俳優の松田龍平とミュージシャンで俳優の野田洋次郎が9日、都内で行われた映画『泣き虫しょったんの奇跡』(今秋公開)ヒット祈願&会見に出席し、仲睦まじい様子を見せていた。この日は、豊田利晃監督、瀬川晶司五段(原作)も来場した。

 瀬川の自伝的小説が原作の本作。「26歳の誕生日を迎えるまでに四段昇格できない者は退会」という新進棋士奨励会の規定により挫折を味わった“しょったん”こと瀬川が、周囲に支えられながら再び夢に向かう姿を描いた感動作。

 将棋の神様が祀られる鳩森神社でヒット祈願を行った松田は、「映画の神様が降りたかな」とすでに完成している本作に自信をみなぎらせる。というのも「瀬川さんの半生に(自分と)繋がる部分を感じたし、どこまで出したらいいのか」と悩みながらも、「いろいろさらけ出し、隠すことなくやらせていただいた」そうで、「結構きつかったけど、面白かったです」と充実した表情をのぞかせた。

 また、プライベートでも親交のある野田との共演について尋ねられると、「面白かったです。やっぱりすごいなぁと思って。才能があふれ出ている」と称賛するが、野田は「いい加減にしろよ」とツッコみ。この日はマイクが用意されておらず、普段から声の小さい松田に野田が「腹から声出して」と教えるなど仲睦まじいが、松田が撮影中はその関係性が「違う意味で邪魔をして恥ずかしかった」と苦笑いすると、野田も同調していた。

 そんな松田を自身の作品では『青い春』以来16年ぶりに単独主演で迎えた豊田監督。松田は「これだけ(長期間)主役ができなくて、次がいつになるかわからないので、気合いが入りました」と話すと、豊田監督は「いつも松田龍平主演でどんな映画が作れるかを考えています。なかなか乗ってくれるところがなかっただけ」と説明していた。

 さらに、17歳まで奨励会に在籍してプロを目指していたという豊田監督は「僕は挫折した人間で、挫折するまでは瀬川さんのストーリーに共感できる部分もありますが、将棋を憎んだ人間」と自称。しかし、「原作を読んだ時に憎しみが消えた」そうで、「そういう生き方もあるんだと感動して、映画化にしたいと思いました」と本作に込めた思いを打ち明けていた。(取材:錦怜那)

『泣き虫しょったんの奇跡』で松田龍平と共演する野田洋次郎