中国メディア・東方網は12日、「呂布は2度も主君を裏切った小物なのに、どうして日本では愛されているのか」とする記事を掲載した。

 記事は呂布について「年少時から勇猛で名を馳せたが、数多の武将と異なり、忠義に欠けていた。利益に惑わされて最初に仕えていた丁原を殺して董卓になびいたと思えば、今度は王允に唆されて董卓という主君を再び殺めた。このため、中国では『三姓家奴』と罵られてきた。しかし、意外なことに、日本では好きな三国時代の人物ランキング上位に呂布の名が出てくるのだ。こんな小物が、どうして日本人にはこんなに愛されるのか」としたうえで、その理由を2つの点から考察している。

 まず1つめは、呂布が自身の理想のために突き動いていた点を挙げた。「実は呂布は努力をし続けて出世した人物なのだ。丁原を殺して董卓についたのも、王允に従って董卓を殺したのも、出世をしたいという理想を捨てなかったため。そのやり方は提唱されるべきものではないが、夢を諦めないという点が日本人の価値観に合致しているのだ」と説明した。

 2つめでは、日本人が悲劇のヒーローを愛する傾向を持つ点を指摘している。「日本人の好きな歴史人物ランキングでは、早世だったり、悲壮な最期を遂げたりした人物が多く選ばれる。曹操に徐州を破られ、呂布は投降を申し出た。曹操は劉備の進言により投降を受け入れず、呂布を処刑した。この死にざまは悲壮だろう。そして、呂布の年齢は当時40歳過ぎだった曹操よりも下だったとされることから、早世と言える」とした。

 そのうえで記事は「日本と中国の文化には大きな差があることから、呂布に対する評価もかけ離れているということが理解できる」とまとめている。

 日本で三国志が大衆化したのは、吉川英治氏の小説「三国志」の影響が非常に大きい。吉川氏はそれぞれの登場人物を際立たせることに長け、呂布にも人間の欲や業を持ち合わせた「憎めない魅力」が付与された。横山光輝氏のマンガも吉川氏の「三国志」がモチーフになっている。日本人の「呂布好き」は、「吉川三国志」が大きく影響しているのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国では嫌われている三国志の呂布、どうして日本ではこんなに愛されているのか=中国メディア