体に良いとみんなが思っているシジミやニンニク。実はこれらに含まれているビタミンの摂り方によっては恐ろしい結果を引き起こすと言うのだ。

 ビタミンはラテン語で、Vita(生命)に必要なアミン(アミノ酸)の意味を持つ。ブリタニカ国際大百科事典によれば、〈微量で動物の栄養を司り、しかも体内でつくられず、外部から取り込まなければならない有機化合物〉というビタミン。1910年、鈴木梅太郎博士によって世界で初めて発見されたことでも知られている。そして、これが欠乏すると、疲労感が抜けない、寝ても疲れがとれない、集中力が継続できない、肩こりが治らない、口内炎ができる、下肢のしびれを感じる、風邪をひきやすくなるなどの症状が出やすくなる。とても大事な成分だ。中でもビタミンB6は筋肉、血液、抗体などの材料になるタンパク質の合成や、アミノ酸の合成を促進し、B12は全身の細胞の代謝を助け、赤血球を形成、悪性貧血の予防や神経細胞の正常な働きを促すのだ。

 ところが最近このB6やB12の過剰摂取が目立ち、大きな問題も生じているという。警鐘を鳴らしているのは、オハイオ州立大学がんセンターの疫学研究チームのテオドール・ブラスキー博士。博士は国立台湾大学と共同で、大量のビタミンB6、B12サプリメントの長期摂取が肺ガンに及ぼす影響を調査。7万7000人のデータを解析した。結果、従来、発ガンリスクを下げるものと考えられていたB6やB12だったが、長年多量に摂取を続けていると、男性の肺ガンリスクを2倍以上高めるようだ、と報告したのだ。そして男性喫煙者では、さらにリスクは3倍以上に高まるとも。ただし女性には変化は見られないともいう。

 そして、このような過剰摂取がこれから懸念されるというその理由が怖い。それはサプリの取りすぎからきているというのだ。「薬屋さんが教える 健康食品にだまされない本」(エール出版社)他の著書でも知られる渡辺正司薬剤師がこう警告する。

「ビタミンB6は鮭、ます、シジミやニンニク、唐辛子などに、B12はシジミ、アカガイ、バイガイ、アサリなどの二枚貝に多く含まれている。しかし、最近この成分のサプリメントが猛烈に出回っている。1日2粒でシジミ500個分のオルニチンと謳う。当然ビタミンB6やB12も多く含まれている。ニンニクもしかり。摂りすぎですよ」

 さらに、以前からも肝機能障害等の報告は上がっているともいうのだ。言われてみれば、あるTVのコメンテーターも務める元スポーツ選手はサプリオタクで、毎日山ほど飲んでいるが、体調は悪いと言っている。何事も大切なのはバランスか。過ぎたるは何とやら、が当てはまりそうな、海外からのレポートではあった。せっかくのサプリメントも適量を守ることが大切なようである。

(谷川渓)

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