もはや給料が上がらないとヘソを曲げている時代ではなく、現年収の維持が精いっぱいな現状は今後も続くだろう。それでも家族を持ち、マイホームを買い、生まれた子供には人並みの教育を施したいものだ。そこで、年収ごとに男たちが実現可能な限界値を探ってみることにした。

◆2年間小遣い1万円で、年収300万円でもブランド腕時計が買える

 年収別で買える高級腕時計はあるのか。まず、いくら欲しいと思っても、腕時計を買うために家計から捻出するのは妻の理解を得られない。そこでFPの横山光昭氏が算出した年収別の家計簿より、月の小遣い(年収300万円→1万7800円、年収500万円→2万8900円、年収700万円→3万7400円)から必要最低限の1万円を残した分を腕時計代に注ぎ込める限界値とした。年収300万円なら7800円だ。その中で少しでも資産価値の高そうな新品の腕時計を条件に腕時計投資家の斉藤由貴生氏に聞いてみた。

「年収300万円の人でも24回払いにすれば、月7625円の出費でタグ・ホイヤーの『カレラ キャリバー5 デイデイト』(税込み店頭価格18万3000円)が買えます。最近の同ブランドらしいシンプルなデザインで人気もある」

 最近はローン無金利キャンペーンを謳う販売店も増えており、「高級腕時計が以前より買い求めやすくなっている」という。

「最長60回の分割払いも組めますが、無金利は36回ぐらいが多く、それに小遣いを1万円まで削って支払いに回している場合、長期になるとキツいはず。ローンを組むなら24回程度までに抑えたほうがいいでしょうね」

 ちなみに、高級腕時計は資産価値が高いため、年収300万円でもローン審査は簡単に通るので、ご安心を。次に年収500万円男はどうか。限界値が月1万8900円まで増えるため、購入額が45万3600円まで引き上げられる。

「その価格帯であれば、パネライの『ルミノール マリーナ ロゴ アッチャイオ』(同43万8000円)です。パネライはロレックスと同格のおしゃれ本格腕時計ブランド。女性用モデルを展開していない点がほかのブランドと異なります。ロレックスがこれみよがしで嫌な人が選ぶ傾向にあり、とりわけ西麻布界隈での遭遇率がやたら高いブランドですね(笑)」

 そして、最後に年収700万円だが、腕時計代は2万7400円×24か月で65万7600円に。

「これだけあれば、選択肢はかなり広がりますね。ロレックスでも人気モデルの一つ『エクスプローラー』(同68万5000円)にも手が届くはずです。月々の支払いは、約2万8000円で、少しオーバーしますが、これでロレックスが持てるのなら、昼飯を月1回(500円分)抜いても悪い話ではありません。それに新品の高級腕時計は最悪でも購入価格の30%ほどの価値は残るもの。10年間、日常的に使っていたとしても大きな傷が残っていたりしなければ問題なく買い取ってくれますよ」

 ちなみに、年収300万円男が新品購入できるタグ・ホイヤーだと売却価格は5万円程度。腕時計の中では、資産価値が最も低い部類に入ってしまう。

「それならば、頭金を貯めて中古の高級腕時計を買ったほうがまだいいでしょうね。ロレックスのサブマリーナは人気でここ5年で20万円ほど中古価格が上昇。人気の中古品なら大幅な値崩れもありません。時計を売ったお金を頭金にして、次の時計を購入すれば、分割払いの回数も少なく、より高級な腕時計にステップアップしていけますよ」

 腕時計は賢く購入すれば、“見た目”の限界値は超えられそうだ。

<2年ローンで買える腕時計>
・年収300万円限界値 タグ・ホイヤー
・年収500万円限界値 パネライ
・年収700万円限界値 ロレックス

【斉藤由貴生】
腕時計投資家。買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、『腕時計投資新聞』で執筆。著書に『もう新品は買うな!』(扶桑社)などがある

※価格は取材時
― 年収別男の限界値 ―