エン・ジャパンは3月12日、「残業規制」についてのアンケート結果を発表した。調査は今年1~2月にインターネットで実施し、同社運営の「エン 人事のミカタ」を利用している企業の人事担当者を対象に670社から回答を得た。

2018年の国会で審議が続く「働き方改革」法案だが、その柱の1つである「残業時間の上限規制」の認知度を聞いた。「内容も含めて知っている」「概要を知っている」と回答した企業は全体の76%で、「知らない」(24%)を大きく上回った。

「人を増やさず、仕事量も減らさずで上限ができれば、結局社員にしわ寄せが行く」

「支障が出る」広告・出版・マスコミ系がダントツ

「残業時間の上限規制」を認知している企業は「非常に良いと思う」「まあ良いと思う」が48%で、「あまり良いと思わない」「良くないと思う」は40%。具体的に聞くと、「長年の文化によって変革ができない企業は少なくないと思う。その文化を破壊するためには思い切った規制も有効」(不動産・建設)という賛成意見もあったが、

「人を増やさず、仕事量も減らさずで上限ができれば、結局隠れ残業となって社員にしわ寄せが行くと思う」(金融・コンサル)

といった"サービス残業"への懸念の声も見られた。

残業規制が施行された場合、経営に「大きな支障が出る」「やや支障が出る」と回答した企業は全体の58%。業界別に見ると「広告・出版・マスコミ」(82%)が特に高く、次ぐ「サービス」(63%)、「不動産・建設」「メーカー」(同60%)を大きく離した。

残業が発生する理由「人員不足」「取引先の要望に応えるため」

残業規制によって起きる業務への影響を聞くと、「業務の持ち帰りなど、隠れ残業の増加」「業務が回らなくなる」が同率43%でトップとなった。2位以降、「管理職の業務量増大」(34%)、「従業員の賃金低下」(29%)、「売上の減少」(22%)と続く。具体的に聞くと、

「規制自体に賛意は示すものの、実現は厳しい」
「発注元の企業の残業時間が変わらない限り、実現は難しい」

という声が散見され、企業の本音が見て取れる。ちなみに各社の平均残業時間は「21~40時間」が43%で、「1~20時間」が39%で、8割以上が40時間以内となっている。一方、「61~80時間」(2%)、「81~100時間」(1%)と回答した企業もいた。

残業が発生する主な理由は、1位が「人員不足」(53%)で、僅差で「取引先からの要望(納期)などに応えるため」(52%)が続く。3位以降、「常に仕事量が多い」(41%)、「時期的な業務がある」(31%)、「年々、業務が複雑化している」(23%)と続く。