森友学園を巡る公文書の改ざんが問題になる中、朝日新聞が3月13日に掲載した「天声人語」が話題だ。麻生太郎財務大臣がかつて総理大臣時代に読み間違えた「未曽有」という単語に、振り仮名を振っているためだ。

記事では、財務省が決済文書に手を加えたことを取り上げ、「外形的には虚偽がなく、実質的には虚偽に満ちた文書に仕上がった。ダーティーハンドの悪例と評すべきだろう」と非難。同省が昨年春に「文書は廃棄した」と答弁していたことを、

「昨春来、丸々1年もそんな答弁を浴びて軽んじられてきたのは国会だが、詰まるところ、いまの議員を投票で選んだ私たち有権者も侮られていたわけである。未曽有の不祥事と呼ぶべきであろう」

と指摘している。

森友学園を巡る一連の報道は、朝日新聞が2017年2月に特ダネとして報じたのが発端。財務省が文書に手を加えた可能性についても、同紙がいち早く取り上げている。こうした背景からネットでは、今回の振り仮名は「財務省を監督する立場にある麻生財務大臣への皮肉では」という憶測が出ている。

「次は『云々』にフリガナか」「隅々まで喧嘩していくスタイル」


画像は麻生太郎氏のホームページのキャプチャ

現在の内閣で財務大臣を務める麻生氏は、2008年9月から1年間、首相を務めていた。就任期間中、国会答弁での読み間違いが話題に上がることも多く、「未曽有」の読み方もその一つ。2008年11月に中国で起きた四川省地震について「みぞうゆうの自然災害」と発言していた。

今回の朝日新聞の振り仮名は、麻生氏のこの読み間違いを念頭においた皮肉と捉える人も多い。同紙では「忖度」や「紆余曲折」など、普段あまり使われない言葉にも仮名が振ってある。「未曽有」もこれらと同じように、同社の表記ルールに基づいて仮名を振っただけの可能性もあるが、それでも、コラムの最後にわざわざ「未曽有」という単語を登場させたのは何か意図がありそうだ。

ネットでは

「これなら麻生財務大臣も読み間違えることなく安心ですね」
「隅々まで喧嘩していくスタイル」
「ハイコンテキストな諷刺。ユーモアというものはかくありたい」

などの皮肉が上がっている。安倍首相も2017年1月の参院本会議で「訂正云々」を「ていせいでんでん」と読み間違えている。このため、「次は『云々』にフリガナか」と、ジョークを言う人もいた。