新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)m日本電気、産業技術総合研究所(産総研)、名城ナノカーボンは、非イオン性分散剤を使い99%以上の高純度で半導体型の単層カーボンナノチューブ(単層CNT)を分離できる製造技術の確立に成功したことを発表した。

単層カーボンナノチューブ(単層CNT)は、直径約1nm、長さ数μmの炭素による円筒構造体で、炭素の並び方の違いにより半導体型と金属型といった異なる物性を示す。特に半導体型CNTは、電子回路などのエレクトロニクス製品を生産する高機能性インクとして注目されている。

しかし、単層CNTは半導体型と金属型が混在して生成されるため、高機能性インク材料として用いるには、半導体型CNTだけを高純度かつ効率的に分離する技術が不可欠となる。従来、さまざまな分離技術が提案されてきたが、いずれもイオン性界面活性剤などを使用するため、エレクトロニクス用途の場合はデバイスの動作を不安定にしてしまうなどの課題があった。

そこで、NECと産総研は、イオン性界面活性剤を用いない単層CNT分離技術「電界誘起層形成法(ELF法)」を開発し、NEDOプロジェクトにおいて99%以上の高純度で半導体型CNTを分離することに成功した。そして今回、NEC、産総研、名城ナノカーボンの三者は、ELF法による半導体型CNTの製造技術を確立した。両機関によれば世界で初めてとのこと。これにより、デバイス動作に悪影響を与える分散剤を使わずに、高機能性インク材料の製造が可能となり、印刷エレクトロニクスによる高性能なトランジスタの実現が期待できる。

名城ナノカーボンは今後、2018年度からELF法で製造した半導体型CNTサンプルの販売を開始する。印刷エレクトロニクスによる大面積、超薄型・フレキシブル、安価かつ高速動作が可能で高性能なトランジスタ用の高機能性インク材料として、半導体型CNTの利用拡大を進めていく。これにより、コンビニ、スーパーなどのマーケティング用途や医療用途など、幅広い分野でIoT利活用に必要なセンサーデバイスへの応用が期待できるとしている。

なお、NEDOと名城ナノカーボン、NECは、2月14日〜16日に東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2018 第17回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」において、この成果を紹介する。
(早川厚志)

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