9日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)で、栄和人強化本部長による伊調馨選手のパワハラ騒動に新展開があったことを特集。当初、日本レスリング協会の福田富昭会長は「パワハラ」はないと否定していたものの、調査を委託された「第三者委員会」が伊調選手や栄氏ら関係者から聞き取り調査を行った結果、明確にパワハラに当たる部分があったと認定されたという。

 これに対して、先週の6日、日本レスリング協会は会見を開き、福田会長ら幹部が揃って「関係者ならび、国民の皆様に大変ご心配とご迷惑をおかけしましたことを心からおわび申し上げます」と頭を下げ謝罪。栄氏も、調査の結果を受けて、同日付で強化本部長を辞任したという。

 第三者委員会によって、栄氏のパワハラが認定されたのは次の4件。1つめとして練習拠点を東京に移した伊調選手に栄氏が「よく俺の前でレスリングできるな」などの発言したこと。2つ目として伊調選手が“選考対象”とされる2試合に優勝したにも関わらず「アジア大会の代表から説明をせずに外した」こと。また3つ目として伊調選手の指導をしていた田南部力コーチに「伊調の指導はするな」と発言し圧力をかけたこと。4つ目として田南部コーチが合宿中に外出したことに「目障りだ。出て行け!」と叱責したこと……であるという。

 番組では、レスリング協会の謝罪会見について、栄氏のパワハラを内閣府に告発したレスリング関係者2人にインタビューを行った。元五輪代表の安達匠氏は「(パワハラを認めたことに)栄監督を辞任させたからもうこれで終わらせようという(レスリング協会の)アピールかなと僕は受け止めてます」「僕らがパワハラを訴えている部分は栄監督だけではない。協会全体の中でのパワハラっていう部分を訴え続けていたので……」と、今回の対応だけでは納得できない部分があるという。伊調選手の元コーチ・田南辺氏も「たまたま伊調がクローズアップされているところはありますけど、悲しい思いというかレスリングを満足にできない状況の選手たちがたくさんいる」と、他にも不当な扱いを受けている選手がいると、パワハラがレスリング界全体の問題であると主張した。

 また、番組によると、栄氏や日本レスリング協会の福田会長がパワハラ問題発覚時点と、パワハラ認定後の発言の変遷を比較。栄氏は、当初「僕の中ではパワハラは一切やってなかった」と言っておきながら、パワハラ認定後には「不徳の致すところ」と語り強化本部長を辞任。福田会長は「(告発状について)当たっているところがひとつもない」としておきながら、6日の記者会見では「(週刊誌を)パッと読んだ感触そのもので言ってしまった発言だった」と釈明したことを取り上げた。

 番組コメンテーターの慶応大学特別招聘教授の夏野剛氏は「世の中全体がこういう問題に対してすごく敏感になっていて、こういうことをしてはいけないというのが(レスリング協会)は分かってなかったように見える」「この原因としては、選手から長い間、レスリング界に中にいる人を中心に、その価値観でこういう公益法人が運営されているのだとすると、やはり世の中の流れにずれてくると思う。この世の中に合わせていくということを取り入れていかないと、こういう問題は続いていく」と苦言を呈した。

 なお、パワハラが認定されレスリング協会が謝罪をしたことを受け、渦中の伊調選手は「日本レスリング協会がアスリートファーストの確率に尽力されることを信じており、私も協力してまいります」と、今後レスリング協会へ協力をしていくことを所属会社を通してコメントした。

パワハラ認定で女子レスリング栄強化本部長辞任…告発者は「協会全体の問題」と不満の声