急に気温が上がり、汗ばむ陽気が続いたかと思えば、夜は冷え込んで上着なしでは寒かったりと、春先は体調を崩したり体に不調が出やすい時期。

そんな時期だからこそ体のケアには気を遣いたいところですが、どんなことに気をつけてケアをすればいいのかというのはわかるようでわからないもの。

『酸素不足が病気をつくる』(あさ出版刊)は体調と酸素の関係に注目する書。体に酸素が不足することの原因と結果について、著者であり中医学の見地から体の不調のケアを行う「日本リバース」院長の今野清志さんにお話をうかがった。

■「からだ全体で一つの臓器」その真意

――今野さんは『酸素不足が病気をつくる』で、多くの体の不調は酸素不足によって起こるとされていますが、この考え方は今野さんのご専門である中医学では一般的な考えなのでしょうか。

今野:中医学、東洋医学ではもちろん一般的ですが、西洋医学にもある考え方です。ただ、その重要性を十分にわかっている人は多くないのではないでしょうか。

――加齢とともに呼吸からの酸素の摂取量は減っていき、それが体の不調の要因になっていると。

今野:そうです。横隔膜や内肋間筋といった呼吸筋を使えなくなって呼吸が浅くなってしまう。加齢の影響もあるのですが、最近では若い方にも多くなっています。

呼吸筋を使えなくなる要因は「胃腸の硬化」です。おなかが硬くなって筋肉の伸縮が妨げられた結果、十分な腹式呼吸ができず体に酸素を十分に入れられなくなっている。

今回の本では固まった胃腸を柔らかくするエクササイズも盛り込んでいるので、ぜひ試してみていただきたいですね。

――「からだ全体で一つの臓器」も独特な考え方で、新鮮でした。

今野:西洋医学では、耳の調子が悪ければ耳鼻科に、泌尿器に関わることなら泌尿器科に、というように体をパーツごとに分けて、調子が悪いパーツの専門医のところにかかることが多いと思いますが、体というのは各部が連動しているものです。様々な要素が関わるなかで、一番負担が大きかったり弱かったりするところに症状が出ているにすぎません。

だから、体全体を見る視点を持たないと、根本的な解決にはならないことが多いんです。中医学では望診(ぼうしん)といって、歩き方や顔色、肌色などその人の全部を見るというのが基本的な視点としてあります。最近では大学病院など総合病院でも、体をトータルで診られる医師を増やそうとしているところもありますね。

――本書では体の各所の不調を改善するためのエクササイズが書かれていますが、すべての基本になっているのはやはり「呼吸」です。自分が正しく呼吸できているかどうかをセルフチェックするにはどんな点を見ればいいのでしょうか。

今野:今回の本で書いている「ペットボトル呼吸法」を試していただくのが一番なのですが、普段の生活のなかで呼吸を止めたり、強く吐いたりといったことがどれだけスムーズにできるかを自分で把握しておくといいと思います。たとえば、息を何秒間吐き続けていられるかを計ってみるというのも一つの方法です。

先ほどもお話ししたように、若くても呼吸の力が衰えている人は多くて、風船を膨らませられない人が増えています。呼吸というのは生きることの基本ですから、深く呼吸する力を常に保っていただきたいですね。

(後編につづく)

『酸素不足が病気をつくる』(あさ出版刊)の著者・今野清志氏