テキストサイト」というものをご存知だろうか。インターネットにADSLという定額かつ高速な回線がまさに広まろうとしている2000年代初頭、スマートフォンはおろか、YouTubeもニコニコ動画などの動画サイト、SNSやブログさえなかった時代に一世を風靡した、時事ネタなどをユーモラスな文章で掲載するウェブサイト群がそれである。その代表格のひとつが、この記事でこれから取り上げようとしている「バーチャルネットアイドル」の「ちゆ12歳」だ。

 
「バーチャルネットアイドル」は、テキストサイトの顔、あるいは運営者として描かれる架空の存在だ。完全に架空の存在である「バーチャルアイドル」と、インターネット上でリアルな人物が活動する「ネットアイドル」の、そのどちらでもない間の存在にあたる。近年のVOCALOIDやバーチャルYouTuberは、「バーチャルネットアイドル」とイコールではないが、非常に近しい存在、あるいは源流となる存在と言えるだろう。

 
「ちゆ12歳」は、その始祖とされ、のちに「バーチャルネットアイドル四天王」と呼ばれる5人をその頂点としてテキストサイトを大いに盛り上げた。なんとなくどこかで聞いたことがある状況だが、繰り返される国内インターネットの歴史は今回の本題ではないので省略。前置きが長くなってしまったので本題に入ろう。

 
2001年2月14日にウェブ上で活動を開始した「ちゆ12歳」が、2018年2月14日更新分のテキスト「生存報告」にて、なんとバーチャルYouTuberとしての活動開始を宣言した。YouTubeでの動画公開は2月13日から開始しており、内容は「昔の記事の動画化」になるとのこと。

 
現在公開されている動画は以下の7本。記事執筆時点ですでに7000人近くがチャンネル登録している。各動画には、2Dでアニメーションするちゆ12歳が登場。フリーのテキスト読み上げソフトを利用したボイスが主体となっているが、効果音や音楽によって独特の味が出ている点にも注目してほしい。

 
●バーチャルネットアイドルちゆ12歳 アップロード動画(2月14日15時時点)
昭和時代のエ○本の意外な内容!?
心という字はおち○○○に似てる?
大正時代の少年向け小説の意外な内容!?
アニメ界の小室哲哉。幾原邦彦監督
おち○○○が大きいと認められるのは○センチ以上?
週刊少年ジャンプの黄金期はいつなのか?
B級映画紹介・7分でわかる『エイリアン・ビキニの侵略』
(※サイト掲載の都合上、動画タイトルでは伏せ字ではない文字列の一部も伏せ字としている)

 
2000年代初頭にインターネットに入り浸っていた人には、涙で画面が見えなくなるようなネタが取り上げられているのではないだろうか。ちゆ12歳は、自身のウェブサイトにて「バーチャル芸歴17年とフレッシュさのカケラもありませんが、あまり期待しないで見てもらえたら幸いです」とコメント。今後も懐かしのネタの動画化に期待したい。

 
バーチャルYouTuberとは縁もゆかりもなかった17年前がインターネット最盛期という人も、17年前は生まれてもいないバーチャルYouTuberのファンの人も、往年のテキストサイトのネタをちゆ12歳を介して楽しんでみてはいかがだろうか。

 
(TEXT by 津久井箇人 a.k.a. そそそ

 
●関連リンク
ちゆ12歳 YouTubeチャンネル
ちゆ12歳 ウェブサイト

あの「ちゆ12歳」がバーチャルYouTuberに 芸歴17年のアイドル降臨