2018年2月、パチンコ・パチスロの新たな規制が施行された。パチンコは大当たり出玉の上限が2400個から1500個に引き下げられ、4時間打った際の儲けも以前の十数万円から5万円以内が目安になるなど、ユーザーにとっては“改悪”以外の何ものでもない。

 そんな新規則の下で遊技を強いられる状況を、ユーザーはどう受け止めているのか。そして、今後はどんな立ち回りが求められるのか。ライトユーザーの中島氏(仮名)とパチプロの和田氏(仮名)に、それぞれの目線で語ってもらった。

●すでにパチプロをやめたユーザーも

――2月から、何か状況は変わりましたか?

和田 旧規則の台がすべて撤去されたわけでもないし、特に何も変わっていませんね。

中島 確かに。自分はもともと月に2~3回しか行かないというのもありますが、影響は皆無ですね。

和田 ただし、この先はパチンコやパチスロで食っていくのがどんどん難しくなりそうなので、パチプロをやめた人はまわりに何人かいます。

――新規則の内容は、やはりユーザーにとってかなり厳しいものなのですか?

中島 厳しいですよ。「確変突入率を下げるなら、昔みたいに大当たり出玉を増やせ」って言いたいです。

和田 でも、大当たり確率が同じなら、確変突入率65%で大当たり出玉1500個の台と確変突入率50%で大当たり出玉2000個の台は、平均出玉の期待値的にはそれほど変わらないんです。

中島 え、そうなんですか?

――確変突入率が65%あれば、大当たり出玉の少なさもカバーできるということですか?

和田 連チャンするかどうかはユーザーの引き次第ですから、「完全にカバーできる」とは言えませんが、理論値上は大差ありません。

中島 そうなんですね。かつて、確変突入率50%の「海物語」でも10連チャンする台をそこそこ見かけたことを考えれば、65%でも十分かもしれませんね。

●今後、狙い目のホールは「郊外店」?

――和田さんは、今後もパチプロを続ける予定ですか?

和田 稼げるうちは続けたいですね。最近は、食えそうなホールがあれば近県にも足を延ばして、そこにしばらく住み着いて、毎日通って打ったりしています。

中島 都内のホールは、もう食えないってことですか?

和田 いいえ、まだまだ稼げるホールはあります。でも、競合店との関係で釘の状態や営業方針が変わりやすい。それと比べれば、郊外店や地方のホールは少しのんびりしている雰囲気ですね。

――「のんびり」というのは?

和田 危機感は抱いていても、どうすればいいのかわからない。思考停止状態というか。そんななかで状態のいい台を見つけたり、ホール自体が甘い営業設定だったりしたら、長く稼げるということです。

中島 遠征費や滞在費を払っても稼げるんですね。すごいなぁ。

――さすがに、ホール探しや遠征に時間を使える一般ユーザーは少ないと思います。簡単にできる立ち回り法はありますか?

和田 ホール最大手のダイナムが、プライベートブランド機「ごらく」を開発、設置しています。そういった台をひたすら打つのもいいのではないでしょうか。

中島 プライベートブランド機とは?

和田 普通は全国のどのホールにも同じスペックの台が導入されますが、「ごらく」はダイナムでしか打てないスペックの台なんです。

――大当たり出玉や連チャンに特化したスペックですよね。

和田 そうです。こういった試みをいろいろなメーカーやホールがするようになれば、どんどん差別化が進み、遊技の選択肢も広がるでしょう。

中島 新規ユーザーを増やすのは現実的ではないので、こういったものでライトユーザーやミドルユーザーの遊技時間や投資金額が少しずつでも増えていけば、業界に活気が戻ってくるんですけどね。

●行ってはいけないホールの特徴とは

――では逆に、今後行ってはいけないホールの特徴はどういったものですか?

和田 これまでも言われてきたことですが、新台の入れ替え頻度が少ないホールですね。

中島 新台を買うような資金的余裕のないホールってことですか?

和田 そうです。21年の2月には全台を新規則の機械にしなければいけません。でも、そんな資金はない。そうすると、21年2月に廃業することを決めながら旧規則の台で営業を続け、目先の売り上げの確保に走ることになります。

中島 そんなホールが、お客さんにとってプラスの営業をするとは思えませんね。

和田 そうですよね。もちろん、新台入れ替えの費用を抑えて旧台を甘く使う優良店もあるでしょうけど、やはり新台入れ替えの頻度がホールのやる気や資金力の目安になります。

――では、新規則の影響がホール運営や稼動率などに表れてくるのは、いつ頃になると思いますか?

和田 今年は旧規則の台がまだまだ出るでしょうから、ホールの設置台のなかで新規則の台が50%を超えたあたりですかね。それが今年の秋なのか、年末なのか。それとも来年なのか……。

――そのときにライトユーザーやミドルユーザーがパチンコ離れしてしまうことのないように、なんらかの対策が必要ですね。

中島 射幸心を煽ることができない以上、楽しさの面をアピールするのが王道。でも、果たしてそれだけでユーザーは打ってくれるのでしょうか。

和田 お金がかかっている以上、“リターン”の面でメリットがなければいけません。スペックの進化の歴史は、メーカーによる規則の拡大解釈の歴史です。きっと警察をうまく煙に巻いて、尖ったスペックの台を出してくれるんじゃないかと期待しています。

――ありがとうございました。

 ただちに大きな影響がないとはいえ、たび重なる規則の改正を目の当たりにして、今後の見通しに不安を抱いているユーザーは多い。ユーザーが遊技することで使ったお金がメーカーやホールを支えているということを考えれば、今後、ユーザーにさらなる負担を強いるようになったときがパチンコ業界の終焉なのかもしれない。
(構成=山下辰雄/パチンコライター)

パチンコ店の様子(写真:ロイター/アフロ)