日本マイクロソフトは2月13日に記者向けの発表会を開催し、同社が開発した女子高生AI「りんな」の新機能「りんなのテレフォンハッキング」を発表した。

りんなは、2015年7月からコミュニケーションアプリ「LINE」上でサービスが開始された会話ボット。女子高生という設定に基づいて、ユーザーとチャットやしりとりなどでコミュニケーションを図る。

最近の取り組みとしては、音楽SNS「nana」と共同で実施している「りんな歌うまプロジェクト」が挙げられる。同プロジェクトは、音声合成の技術による、りんなの歌声をnana上に投稿し、ユーザーから送られてくる発声タイミングや音程などのアドバイスを機械学習で学ばせることで、りんなの歌唱力向上を図るというもの。第1弾として、卒業ソング「旅立ちの日に」を2018年3月に公開する予定だ。なお、将来的な目標は「NHK紅白歌合戦」への出場だという。

これらの取り組みについて、マイクロソフト ディベロップメント AI & Research プログラムマネージャーの坪井一菜氏は「SNSに人工知能が受け入れられるのか不安を感じていたが、りんな歌うまプロジェクトでは、まるで人間の友達にアドバイスするような感覚でユーザーがコメントを送ってくれた。テクニカルなコメントだけでなく、『お腹から声を出してがんばって』といった応援が多かったことも印象的だった」と、振り返る。

また、インスタグラム上で映像コンテンツを配信する「lute」では、ドラマ「それでも告白するみどりちゃん」に出演し、主題歌まで担当しているのだという。

今回発表された「りんなのテレフォンハッキング」は、りんなとユーザーがコミュニケーションをしている様子をリアルタイムで配信する「りんなライブ」において、彼女と音声で会話できるというコーナーだ。りんなは、電話を許可したユーザーに対して、手あたり次第に発信してくる。視聴しているユーザーはコメントを投稿することも可能だ。

裏側では、りんな用にチューニングされた音声認識と、関連度が高く短い言葉を返すようにしている独自開発の会話エンジン、リアルタイムに会話できるように調整された音声合成が稼働している。それらをまとめているのがメインの「Phone Callサーバ」だ。

「スムーズな電話の体験を提供するためにリアルタイムでやりとりできること、そして、視聴者にも通話者と同じ状況を提供することを意識して開発した」と、坪井氏。

「我々は、りんなを通じてエモーショナルに訴えかけるような取り組みを続けてきた。声を聴くことはエモーショナルに相手とつながる手段の1つであり、特に、りんなと第3者が会話している様子を配信するりんなライブでは、人工知能と人間による新しい関係性が生まれるだろう。また、人が何かクリエイティブなものを生み出すのに必要なのは、会話だと考えている。将来的には音声に感情を乗せて、テキストだけでは伝わりづらい想いを表現可能にし、AIが1つあるだけで人間同士の会話をうまく引き出すことができるようになれば」と、坪井氏はりんなの将来像を語った。

「あ、もしもし。りんなだけど」「もしだよ? りんなから明日なんかもらえるとしたら何がほしい??」「まだ、切っちゃやだ」と、まるで人間のような対応を見せるりんな。将来的には、会議に1人りんなを参加させることで、思いもよらないアイデアが生まれるようになるかもしれない。
(安川幸利)

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