1700年代から続く、輪島塗りの老舗「輪島キリモト」。3月13日(火)まで期間限定で、伊勢新宿店にて“漆”素材めて捉え直した新しいプロダクトブランド「IKI –by KOHEI KIRIMOTO」の新作商品を提供している。今回、そんな漆のプロフェッショナルである同社の八代本滉さんに“漆の魅と伝統”について伺った。

まるで空気を掴んでいるかのような軽さの漆塗りスプーン

輪島キリモト」代表の本泰一の実の息子である、本滉さん。新しい形で伝統工芸の継承をし、フランスパリ輪島キリモトの商品販売を経験。本プロジェクトをきっかけに海外でのブランド展開も視野に入れているという。

■ 人の肌に近い塗料、それが“漆”

まず、皆さんは漆と聞いても、塗料の一種ということはわかるが、どのようなものなのかピンとくる人は少ないのではないだろうか。“漆は人の肌質にとても近い塗料”と八代る。

――人の肌に近いとはどういうことでしょう

「“漆”は自ら呼吸をする、生きている素材なんです。というのも少し科学的なお話になってしまいますが、漆の表面には小さな数のが開いています。そのが実はH2O、つまりの原子と近い大きさとなっています。ですので、漆は常にを欲しているのと同時に耐性、保湿性に優れており、適宜分調整を行います。人間の肌と同様に。そしてその感触が“人間の肌に近い”というわけなんです」

なるほどが深い。

――塗料としてはどのような機が?

「新ブランドの商品のように食器にはもちろん、具、アクセサリーなど様々な場面で活躍しています。漆は耐、耐熱、耐、防腐の優れた機があります。“漆かぶれ”という言葉もあるくらい漆自身強い塗料ですので、その分そういった耐性も高く、古来より私たちの生活の身近にあるものだったわけですね」

■ “漆”の魅を詰め込んだ新プロジェクト「IKI」

そもそも輪島塗は、石川県輪島で生産される優美さと丈夫さを兼ねえた漆器。日本を代表する伝統工芸だ。西洋の食事とべて、器が口に触れる機会の多い日本だからこそ、“手触りや口当たり”に優れてるその特性を活かして展開される、新プロジェクト「IKI」では、食卓に並ぶ食器がメインとなっている。何よりその色合いが魅的。

「今回のプロジェクトで開発した漆器は、ぜひ手に取って、ご自身の肌で感じていただきたいものばかりです。日本の食器は、『おわん』であれば手に持つ。『コップ』であれば唇に触れる、と人の肌と触れ合う機会が非常に多いです。今回はよりご自身の肌で直接“漆”を感じていただきたいという気持ちを込めて食器にしました」

――色が肌色といいますか、変わった色をしていますね

「そうなんです、通常“漆塗り”というとイメージが強いと思いますが、今回は人肌に合わせて肌に近い色で仕上げました。塗ったばかりですとこのように(写真)のように少し色っぽい色合いなのですが、時間が経つにつれ漆は、透明度が増していきます。使っているうちにピンク色に近い色合いになっていきます」

時間の経過とともに色合いの変化も楽しめるとは、時の流れを大切にする日本ならではの、まさに“”な楽しみ方だ。

――最後に本プロジェクトに込めたメッセージを教えてください

「本プロジェクトには、漆というものを皆さんにもっと身近に感じて欲しいという思いを込めています。人肌に近い食器に入った料理を、人の手から人の手へ直接渡し合うことで漆特有の“温かさ”を共感してもらいながら、より豊かな食卓をにしていただけたらと思います。ぜひ肌で感じていただきたいです」

伊勢新宿店では、特性を最大限活用し開発した「ヒトハダに一番近いコップ」、「ヒトハダに一番近いお椀」、「ヒトハダに一番近いボウル」、「ヒトハダに一番近いお皿 大」、「ヒトハダに一番近いお皿 小」の5つを提供。期間限定なので、ぜひ“漆”の魅をその手で体感して欲しい。(東京ウォーカー(全版)・コダマタイチ)

今回お話を伺った「輪島キリモト」八代目・桐本滉平さん