「働き方改革」が叫ばれる中、日本の労働環境はブラック企業の話題に事欠かない。その一方で、ホワイトな労働環境として知られる有名企業も少なからず存在する。キャリコネにも、ホワイト企業の貴重な口コミ情報が数多く寄せられている。

今回取り上げるのは、調味料の国内最大手である味の素。加工食品業界では国内トップの1兆円を超える売上高を誇る。アミノ酸技術に強みを持つ同社の主力は「味の素」や冷凍食品の「ザ・チャーハン」など調味料・加工食品の製造販売だが、飲料や医薬品、バイオなど幅広く事業展開している。

本社は東京都中央区にあり、ヨーロッパやアジアなど海外法人を含めた連結従業員は3万2734人(2017年3月)。グループ製品を販売している国と地域は130を超え、海外売上高比率は5割を超える。

現在の加工食品業界は、時間短縮と簡便化、健康志向への高まりに対応した商品や、海外での成長が鍵となる。2017年の同社は、総菜調味料の「クックドゥ」シリーズなど、簡便な家庭調理のニーズを捉えて好調だった。

年収は「業界の中ではかなり高い」「労働量に対する対価としては非常に良い水準」

ホワイトな味の素

東洋経済新報社の『就職四季報』(2019年度版)によると、大卒初任給は23万4000円。同社は、キャリコネの食品・飲料メーカー業界「給料の満足度ランキング」で1位になっている。

「報酬については、捉え方はさまざまだと思う。金融業界やコンサルティング業界などと比べれば低いが、食品業界の中では、かなり高いと思う。ただし、金融やコンサルティングは非常に激務なのに比べて、味の素は非常にのんびりと働けるので、労働量に対する対価としては、非常に良い水準と考える」(企画営業 20代後半 男性 650万円)

「頑張った分だけ給料にも反映されるのでやりがいはあると思います。出来る人とそうでない人とのボーナスの差はかなりあると思います。男女の給与の差はほぼないです。勤続年数と給与は多少は比例していますが、若手でも賞金等で稼いでいる一人もいます」(法人営業 20代前半 女性 400万円)

といった声も聞かれた。

忙しさの度合いは部署によるが、「残業代も全てつけられるのでサービス残業はしたことがない」(研究開発 26歳 男性 515万円)など、残業代が100%出るので不満はないとする声が多い。

「残業も休日出勤も部署による。技術系は、仕事内容や自分の能力にもよるが、概して沢山残業があるわけではない。残業でダラダラやるよりは、効率的に仕事をこなす社員が多いイメージ。営業の友人は残業が多いと言っていた。ただ、残業代はしっかり出るので、待遇などに全く不満は無い」(技術関連職 20代後半 女性 400万円)

「残業は部署や業務内容によるが、深夜に及ぶような残業はほとんどない。残業代も全て支払われるため、やらされている感じはない。全社的に労働時間を減らしていくことが求められているため、早く切り上げて帰ることや、有休を取ることに対する後ろめたさは少ない。労働時間については相当恵まれている環境だと思う」(営業企画 30代前半 男性 700万円)

労働時間を20分短縮!16時半退社で結婚後も働きやすく

味の素は2008年から労使共同で「WLB(ワーク・ライフ・バランス)向上プロジェクト」を立ち上げるなど、働き方改革に力を入れている。2014年度には、「Work@A~味の素流『働き方改革」~プロジェクト」で在宅勤務など様々な新制度を導入、ITツールの活用促進などで生産性向上を図っている。

2017年度からは労働時間を20分短縮して7時間15分にした上、退社時刻を16時30分に変えた。本社ビルは通常、19時には全館強制消灯され、毎週水曜のノー残業デーには17時に強制消灯される。

結婚・妊娠しても働きやすく、育休も気兼ねなく取得できる雰囲気が口コミからうかがえる。また「女性管理職をすごい勢いで増やしており、男性よりも有利」(研究開発 40代前半 男性 1000万円)という声もあった。

「研究所は、お子さんがいても、他の人と同じぐらいの勢いで働いているパワフルな女性が多い。制度としては時間短縮勤務があり、それに対する理解も進んでいて、気兼ねなく取得することができる。看護休暇というものもあり、有給休暇がなくなってしまっても休むことができる。社員の環境に配慮した制度が充実しつつあるので、比較的柔軟な対応がなされ、無理なく働くことができると思う」(研究開発 20代後半 女性 550万円)

今年1月末に発表された2017年1~12月期の連結決算は、純利益が550億円と前年同期比で約13%増。2018年3月期通期は、売上高を前期比9%増の1兆1870億円、純利益を7%増の570億円とみている。