【ロンドン時事】南アフリカのズマ大統領は14日夜、国民向けのテレビ演説で「大統領を直ちに辞任する決断に至った」と述べ、辞任を表明した。数々の汚職疑惑が取り沙汰されるズマ氏に対しては、13日に与党アフリカ民族会議(ANC)が辞任を勧告。ズマ氏が早期辞任を拒んだため、ANCは議会で15日に大統領不信任案を採決する方針を固めていた。

 後継大統領にはANC議長(党首)のラマポーザ副大統領が就任する見込み。報道によると議会で15日か16日に新大統領選出の投票が行われる。

 ズマ氏は約30分間の演説で、「党指導部の(辞任勧告の)決定に同意しないが、私は常に規律に忠実な党員であり続けた。党が私のために分裂するべきでない」と述べ、党の結束を優先したと強調した。ANC幹部はこの後の記者会見で、「国家が経済や社会の課題に喫緊かつ断固とした対応を必要としている時、(退任の)決断は国民に確実性を提供する」と評価した。

 ズマ氏は2009年に大統領に就任。14年に再選され、2期目の任期は19年半ばまで残されていた。しかし、私邸改修の公金流用など汚職疑惑や醜聞が絶えず、国民の批判が増大。昨年12月にラマポーザ氏がANC議長に選ばれて以降、党内でもズマ氏退陣を要求する声が高まり、早期辞任への圧力は日増しに強まる一方だった。 

〔写真説明〕14日、プレトリアで国民向け演説を行うズマ大統領(AFP=時事)

〔写真説明〕南アフリカのラマポーザ副大統領=1月18日、ヨハネスブルク(AFP=時事)

14日、プレトリアで国民向け演を行うズマ大統領(AFP=時事)