ビートたけし独立騒動で、たけし軍団が明かした“会社の私物化”に対し、オフィス北野社長が「週刊新潮」(新潮社)誌上で反論するなど、対立が深まっている中、ようやく駄な内紛にメリットがないと自覚したのか、両者の歩み寄りが伝えられている。

 一説には御大ビートたけしが“の一”で停戦を命じたとも言われるが、同社と付き合いのあった映画関係者からは「映画事業がある限り、火種は残る」という。

「実はオフィス北野には、10年前ぐらいから解散説があったんですよ。社長が理事をやっているオフィス北野下の映画事業『フィルメックス』が、業界内では“トンネル会社”だと言われていて、『怪しいの動きが、たけしさんにバレた』というようなウワサがあったんです」(同)

 実際、たけし軍団からは事務所への不満として、オフィス北野から同社に毎年4,000万円の人件費が流れていたことが告発されていた。

「それが現実味を増したのが、たけしさんが3年前に愛人と新会社を作って、そこにギャラを入れるようにして、取り分も7割から9割に上げるようにオフィス北野に要したという話で、社内では『“会社を解散する準備”と見ている人がいる』ってスタッフが言ってました。高給というのも、退職代わりに分配していたものだったんじゃないかと思いますね。騒動が起きると、逃げるようにスタッフ事務所から姿を消していたと聞きますし」(同)

 もし、この映画関係者の見立てが正しければ、今回の騒動はそもそもフィルメックスに火種があることになるが、同社は映画祭の「東京フィルメックス」を仕切っていることで知られる会社だ。

東京フィルメックスは、東京映画祭を手がけていた映画プロデューサー山尚三さんが松竹を辞めて2000年社長と始めたもので、東京際とは違ったアジアの個性作品にスポットを当てるというコンセプトでした。でも、映画というのは驚くほどもうからない世界ですから、映画祭もスタッフの大半はボランティアで、さらに寄付を募っていたほど運営は厳しいんです。入場料でそれを賄おうとすれば、1枚1万2,000円ぐらいのチケットを売らないと成り立たない計算なんですよ。そこで上映前にたけしさん出演のCMを延々と流したり、宣伝チラシにも、たけしさんの出ている広告を入れまくっていましたね。ただ、そこにオフィス北野から巨額の資が流れ込んでいるという話には、内部から『そのの使途がよくわからない』ってがたびたび聞かれていました。だから、ひょっとしたらフィルメックス映画事業を表の顔にした、オフィス北野の“トンネル会社”なんじゃないかと思ったんです」(同)

 映画界では、契約社会が成熟した現在でも口約束が横行し、契約前の企画先行の段階で大雑把に出資がやり取りされている。そんな中、資を集めるだけのトンネル会社も数に存在することで知られる。

「これは製作会社が直接揮を執らずに、下請けの企画会社に発注する仕組みにして、出資から中抜きするんです。そうすると集まった5億円の資でも、1億円を企画会社に落として抜けるでしょう。映画界では当たり前なのでも何も言わないんですけど、一応バレないよう、表向きもうからない映画普及事業とかを間に入れたりすることも多いんです」

 社長はこのタイミングで、フィルメックスの理事長を辞任。オフィス北野独立騒動は、映画ビジネスの悪しき慣例の一端でもあったのだろうか。急に出てきた収束の動きは、それらがすべて表になる前の“一手”なのかもしれないが、映画関係者は「映画界ではで揉めた連中が大団円になっても、ちゃんと収まったことはない」と不安げに話している。
(文=片岡NEWSIDER Tokyo)

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