地名マニア(?)にとっては超有名な珍地名として知られる鹿児島県志布志市(しぶしし)の志布志町志布志(しぶしちょうしぶし)。同町には志布志市の市役所の志布志支所が設置されており、これを所在地なども含めてすべて記載すると上記のタイトルの通り、となる。

市の名前と町の名前が同じであるが故に起きる珍現象で、インターネット上でもよく知られている。支所にも「志布志」の文字がひたすら書き連ねられた看板が設置されており、一種の公認ネタと言えなくもない。そんな名前がひょっとすると短くなってしまうかもしれないのだ。


物理的に移転は難しい?

なぜ名前が短くなってしまうのか。別に名前が長すぎるから削るというわけではなく、任期満了に伴い2018年1月28日に行われた志布志市長選が関係している。

4期務めた前市長に代わり初当選した下平晴行市長が市長選の公約のひとつとして掲げていたのが、志布志市役所の移転。現在の市役所本庁舎は有明町にあるが、下平市長はこれを志布志地区、つまり志布志町志布志に移転させたいという希望をもっているのだ。

志布志市役所を現在の志布志市役所志布志支所の場所に移そうという話があるらしい
志布志市の中心は明らかに志布志にもかかわらず志布志市役所は少し離た有明町にあり、志布志市街地には志布志支所が置かれている。なぜこうなっているのかはわからないが志布志市役所は志布志市街地にあるのが自然だ pic.twitter.com/VDnbXbSN1s
- M.KOBAYASHI (@oigawa2) 2018年2月10日
志布志市志布志町志布志の志布志市役所志布志支所にやってきた。 pic.twitter.com/wPkZrvGuNg
- s.rapid matsu Ⅱ (@0627ryoM) 2018年2月14日

現在志布志市役所は本庁舎以外に、志布志町志布志と松山町の2か所の支所がある。下平市長は本庁舎を臨海エリアに近く、市内でも人口の多い志布志地区に位置する志布志支所に移転し、現在の本庁舎を支所にしたいと考えているという。

その意志は当選後も変わりないようで、地元テレビ局のニュース番組でも市の職員を前に移転させたいと語ったことが報じられている。

志布志市志布志町志布志の志布志市役所志布志支所という表示はもう見られなくなってしまうのか。Jタウンネットが18年2月14日、志布志市に確認の取材を行ったところ、同市の担当者は「あくまでも市長の希望で、今現在具体的に移転するといったことが決まっているわけではない」としつつ、次のように話してくれた。

「仮に志布志支所が本庁舎となった場合、確かに単に『志布志市役所』となります」

所在地を含めて書くと「志布志市志布志町志布志の志布志市役所」ということになり、今よりも志布志がひとつ減ってしまう――。思ったほど短くはなっていないが、ややインパクトは弱くなってしまうかもしれない。

ただ、実現するかは不透明だとも担当者は指摘する。

「志布志市は2006年に志布志町、松山町、有明町が合併して誕生した市です。合併協議では市役所本庁舎をどこに設置するかも話し合い、現在の志布志支所がある場所は用地が手狭であるといった理由から、比較的広い現在の有明町の場所となったと聞いています」

しかし、今では本庁舎も別館が必要になるほど規模が大きくなっており、それによってなんとか職員が収容できている状態だという。つまり、ここからまた志布志支所に移転するというのは物理的に難しいようだ。

「新たに志布志支所周辺の用地を確保し、広くする目途などが立っているわけでもありません。もし移転するとしても、例えば支所がある臨海エリアに関連した部署や機能に限定して移転するといった形になるのではないでしょうか」

なんだかもっと長い名前になりそうな気もしてくるが......。

志布志市志布志町志布志の志布志市役所志布志支所(Sanjoさん撮影、Wikimedia Commonsより