今週のHot Albumsは、予想通りサカナクション10周年記念ベストアルバム図鑑』が圧倒的な強さで初登場1位となった(【表1】)。1週間でフィジカルの累計が7万4千枚近くを売り上げただけでなく、ダウンロードでも2位を記録。そして、ルックアップCDPC読み取り数)でも、レンタル解禁前だというのに5位まで上昇した。2位EXILE THE SECONDとの差も大きく、サカナクションの勢いがうかがえる。

 しかも、このベスト盤は数種類のパッケージがあり、いずれも期間限定ということなので、短期で一気にフィジカルを売るという作戦も功を奏したと思える。ただ、だからといって一で終わるかというと、おそらくそうではないだろう。フィジカルでは売り切ったとしても、デジタルでの配信は続くだろうし、4/14からレンタル解禁されるということなので、おそらくさらにルックアップは上昇しそうだ。

 彼らの底を感じるには、Hot100にも注しておきたい。なんと今週10位には「新宝島」がチャートインしているのだ(【表2】)。この曲はアルバムの冒頭を飾っており、彼らの代表曲であるとはいえ、2015年リリースされた楽曲があらためてベスト10に入るというのは快挙といえる。このチャートイン背景には、映画バクマン。』の題歌として起用されたこと、インパクトの強い昭和ミュージックビデオが話題になったことなどがあり、様々な要素がカウンターパンチのように効いた結果と言える。

 そう考えると、サカナクションはこの10年の間、確固たる音楽性の構築だけでなく、巧妙に話題作りを心がけてきた。『図鑑』は単なるヒット曲の寄せ集めではなく、音楽シーンへの意識的なアクションの成果と集大成なのである。Text:本斉

【Chart insight of insight】 サカナクションの計算された戦略?!ベスト盤と過去曲がチャートイン