第6節の横浜FMで後半途中から出場、移籍後初めての古巣戦

 久しぶりに踏むピッチは楽しさに溢れていた。

 昨季のJ1王者・川崎フロンターレは8日、J1リーグ第6節・横浜F・マリノス戦で1-1のドローも、勝ち点1を積み上げた。この試合の後半32分、昨季に負った右ひざ前十字靱帯損傷の大怪から復活をしていたMF齋藤学が最後の交代カードとしてピッチに送り込まれた。久々の復帰戦、そして横浜FMから移籍後初めての古巣対決に齋藤は臨んだ。

 ベンチ入りの可性が高まったのは前日のことだった。横浜FMとの試合を控えた前日練習で、紅白戦で初めて組に混ざってプレーする機会を得た齋藤は、左サイドに配置されると、代名詞のドリブルだけでなく背後を突く動きなどでチャンスを構築。試合に向けた準備が整っていることを全アピールした。そして練習後、齋藤の口からは次の試合に向けた強い意気込みを聞くことができた。

「自分はここをして(リハビリをして)きたわけではなかったので、(ベンチ入りについては)たまたまという感じです。ただ、明日は(神奈川ダービーだし、川崎としてすごく大事な試合になると思うので、勝ちに貢献できるようにやることをやるだけだと思います。あとは自分としてもメンバー入ること自体が9月以来なので、自分がどういうふうに試合を作っていたかというのを思い出しながら、準備できればいいなと思います。それと楽しんでサッカーができればいいかなと思います」

ブーイングを浴びるも「勝手に情の裏返しだと思ってやればいいかなと」

 果たして、試合当日がやってきた。試合が始まる前、選手紹介時には横浜FMサポーターからの大きなブーイングく。それに対抗するように川崎Fサポーターからは多くの拍手が飛んだ。

 出番がやってきたのは後半32分だった。交代を待ってタッチライン上に立つと再び大きなブーイングいた。

「選手紹介のブーイングや出る時のブーイングは感じていて、勝手に情の裏返しだと思ってやれればいいかなと。そうではないというもたくさんあるだろうけど、自分にとってはこのピッチに戻れたというのはすごく感じるものがあった」

 ピッチに立つと切れ味鋭いドリブルからバイタルエリアに侵入。短い時間の中で周りとのコンビネーションを駆使して何度もゴールに近づいた。

 もちろん結果を見ればわかる通り、チームを勝利に導くようなゴールを奪うことはできなかった。「の中では仕掛けるスピードを出すことでチームの雰囲気を上げていこうと思っていたので、そこは悪くはなかったかなと思いますけど、結果につながらなければ意味がない」と言うように、内容に満足しているわけでもない。

 だが、「本当に自分がサッカーをどれだけ楽しく、自分にとってどれだけ大きいものかというのを感じるリハビリ期間」を過ごしてきたなかで、久々公式戦でサッカーの楽しさを噛み締めながら堂々たるプレーを見せつけた。

「内容を突き詰めていく過程」に見いだした面

 そして試合後、ハーフウェーラインをまたぎ古巣・横浜FMゴール裏に向かって頭を下げた。

「本当はサポーターのほうに行きたかったけど、いろいろと止められたところもあって。それでも自分としては好きなクラブなので、しっかりと挨拶はしなければということでしました」

 川崎での新たな一歩を古巣・横浜FM戦で踏み出した齋藤。「内容を突き詰めていく過程に自分がいるというのはちょっと面いところ。自分がここで何ができるかというのを示すためにも明日からやっていきたい」。そうるとともに視線は次なる戦いへと向けられていた。( / Ryohei Hayashi

第6節の横浜FMで後半途中から出場した齋藤学、移籍後初めての古巣戦【写真:Getty Images】