3月30日、「日本の借金」をめぐって、対立する意見を持った与野党の国会議員が2人1組に分かれてプレゼン対決をする『橋下徹のニッポン改造論』が放送された。与党からは自民党の秋元司衆議院議員と鈴木馨祐衆議院議員。野党からは民進党の小西洋之参議院議員と希望の党の小川淳也衆議院議員がそれぞれ参加した。

 日本は約1000兆円超える借金を抱えていると言われており、これはGDP(国内総生産)との比較では世界トップだ。背景には少子高齢化に伴う年金や医療費など社会保障費の増大のほか、国が資金調達をするための債権である国債の発行増加があり、赤字体質を改善するため、来年10月には消費税が10%に引き上げられる。増税なしで借金を減らすことは難しいが、消費税を2%上げたからといって、莫大な借金がすぐに消えてなくなるわけではない。また、税収と密接な関係にある景気だが冷え込む恐れもある。一体、どうすればいいのだろうか。


■与党チーム「税収増のため、経済成長を」

 橋下氏が「今の国会はムチャクチャだ。まったく政策の話ができていない。国会議員は日本を"経営"する立場。皆さんがどういう視点で経営しているのか見てみたい」とプレッシャーをかける中、与党チームが口火を切った。


 鈴木氏は「収入は税率×GDPの大きさ。税率が上がるのを抑えるためにGDPを増やさなければならない。政府が公共事業をバンバンやって経済成長する時代ではない。今必要なのは、民間の企業がきちんと稼げる形を作る事。そこで大切なのが規制緩和と戦略的な減税だ」と主張。1992年と2017年の日本と世界の時価総額トップ10の企業ランキングを示し、顔ぶれに変化のない日本は新陳代謝が起こっていないと指摘。加えて「地方も国にお金をもらうという形ではなくて、それぞれの首長、地域の方が経営をし、収入を増やしていくべきだ」とした。

 鈴木氏からバトンを受けた秋元氏は「稼げる環境、すなわち税収を上げる環境を作ること。消費を上げていくことに重点的に政策をうっていく。具体的には成長戦略の産業を作ることと生産性革命。仕事の効率を上げ、所得、給料を上げる。そして負担となっていた社会保障の分野を産業化していく。観光客を呼び込みIR(統合型リゾート)でお金を使ってもらう。ナイトタイムエコノミーで消費を増やす。そうやってGDP、経済規模を拡大、税収を上げていく」と述べた。そして「日本がさらにやっていかなければならないのは規制緩和だ」と訴えた。


 さらに鈴木氏が「終身雇用はクビにならない代わりに給料があまり上がらない。企業が抱え込んでしまう。ここをきちんと対策しなければ経済成長しない。何回もチャレンジできる環境を作るのが本当のセーフティネット」と、「終身雇用を壊す必要性」に触れ、解雇規制も含む緩和規制を主張すると、橋下氏は賛同しながらも「規制緩和なんてかれこれ20年、30年言われている。本当に自民党で規制緩和できるのか。日本は中央集権体制で明治維新からずっと霞が関と永田町が全部の仕事をやっている。内政問題に関しては自治体の首長にもっと仕事の割り振りをすべきだ。規制緩和と言うのは簡単だ。皆さんが本気なら、大阪でUberをやらせてほしい。でも『タクシー業界が反対するから」とできない」と指摘。「政治家が特定の産業を伸ばすのは無理。大阪でとある企業が工場を作るということで、150億円くらい補助金を出した。しかしその業界は下火になった。政治や行政が特定の産業を伸ばそうなんていうのは驕り」ともコメントした。


■野党チーム「消費税を安全・安心のために毎年1%ずつ、25%まで上げる」

 続いて野党チームがプレゼン。


 小西氏は「与党の皆さんが主張する、成長のための政策は隙間産業ばかり」、小川氏は「いつまでにどこまで成長するのか。明治以降の"成長教"のようなものだ」と与党の主張に疑問を呈した。


 小川氏は「これから先の日本は経済成長に頼ることはできない。だから政治がちゃんと財政改革をやって、国民が安心できる社会を作る。今、経済で一番弱いのが個人消費だ。少しでもお金が余ったら、将来のために貯めておかないといけない。大事なのは消費税の上げ方とそれを何に使うかだ」とし、消費税率を北欧並に設定することも提案した。

 さらに小川氏は「消費税は一気に上げてその後上げないと、駆け込み需要と反動減で経済が痛むという最近の研究結果もある。逆に毎年1%ずつ、じわじわと上げることを明確にすれば、国民は徐々に消費を始める。消費税1%で3兆円近い税収になる。ここからは私のプランだが、最低15年かけて25%まで上げて、このうち3分の1で借金を返すことにすれば、10年で日本は黒字になる。もう3分の1は大学や幼稚園、保育園の無償化、医療や介護に使う。もう3分の1は国民に直接現金を渡したい。どんな人にも最低生計保障として現金を支給していくベーシックインカムという考え方だ」と話した。


 続けて小西氏は「日本は毎年39兆円の医療費を使っているが、これは病気になった時にしか使えない。そうではなく、検診などの予防にシフトすべきだ」との考えを示した。


 野党の説明に橋下氏が「小川さんや小西さんの考え方は、企業でいうと商品の価格を上げる戦略だ。ただ、単純に価格を上げたら商品が売れなくなるように、消費税を1%ずつ上げていって、国家経済・GDPには影響しないのか」と疑問を投げかけると、小川氏は「安心社会を作るのに毎年1兆円使う。そしてベーシックインカム、1人1万円。国民の懐を下から温める」と回答。さらに橋下氏が「過去30年間、後進国と言われているところはどんどん成長している」と指摘すると、小川氏は「それらの国は移民を入れている」と反論していた。

 最後に橋下氏は「府知事時代、大阪府が一体どれくらいのまでの借金なら背負えるのかを財政の幹部に研究させた。1年半調べた結果、"わかりません"だった。そもそも倒産する可能性がないし、やろうと思えば増税もできるので、どこまでの借金ならいいのか、どこを超えたらだめなのかは非常に難しい。対GDP費の問題でもギリシャなどと比較されるが、日本には資産があるのと、日銀を合わせれば実は純債務はだいたい400兆円くらい。これを対GDPで見たら大した比率じゃない。このまま放っておいてはいけないが、"1000兆円"という数字に縛られすぎてもいけない。それを財務省は危ない危ないと煽っている。財務省、お前の方が危ないだろうと(笑)。大きなお世話だと言いたい。すぐに増税するでいいのか、国民は考えないといけない」とコメントした。(AbemaTV/『橋下徹のニッポン改造論』より)


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