●年間イベントのひとつの浮上策は?
この記事が掲載される2月14日、例年の行事である「バレンタインデー」だ。もうすぐ仕事を終え、帰り際にチョコレートを購入し、配偶者や好意を寄せる相手に贈ろうと考えている方も少なくないはずだ。

しかし、このバレンタインデー、近年はパッとしなかった。以前は、2月に入ると菓子メーカーが多数の広告を打つことで、「もうそんな時期か」という感覚を呼び覚ませていた。もちろん、コンビニではギフト用チョコレートのコーナーが設けられたり、駅ナカのショップや百貨店ではスタッフが呼び込みなどをしたりしている。だが、バレンタインデーに以前の存在感はない。
○義理チョコによる功罪

まず、ビジネスシーンにおいての習慣が薄れてきた。かつては「義理チョコ」と呼ばれるものを配るのが当たり前のように感じたが、最近は「社員間における虚礼廃止」という方針を採る企業が増えてきた。それはそうだろう。たとえ安価な義理チョコとはいえ、複数の男性に配るとなれば、金銭的な負担になる。一方で、ホワイトデーにお返しをするという男性はあまり多くない。

また、イベントの嗜好が変化してきているのも一因といえる。近年はバレンタインデーよりもハロウィン、イースターなどに若い世代は熱中している。好意を持つ相手と1対1で過ごすよりも、大勢で盛り上がるイベントのほうが注目されているのだろう。

こうした、傾向について、やはり義理チョコに功罪はあると思う。義理チョコはバレンタインデーの一般化に寄与したが、贈るほうからすれば金銭的負担だ。しかも言葉は悪いが、「贈りたくない相手」にも配らなくてはならい。ゴディバが義理チョコに対するネガティブキャンペーンを展開していることも知られている。

では、感謝を表したい相手、好意を伝えたい相手にギフトを贈るという本来の目的になるとどうだろう。もちろん高価なチョコレートを贈るというのが本筋だろうが、さまざまなギフトの可能性が出てくる。そのうちのひとつが「フラワー」だ。

●花束を贈る男性は増加傾向
実はフラワー業界は長いこと硬直してきた。硬直というと聞こえは悪いが、要は長期間一定の水準で売り上げがあり、生花店はおのおので「街のビジネス」として成り立ってきた。ただ、この状況がいつまでも続くとは限らない。たとえば冠婚葬祭。一昔前はこうした際には生花が多く飾れることが多かったが、今ではその習慣も下火になりつつあるという。
○協議会設立で消費拡大・需要喚起を目指す

こうした現状から、生花の消費拡大・需要喚起・プロモーションを行うとして、花の国日本協議会(FJC)が立ち上げられた。これまで、個々の小売店の取り組みに寄ってきた生花業界に、大型のプロモーションを仕掛けるという組織だ。

その最たるプロモーションが「フラワーバレンタイン」。これは2月14日に感謝を伝えたい相手、好意を表したい相手に花を贈ろうというものだ。そもそも日本のバレンタインデーは、女性から男性にチョコレートを贈るという慣習が染みついているが、これは製菓メーカーが仕掛けたことだ。海外では男性が女性にフラワーを贈呈するというのが一般的。もちろん、女性から贈っても問題はない。

FJCによると、近年、花を贈る習慣が日本でも根付いてきているという。特にバレンタインデーに限らずとも、過去1年以内に花を贈ったという男性は、4年前に比べ3倍に増えているという。「花を贈るなんてキザだ」という過去の考えが薄れてきた証拠だろう。なお、FJCではフラワーバレンタインのイメージキャラクターに“キングカズ”こと、三浦知良氏を起用している。男性ファンも多い三浦氏ならPRに最適だろう。

さて、この記事のため銀座三越1Fにある第一園芸を訪れたが、取材中、多数の男性が花を求めに来店していた。花を贈る習慣が根付き始めたのは間違いなさそうだ。
(並木秀一)

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