積み重なった巨額の残業代の支払いが話題に

働き方革が叫ばれる中、現在労働法制が大きく代わろうとしています。「電通」は未払い残業代23億円支給し、ヤマトは190億円もの未払残業代を支給したと大きく報道されています。大変な額です。残業代は企業、特に中小企業にとっては死活問題です。

残業代の請求について基本を確認

労働者が時間外労働をした場合には残業代を請することができます。1日8時間、1週40時間を「法定労働時間」といいますが、これを越えて働いた場合には、「時間外労働」に対して残業代が発生します。

通常の残業ですと、基本給の25の残業代が発生し、深夜労働(午後10時から午前5時まで)の場合は基本給の50の残業代が発生します。法定休日日曜日等)に残業をした場合は、働いた時間全てが時間外労働となり、基本給の50の残業代が発生します。

残業代の時効は2年間。それ以前の分は請求できないので注意

労働者が、会社を退職した後に残業代を請することは当然出来ますが、残業代の時効は2年間なので十分気をつけて下さい。

すなわち、最後に勤務した時期から2年前の分まで請できるということですので、退職して時間が経過すればするほど、残業代が時効で消滅してしまいます。残業代が明らかな場合には、直ちに弁護士に相談し、内容明を雇用に送付してもらうことをお勧めします。そうするとその時から時効が6か間時効が中断します。

残業した時間をどう設定するか?客観的な証拠が重要!

よく問題となるのが、残業した時間をどのように認定するかです。給与明細書等に残業時間が記載されている場合はいいのですが、記載されていない場合はどうするかが問題となります。

タイムカードカレンダーへの記載、労働者が作成したメモ等が拠となります。メモ等では雇用はその正確性を争ってきますが、雇用客観的な拠で反できなければ、労務管理は雇用の責務なので、そのようなメモに合理性ありとして拠となるケースが多いです。

最近では携帯電話アプリ等で残業代の記録をつけることができるようですので、退職前にそれを利用されてみてはいかがでしょうか。

弁護士に依頼する、労働審判制度を利用するという方法がある

そこで、弁護士に相談することになりますが、その場合、①残業代の基礎となる賃がいくらになるか②残業時間の合計時間が問題となります。

この計算に手間がかかることが多いので、給与明細書等必要書類を持参して弁護士に相談して下さい。その後、弁護士から雇用に残業代の計算書と元となるデータを送付してもらい残業代の交渉が開始します。

なお、弁護士に依頼して請を行っても雇用の対応が遅い時は、そのまま弁護士を通じて、労働審判という制度を利用することをお勧めします。労働審判は各地方裁判所の本庁で開かれることが多く、裁判官1名と専門知識を有する審判員(使用者側、労働者側各1名)2名の合計3人で判断します。

基本的に1かに1回、3回まで開かれるので、非常にスピーディーな解決を図れます。双方が合意する場合もありますし、合意に至らない場合には、裁判官が審判書を作成します。これにどちらか一方が納得いかない場合には、訴訟に移行します。

残業代の場合は、残業代と同額の付加というペナルティが発生し、雇用は残業代を倍支払うことにもなりかねないので、申立人のする残業代に近い額で和解するケースが多いと思われます。

中村 有作/弁護士

退職後、未払い残業代は請求できるか。どうするのがスムーズか?