日本電信電話(NTT)は、現在の4K映像のフレームレートである50/60pより高いフレームレート(以下、ハイフレームレート)である、100/120pの4K映像を最新の映像符号化に関する国際標準規格「H.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)」(以下、HEVC)により圧縮・伝送することを可能とし、特にスポーツなど動きの速いシーンが多い映像などで高い臨場感を実現する「リアルタイム4KハイフレームレートHEVCコーデック」を開発したことを発表した。

近年、超高精細映像Ultra HD(UHD)サービスにおいて、キラーコンテンツとなっているサッカーやカーレースなどに代表されるスポーツコンテンツにおいて更なる臨場感を実現するために、動きの速いシーンを鮮明に表現することができるハイフレームレート映像への関心が放送・映像配信業界を中心に高まっている。

今回、NTTが開発したHEVCコーデックは、「4KハイフレームレートHEVCエンコーダ」と「4KハイフレームレートHEVCデコーダ」で構成されており、各々1Uサイズのコンパクトさを実現したもの。

4KハイフレームレートHEVCエンコーダは、後方互換性を保つことが可能なテンポラルスケーラブル符号化方式に対応し、ハイフレームレート映像対応受信機ではハイフレームレート映像として、従来のハイフレームレート非対応受信機においても標準フレームレート映像として復号することが可能な符号化ストリームを出力することが可能となっている。

さらに、同コーデックは、さまざまな伝送路に対応することが可能なMMTプロトコルに対応し、階層別配信により、標準フレームレート映像の復号に必要なベースレイヤとハイフレームレート映像の復号に追加で必要となるエンハンスメントレイヤのデータを異なる伝送路を用いて別々に伝送することが可能となっている。

技術的には、「NARA」を2チップ連携して動作させ、チップ間で相互データ転送を行うことにより、映像品質を保ちながら4Kハイフレームレート映像符号化に要求される高速な処理性能を実現している。また、4K標準フレームレート映像をベースレイヤ、4Kハイフレームレート映像のための差分データを構成するエンハンスメントレイヤに分けて符号化するテンポラルスケーラブル符号化に対応した。加えて、異なるIPストリームでベースレイヤとエンハンスメントレイヤを伝送する、階層別配信機能を実現している。

この新しいコーデックにより、放送やスポーツのパブリックビューイングにおいて更なる高臨場な伝送を実現できる。今後、NTTは、同コーデックを用いて、映像ネットサービスによる映像素材伝送の4Kハイフレームレート対応など、さまざまな超高精細映像UHDサービスの実現に貢献していくとしている。

なお、4月9日よりアメリカ、ラスベガスにて開催される放送機器の展示会「NAB Show 2018」のNTTグループブースでは、8Kハイフレームレート映像のリアルタイム伝送デモンストレーションを同コーデックの4台並列動作により実施するということだ。
(早川厚志)

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