演出・劇作家西田大輔氏が作・演出を務める人気舞台“もののふシリーズ”最終章「駆けはやぶさ ひと大和」が2月8日より、東京劇場にて上演中だ。

【写真を見る】主人公の幼なじみで、妖艶な“遊女”を好演している

シリーズは、幕末武士たちの生きざまを描いた舞台作品。第一弾「武士白虎もののふき虎」(2015年)では、会津士の子で結成された白虎隊の少年たちの命を懸けた会津戦争を、第二弾「瞑るおおかみ」(2016年)では西南戦争モチーフに、近代日本の生みの苦しみを描いた。

今回の第三弾は、“新撰組”隊士たちが中心の物語となり、5人組ダンス&4オクターブボーカルグループDa-iCEボーカルである想太が初単独舞台演。新撰組隊士・中島登を好演している。

そんな本作のオリジナルキャラクターで、中島登の幼なじみ・音(おとみ)役の山下菜にインタビューを敢行!

これまでも人気の舞台を数多くこなし、若き演技女優としてコアファンを獲得する山下に、“もののふシリーズの魅や、作品の見どころなどってもらった。

■ “もののふシリーズファンから出演者へ

――もともと“もののふ”のファンだと聞きましたが、このシリーズの魅は?

みんなが何かのために戦っていて、命を懸けている姿が格好いいなと。“もののふ”に出てくる登場人物たちが、私の中の新撰組イメージなんです。斎藤一青木(玄徳)さんですし、土方歳三荒木(文)さんしか考えられません! 

憧れの作品だったので、今回は出演者としてその世界観を稽古場から見せていただいて、とても感慨深いです。

――今回、演じている音は、どんな女性ですか?

今までは子供っぽかったり、アクションや殺が多い役だったんですけど、音は私にとって新しい役どころ。女性らしさを大事にしながら、色気のようなものも意識しながら演じています。

遊女の見習いという設定なので、遊を題材にした映画を見たりして勉強しました。

■ 和装は歩き方や所作を覚えるのも一苦労

――着物姿がとても艶やかですね。

私、夏祭りとかでも浴衣ではなく甚兵衛を着ている子供だったんです(笑)。だから、着物は着慣れていなくて。和を着る役は初めてだったので、歩き方や所作を覚えるのが大変でした。

最初に台本を読んだ時、私の中の音イメージは静かな感じでした。でも、稽古場で演出の西田(大輔)さんから「もっと元気な感じでいいよ」とアドバイスを頂いたんです。音は登の話をしっかりと聞いているような立ち位置のキャラクター

「音は聞き上手」と、西田さんに言われた時に、何となく納得できたというか、自分の中に音がストンと入ってきたような感じがしました。

――主人公新撰組隊士・中島登と音の関係について、どんなふうに思っていますか?

登と音幼なじみ。私にも幼なじみがいるので、ケンカすることもありますし、他の人よりも当たりが強くなってしまうようなところは「あ~、分かる、分かる」って思いながら演じています。

でも、自分のことを一番理解してくれている存在でもあるんですよね。音にとっての登も、それは同じ。幼なじみという関係でありながら、時を経て少しずつ変わっていく音の気持ちをうまく表現していきたいです。

――登役の想太さんと、お芝居のことで話し合ったりしたんですか?

登と音が喋っているところは、新撰組が戦っている場面と違って、ちょっと肩のが抜ける間でもあるんです。

どこか安心する空気感を作りたいなと思って、いろいろ相談させていただきました。稽古場でも、役についてお話する時間が多かったです。

――近藤勇土方歳三の関係をはじめ、新撰組の深さに胸を熱くさせられる場面が多い作品ですよね。

本当にそうなんです。冒頭のシーンは、通し稽古の時から胸がいっぱいになってしまって、毎回涙が出そうになります。近藤土方斎藤、それぞれの視点から見ても楽しめる物語。登場人物一人一人がしっかりと描かれている点に注してほしいです。

それと、過去の“もののふシリーズで印的だった場面が今回も登場するので、前作を見てくださった方たちはそのリンクしている部分で、また泣けるんじゃないかなと思います。

――今回は男性ばかりの座組ですが、戸惑いはありませんでしたか?

