シェイクスピアの『冬物語』をドラマティック・バレエに創り上げた、英国ロイヤル・オペラ・ハウスならではの代表作が、4月20日よりTOHOシネマズ等で公開される。

 英国ロイヤル・オペラ・ハウスの人気公演の舞台映像を映画館で楽しめるシリーズ『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2017/18』。バレエからは、古典作品以外にもロイヤル・バレエの人気作となった『不思議の国のアリス』が本シリーズで上映されたのは記憶に新しい。この制作チームである、振付のクリストファー・ウィールドン、美術のボブ・クローリー、音楽のジョビー・タルボットが再びタッグを組み、創り上げたのがシェイクスピアの『冬物語』だ。

 他のシーズン作品同様、本作も幕があくまでに案内役が作品のあらすじや見所を解説してくれる。またダンサー、劇場支配人や作曲家などへのインタビューを通して、舞台を最大限味わえるように配慮されているのが嬉しいところだ。今回は幕間に制作チーム3名による特別対談映像や、ハーマイオニー役であるローレン・カスバートソンの楽屋訪問などが挟まれており、コアなバレエファンから初めてのバレエ鑑賞者までが楽しめる、充実した内容となっている。

 また本映像では、シチリア王リオンディーズを日本人プリンシパル平野亮一が“演じて”いる。愛する妻ハーマイオニーと親友であるボヘミア王ポリクシニーズと過ごす優しく幸せな時間から一転し、不貞を疑い、猜疑心に囚われ、狂気に身を任せるリオンディーズ。心理的転落と焦燥感、そして怒りがジェットコースターのように身体を駆けずりまわる様子は、“ダンス”や“バレエ”を超え、“役”そのものを感じさせる“演技”となっている。苦悩に満ちた表情を存分に近くで注目できるのも、映画館ならではの舞台鑑賞体験となるはずだ。

 シェイクスピア原作『真夏の夜の夢』『ロミオとジュリエット』に続き、ロイヤル・バレエの代表作となった『冬物語』。イギリスを代表する劇作家が描く、愛と喪失、そして“許し”を描く本作を、ロイヤル・バレエならではの演技力に裏打ちされたバレエで楽しみたい。text:yokano

◎公開情報
『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18
ロイヤル・バレエ 冬物語』
2018年4月20日(金)よりTOHOシネマズ 日本橋ほか、全国順次公開
(C)ROH,2018.ph.byTristram Kenton

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