宝塚歌劇団宙組が誕生20周年を迎えた今年、新トップコンビ真風帆(まかぜ・すずほ)、(ほしかぜ)まどかが就任。その大劇場お披露演『(そら)はい河のほとり』『シトラスSunrise-』が、3月16日兵庫宝塚大劇場で開幕した。

宝塚歌劇宙組『天(そら)は赤い河のほとり』『シトラスの風-Sunrise- ~Special Version for 20th Anniversary~』チケット情報

第一幕の『(そら)はい河のほとり』は、1995年から2002年まで『少女コミック』(小学館)で連載された篠原千絵の人気少女漫画ミュージカル化。紀元前14世紀、古代オリエントのヒッタイ帝国を舞台にした歴史ファンタジーで、内外の覇権争いを、第三皇子カイル・ムルシリと現代からタイムスリップした女子高生鈴木(ユーリ)の恋愛を絡めて描いた物語だ。さまざまな人間関係やエピソードを凝縮させ、スピーディーにテンポよく展開している。

登場人物たちが歌い継ぎ、観客を物語世界へと引き込むプロローグ真風が扮するカイルは、知的で爽やかな佇まいで、古代のコスチュームもぴったりとハマっている。カイルユーリが出会う序盤では、カイルの失脚を狙うナキアのたくらみを察知し、壁ドンユーリを匿った後、軽々とお姫様抱っこをして去っていく…という漫画から飛び出してきたかのような美しさとカッコよさ、惚れ惚れするほどの包容で魅せる。香斗亜(せりか・とあ)扮する、敵対するエジプト軍の隊長セルラムセスとの迫ある立ち回りも見どころのひとつだ。ラムセスは一見軽い印だが、自への熱い思いを持った男で、香が緩急のバランスよく表現している。が演じるユーリは純っ直ぐ。奢ながらも正義感にあふれ、敵にも臆することなく立ち向かっていく快活な少女を好演している。ほかにも、冷酷黒太子マッティワザを演じる(あいづき)ひかる、ナキアに仕えるウルヒ役の海斗(せいじょう・かいと)など、それぞれに存在感があり、漫画から抜け出たようなビジュアル、佇まいでも魅せる。

第二幕は1998年の宙組誕生時に上演されたレビューで、誕生20周年を迎え、新場面を加えての上演となる。プロローグは、グリーンブルーイエローなど、シトラスカラー爽やか衣装をまとった青年たちがズラリ。テーマ曲を歌い継ぎながら、総踊りでやかに幕開けする。本演で退団する条の見せ場、名場面「明日へのエナジー」、男役が尾姿で踊る場面など、見どころたっぷりのロマンチックレビューを展開している。

真風を筆頭に、新生宙組のきを堪できる『(そら)はい河のほとり』『シトラスSunrise-』は、4月23日()まで兵庫宝塚大劇場にて。東京演は5月11日()から6月17日(日)まで東京宝塚劇場にて開催。東京演のチケットは4月8日(日)発売開始。

取材・文:石悦子

撮影:三上富之