自分が紅一点だという意識はあまりなくて、カンパニーの一員として私なりに色を添えられたらいいなと。以前、ご一緒した方も何人かいらっしゃるので、特に戸惑いはありませんでした。

西田さんの作品も今回で3作ですし、稽古中も変に気負うことなく輪の中にいられたような気がします。

西田大輔作品の世界観に衝撃!

――デビュー作が西田さんの作品だったんですよね?

そうです。「NEW WORLD」(2015年)という舞台でした。西田さんの作品を初めて見たのが“もののふシリーズの一作で、ものすごく衝撃を受けたんです。

「何だ、この世界観は」って驚きました。自分の中で舞台俳優というものに憧れるきっかけになった作品なんです。西田さんが作る舞台は笑える部分がありつつ、その笑いのシーンラストにつながる伏線になっていて、最後は泣ける展開に。

何でもないようなやりとりでもグッとくるような演出がすごいなと。もう、ただのファンなんですけど(笑)、今回の音という役は私が出演するということが決まってから書いていただいたキャラクターなんです。

16歳デビューした私の成長を見てくださっている西田さんから大人っぽい女性の役を頂いたので、恩返しの意味も込めてしっかりと演じていきたいなと思っています。

19歳になって初めての作品で、女優として少しは成長した私の姿を見ていただきたいですね。

――デビューからずっと舞台に出演していますけど、自分なりの演中の過ごし方というのはあったりするんですか?

演が終わった後は、に帰ったらバタンキューです(笑)。すぐ寝ちゃいますね。ルーティンというわけではないんですけど、時間ギリギリに劇場に入るというのが苦手で、いつも決められた入り時間より1時間ぐらいく来ています。

――本番に向けての準備に時間をかけているんですか?

く来たからと言っても特に何かをするわけではなく、ずっとボーッとしているんです。お茶を飲みながら(笑)。そういう時間がないと、自分の中でパッと気持ちが切り替えられないんです。でも、自分の中では本番に向かうまでの大切な時間ですね。

――そういえば演中にバレンタインデーがあったりしますが、普段お菓子を作ることはあります?

子供の頃から、お菓子作りに全然興味がなかったんです。小学生の時に友達同士でチョコを交換したりしたんですけど、とりあえずチョコレートを溶かしてに入れて固めたものをあげていました(笑)中学生になると、周りの子たちはガトーショコラとか生チョコを作り始めて。

私も何か考えないといけないと思って作ったのが、チョコペンを使ったチョコ。色の付いたチョコペンの中にちょっとだけ入れて、そこにチョコレートを流し込むんです。

それだけで、グレードアップするので、まぁいいかなって(笑)クッキーすら焼いたことないので、もうちょっと頑張らないといけないですね。これまでに、一番頑ったのはスコーン

出来上がったものを食べた人たちは「おいしいね!」って言ってくれるんですけど、ホットケーキミックスをこねたものに刻んだチョコを入れて10分間焼くだけ。簡単過ぎて申し訳なかったです。いつか機会があったら、本格的なケーキ作ってみたいですね。

抱き枕がないと眠れない!?

――今年は「年」ということで、山下さんにとって好きなもの、もしくは欠かせないものナンバーワン”は何ですか?

寝る時は“抱き枕”が欠かせません! 別に抱き枕じゃなくてもいいんですけど、何かがそばにないと落ち着かないんです。例えば、顔に手を添えるだけでもいい。

実は私、顔のそばに手を置いて寝ている写真が多いんですよ(笑)。何か安心するんですよね。別にかわい子ぶってやっているわけではないんです。も同じような形で寝ているので、一番寝やすい体勢なのかもしれません(笑)

――舞台は2月18日(日)まで東京演が続き、23日()からはいよいよ大阪演が始まります。最後にメッセージをお願いします。

もののふシリーズは、見に来てくださる方も演じるキャストにもされている作品。今回が「最終章」ということで寂しくもあるんですけど、新撰組を軸に描かれる物語は今まで以上に熱いです。

動乱の中を駆け抜ける“もののふ”たちの素らしさやさを感じて、好きになっていただけたらうれしいです。ぜひ、劇場に足を運んでください!(ザテレビジョン・取材・文=山武

上演中の舞台「駆けはやぶさ ひと大和」に出演する山下聖菜