2018年3月30日から開幕し、熱戦が繰り広げられているプロ野球。広島出身の記者としては、(4月9日時点で)連勝後の連敗に悔しさを感じ、週末の酒量が増えてしまった。

酒が入ると語り出す素人記者の評価はさておき、12球団をさまざまな角度から分析した調査や研究は、当然のことながら多数存在する。ほとんどはチームの強さを問うものだが、慶應義塾大学理工学部の鈴木秀男教授が10年前から続けているのは、「プロ野球のサービスの満足度調査」だ。

各チームの「サービス」を調査し、評価するというもの。米国で開発された顧客満足度の評価モデル「ACSI(American Customer Satisfaction Index)」を、日本のプロ野球チームに当てはめ、チーム間の比較をしている。

強いチームほどファンサービスも充実している?

「プロ野球のサービスの満足度調査」の分析結果は鈴木教授のサイト上で公開されており、各球団の総合満足度スコアとランキングはもちろん、チーム、選手、球場、チームロゴ、マスコット、グッズなど、プロ野球チームを構成するさまざまな要素に対する、顧客(ファン)の評価を確認することができる。

調査方法はインターネット調査となっており、3月28日に公開された最新の結果は、1月下旬に実施したもの。公開されている調査概要によると、調査対象は、

「プロ野球球団を応援し、2017年度シーズン中に、1回以上応援するチームのホーム球場で試合観戦をしている方。回答者は、最も応援しているチームのみに対して回答している」

とのこと。回答者数は各チーム120~130人前後。応援年数の分布でも、各チームの回答者とも「1~5年」「6~10年」が多く、それなりに熱心のファンらによる評価だと言えるだろう。

総合満足スコアランキングでは2017年の調査に続き、広島が連覇。2位のソフトバンクも昨年の順位を守っており、3位は横浜、4位が阪神となっている。

各ファンの自由記述回答を見ると、広島とソフトバンクに関しては、やはりチームの強さに満足を覚えるという声が多い。日本シリーズの結果を踏まえて、ソフトバンクファンは「また日本一になってくれればもっと満足」としているのに対し、広島は「今度こそ日本一になってほしい」となっているところが対照的だ。

次いでよく見られるのは「ファンサービスが良い」という意見。他球団でもファンサービスが良いと指摘する声は見られるのだが、広島とソフトバンク、さらに総合3位の横浜は特に顕著な印象だ。

顧客満足度の調査なので、当然と言えば当然なのだが、ファンサービスの満足度が高いチームは総合順位も高い。「チームのファンサービスは充実している」「チームの選手とファンとの交流は十分に行われている」といった項目でも、広島、ソフトバンク、横浜の3球団はトップ3を占めている。「チームが地域住民やファンの誇りとなりシンボルとなっている」という項目では、広島、ソフトバンクに続き、阪神が3位となっているところも、イメージ通りという感がある。

ちなみに、昨年度のセパ両リーグの順位とファンサービス満足度を照らし合わせてみると、必ずしも比例しているわけではないが、上位チームほど満足度も高い傾向にある。

一方、下位チームでは低く、自由記述回答では「ファンサービスは良いので、あとは成績が伴えば」という意見も見られるのだが、これはファン心理が働いたと見るべきか。ファンサービスと強さに関係があるかはわからないし、そもそもそういう趣旨の調査ではないが、興味深くはあるだろう。

記者が個人的に面白いと感じたのは、マスコットの満足度だ。

マスコット満足度は総合順位とかなり様相が異なり、1位は西武、2位はヤクルト、3位は阪神、4位広島という結果だ。ヤクルトに関しては、つば九郎の圧倒的存在感が大きいと思われるが、2016・2017年と守ってきたトップの地位をレオに明け渡している。

広島のスライリーは2016年の10位から2017年には2位まで上り詰め、今回は4位に。スライリーのキャラクターが急に立ちはじめた、わけではなく、チームが強くなったことで、スライリーに向けられる目にも余裕が出てきたのかもしれない。

存在感のあるマスコットといえば、写真集やエッセイなどを出している中日のドアラも思い浮かぶが、2016年は4位、2017・2018年は7位という結果に。パフォーマンス内容やインパクトが低下したというイメージはないのだが、理由は不明。中日ファンの意見を聞きたいところだ。

今回の調査結果は2017年の状況を踏まえたものだが、今年の各チームの成績次第では大きく変わる可能性もある。来年も広島、ソフトバンクの満足度は高い順位を維持するのか。あるいは、大きな変化があるのか。記者としては今年こそ日本一を願うばかりだ。

カープのホーム、マツダスタジアム。実は記者はまだ数えるほどしか観戦できていない...(Takashi Yamaokuさん撮影, Flickrより)