北朝鮮はそんな韓国の足元を見透かすように、五輪への参加を口実に、世界メッセージを発信しようとしている。

金正恩は一貫して経済発展と核開発を同時並行で進めてきました。経済自由化政策が平壌で彼の人気を支えてきた。経済成長戦略も、金正恩にとって重要な子。ところが核・ミサイル開発を加速化させたため、社会からの締めつけが厳しくなった。北朝鮮では制裁の影で徐々に経済ダメージが強まっており、イメージも悪化しています。世界視線が集まる五輪で『は偉大なスポーツである』ということを誇示し、その際的立場の正当性をアピールすることで、経済制裁緩和に向けた足がかりを見いだしたい。それも北朝鮮五輪に参加する理由の一つではないでしょうか」

 さらに古川氏は、もう一つの狙いを「北朝鮮核ミサイル保有を社会に認めさせる的もあるのでは」と摘する。

「まだアメリカに届く核弾頭搭載可な長距離弾道ミサイル未完成のはずですが、飛距離だけを考えれば、理論的にはアメリカ本土に届きそうなミサイル完成しつつある。『り子の虎』ながらも、対核抑止完成を宣言したうえで五輪に堂々と参加する。こうして核保有国の立場を社会既成事実として受け入れさせたい思惑も考えられます」

 そんな北朝鮮五輪開催前日の2月8日平壌軍事パレードを行うのではないかと見られている。

「すでに平壌の各大使館に招待状を送付済みで、パレード開催はほぼ間違いないでしょう。問題は、どういうパレードになるか、です。兵士戦車などを行進させるだけか。あるいは新弾道ミサイルも出すのか。もしそうなっても、韓国はすでに五輪北朝鮮合同チームを編成している以上、今さら北朝鮮の選手を排除するわけにもいかない。弾道ミサイルを誇示しているのにおとがめなしで五輪に堂々と参加できれば、北朝鮮社会にみずからの核・ミサイルを認めさせることができた、と誤解するかもしれません」

 ともあれ、五輪期間中は一時的にせよ、北朝鮮の挑発行為は抑えられる可性が高い。問題は五輪終了後の動向だ。

金正恩としては当然、合同軍事演習は中止しろ、との要を強めるでしょう。中止しなければミサイルや核の実験の再開、またはロケット発射に踏み切るかもしれず、元の緊状態に逆戻りする可性が高い。一方、トランプ政権も、北朝鮮本土を攻撃できる核ミサイル完成させたと判断すれば、武行使に踏み切るかもしれません。トランプ政権は『全ての選択肢テーブルの上にある』と一貫して明言しています」

 どの選択肢にするかまだ決めてはいないものの、必要とあらば、やる時にはやる、ということなのだ。

アサ芸プラス