女房役マルドナードも脱帽、CY賞投手級の投球「グリンキーが一番近い」

 エンゼルスの大谷翔平が8日(日本時間9日)、アスレチックス戦で本拠地初先発登板に臨み、先頭から19者連続斬りという圧巻の投球を見せた。7回1死から初安打を浴び、完全試合の夢は断たれたが、女房役のマーティン・マルドナード捕手はその投球術を「アメージング」と絶賛した上で、サイ・ヤング賞投手にたとえた。

 衝撃的だった。1日(日本時間2日)敵地アスレチックス戦では6回3失点で初登板初勝利を飾った右腕が、今度は本拠地エンゼルスタジアムでの初登板で毎回の12三振を奪う奪三振ショーを見せた。

 7回1死まで完全投球。セミアンにヒットを許し、ラウリーに四球を与えたが、91球を投げて1安打1四球12奪三振。野手として3試合連続本塁打という離れ業を披露し、米メディアとファンを衝撃に包んでいた男は、投手としても異次元の力を見せつけた。

 4回1死では、この日最速となる99.6マイル(約160キロ)の速球でセミアンから空振り三振を奪ったが、宝刀スプリットも絶大なキレを見せた。

「君たちも見ただろ!?(笑) アメージングだった。感銘的だった。前回登板もそうだったけど、マウンド上で打者をねじ伏せようと闘争心を見せる。1球1球、どのカウントでも自分が望む場面で速球を投げられる能力がある。アメージングだと思ったよ」

大谷が相手に与えたプレッシャー「打者は感じていたと思う」

 試合後、23歳右腕を手放しで絶賛したのは、女房役のマルドナードだった。スプリットと速球はどちらが効力を発揮したのか質問されると、「どちらもだと思う。彼は速球を本当によく制球できていた。スプリットもそうだ。思い通りの速球を投げられた。打者はスプリットを空振りするんじゃないか、というプレッシャーを感じていたと思う」と指摘。この日投げた91球のうち、ストライクは59球。ストライク率は65パーセントに止まったが、最速160キロの速球の制球の高さが、打者が抱く高速スプリットに対する恐怖心を倍増させていたとマルドナードは分析した。

 メジャー8年目のマルドナードは昨季ブルワーズからエンゼルスに移籍後、初めて正捕手の座を掴み、ゴールドグラブ賞と優秀守備選手賞に輝いた苦労人。23歳で見せる抜群の投球術について「今までバッテリーを組んだ投手で誰を想起させるか?」と質問されると、メジャー屈指の右腕の名前を挙げた。

「ミルウォーキーでチームメートだったザック・グリンキーが一番近いと思う。彼のベストの時のようだ。打者の体勢を崩す能力なんて、そうだね。彼はそこまで速球で押すタイプではないけど、とても賢い投手。どんなカウントからもどんなボールを投げることができる。ショウヘイのようにね」

 グリンキーと言えば、その速球はかつて160キロを計時したこともある2009年サイ・ヤング賞投手。オールスター選出4回、最優秀防御率に2度輝いた実績あるスター投手だ。ドジャースからFAとなった2015年12月にはダイヤモンドバックスと6年総額2億650万ドル(約220億7200万円)というメガディールを結んだ。若き日のサイ・ヤング賞右腕と重なる圧巻の投球を見せた大谷。マルドナードは23歳“二刀流”の爆発的なパフォーマンスに脱帽していた。(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

本拠地初先発で圧巻の投球を披露したエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】