高い山々に囲まれ、湖やビーチを擁するカナダの都市、バンクーバー。この都市が新たな産業を受け入れ育てているということは、つい忘れられがちです。しかしその姿は、今静かに変わってきています。バンクーバーがAR/VR産業の新たなハブとして注目されているのです。

カナダにおけるハイテク産業の歴史

40年以上前から、カナダはビデオゲームや特殊効果、アニメといった産業において力をつけてきました。例えば同国のElectronic Arts Canada社は、NBAやFIFAといったスポーツゲームを手掛ける大規模なゲームスタジオで、およそ17,000人近くの人材を有しています。

VR/AR産業の拡大に伴い、カナダでもそれらを手掛ける企業が増えてきました。メトロバンクーバーでVRやARに携わる企業は2017年時点で15社でしたが、現在は180以上の企業が存在すると言われています。

シリコンバレーに続くXRのハブに

アメリカのVR/AR専門ファンドThe Venture Reality Fundの共同創立者であり、ゼネラルパートナーのMarco DeMiroz氏は、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、オースティンに続く第5のXRのハブとして、バンクーバーへの投資を考えていると話します。
「ローカル企業への直接投資と、人材発掘の2つに興味を持っています。バンクーバーには、シリコンバレーにひけをとらないような人材がいます」とDeMiroz氏は話しています。

政府の助成と安価な経営コストが魅力

ARに特化したベンチャーキャピタル Super Venturesのパートナー、Tom Emrich氏はバンクーバーの魅力について次のように説明します。
「まず、カナダ政府のプログラムでは、バンクーバーエリアのスタートアップに対する補助金や税制面で優遇策があります。またカナダでは米国に比べて、家賃、光熱費、人件費といった経営のコストが低いだけではありません。為替レートが米ドル高のため、米ドルでの投資額に対してカナダドルで得られる価値は高くなります」「グローバルな視点を持ち、シリコンバレー以外の企業に投資することは非常に大きな意味があります。」

VR/ARとユーザーのやり取りを分析するカナダのスタートアップCognitive 3Dは、先日シリコンバレーのVCから資金調達をおこないました。同社の設立者でありCEOのTony Bevilacqua氏は、「バンクーバーの企業は、米国と同じように優れた人材を有し、地理的条件も恵まれています」「我々はVR・ARの発信地になろうとしており、政府もそれを後押ししています。成功の条件は全て整っています」と話しています。

(参考) VRScout

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