ズラタンのゴールで同点に追いつくも、「走って戦う姿勢」は長崎に負けていた

 浦和レッズは10日、Jリーグ第3節のV・ファーレン長崎戦を1-1の引き分けで終えた。試合後、日本代表DF槙野智章は厳しい表情でミックスゾーンに姿を見せ、「間違いなく勝つために走って戦う姿勢はウチよりあった」と、ゲームへのアプローチで長崎に劣っていたことに悔しさをにじませた。

 長崎は今季J2から初めてJ1に昇格。この試合は、多くの浦和サポーターが長崎まで遠征し、空港からスタジアムまでの道のりにも“あの”浦和レッズが来るというムードが強く感じられた。最終的に約4000人が足を運んだ浦和サポーターが、試合前に大声量の「浦和レッズ」というコールをすると、それだけでホーム側のスタンドがどよめいた。長崎にとっては、クラブにとってもサポーターにとっても、J1屈指の熱狂を肌で感じる機会になり、それもまた楽しんでいたのだろう。

 しかしながら、そうした熱を浦和がピッチで表現できたとは言い難かった。後半31分にFWズラタンの一撃で追いついたものの、リーグ開幕3戦未勝利となった試合後には、そのサポーターから大ブーイングが浴びせられた。槙野は「試合前に『This is URAWA』という横断幕も見た。長崎のサポーター、長崎の方に向けて、これが浦和だというのを見せてくれたのはサポーター。僕たちがピッチの上で見せなければいけなかった」と振り返る。

「ボールを取り返しに行く姿勢や、切り替えること、そういうところが一つ一つ足りない選手が見受けられたのは残念だった。ピッチに立ったからにはチームのために走って戦わなければいけないけど、それが欠けていたのが残念だった」


「このまま同じようなサッカーをしていたら厳しい」

 槙野自身は最終ラインで味方を鼓舞し、ボール際でも相手選手を弾き飛ばすような迫力を見せていた。しかし、それがチーム全体となると、どこか淡白な選手やプレーが少なくなかった。

 長崎の高木琢也監督は「ウチは(7日の)ルヴァンカップで今日のメンバーはほとんどプレーしていないけど、浦和は半分くらい出ていたはず。それも影響したのでは」と話したが、そのルヴァン杯でもフル出場していた槙野に戦う姿勢の部分で及ばない選手が多かったことが歯がゆさに表れている。

長崎はJ2からの昇格を勝ち取ったものの、予算規模などを考えれば浦和とは大きな差がある。浦和には、槙野のほかにGK西川周作、DF遠藤航、MF長澤和輝、FW興梠慎三といった、昨年11月の欧州遠征で日本代表入りした選手たちがいる。バヒド・ハリルホジッチ監督の就任以降という枠にすれば、DF宇賀神友弥、MF武藤雄樹、MF柏木陽介に選出経験があり、この日のスタメンのうち実に8人を占めていた。槙野自身も、それを自覚した上で長崎との姿勢の差をこう語った。

「名前もない選手が多いし、僕も出ている選手はあまり分からなかったけど、間違いなく試合に勝つために走って戦う姿勢はウチよりあった。このまま同じようなサッカーをしていたら厳しい。浦和は間違いなくそういう順位(上位)にいなければいけないし、見せなければいけない。地方のチームに対して、代表選手もお金をもらっている選手も多い。それをピッチのプレーで見せなくてはいけないけど、それを見せられていないとブーイングは当然のことで、これではなかなか勝ち点3を取れない」

 終始厳しい表情を崩さなかった槙野は「練習から、もっとひたむきに、貪欲にやらないといけない」と話してスタジアムを後にした。

 槙野が悔しさを隠さなかったピッチ上での90分間を、復活のきっかけにできるだろうか。


(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

浦和DF槙野、開幕3戦未勝利に歯がゆさ吐露【写真:Getty Images】