めの印象といっていい。

 続いてはいまチラリと触れもした衣装であるが、こちらは黒を基調として金や赤などの色彩のアクセントを配した、着物趣味の洋装といったらばよろしいか。いわゆる“よさこい仕立て”っていうんですかね? よく和太鼓の合奏チームみたいな人たちが好んで着用していそうなデザイン。それがキツめな顔の表情とも相まって和楽器バンド! 目的が何なのかはよく分からぬが、ジャケットの絵面の凄味は半端ない。

 マイナーキィのアップテンポのエイトビートで曲が始まった。耳を凝らして曲を追って行くと、三味線や尺八その他の笛類、あるいは日本古来の打楽器などなど(エレキやベースも入っているのだろうか?)が、洋楽的なマナーで絡み合っている。アンサンブルには立体感があり刺激的でもある。編成からいっても、これは一般jpopとは、たしかに一線を画す音といえる。

 演奏の力強さについ聴き入っていると、イントロが終わり、歌に突入する訳なんだが、その瞬間、「あぁ、これ、歌がない方がいいのに!」と、俺はそう思ってしまった。

 いや、歌唱に文句があるのではない。そこは誤解のなきよう。イントロの、演奏だけの部分の、音の熱いぶつかり合いに興奮をした。歌が入るとそれがちょっとだけ“当たり前”なもの普通なものになってしまう、何かそうなってしまうと勿体ないんじゃないかと思ってしまったのである。

 ところで、キャラやメイクはもうやめて、素で私服で演奏したらどんな感じになるのだろう? そんなことも知りたい和楽器バンドなのだった。

ゲスの極み乙女。

 タイトルの、この気取り具合が、川谷絵音なんだよね。

(近田 春夫)

雪影ぼうし/和楽器バンド(avex)2013年に結成。14年に『ボカロ三昧』でメジャーデビュー。昨年9月に1枚目のシングルを発売。