滋賀県彦根市で12日、前日の夜に上司の巡査部長に発砲し死亡させたとして、殺人の疑いで男性巡査(19)が逮捕された。報道によれば、2人は同じ交番勤務で、逮捕された巡査は「間違いありません」などと認めている。

 逮捕された19歳の警官は「叱責されたからやった」と犯行の動機を語っている。

 さてこの事件、多くの人が気になるのが「男性巡査(19)」だろう。

 人を殺しているのに「なぜ匿名なのか」と思う人も少なくないかもしれない(ただし、NHKは実名報道に切り替え)。一方、被害者のほうは「彦根署地域課の井本光巡査部長(41)」としっかり実名で報道されている。

「日本のマスコミには、少年法で保護されている少年は、自らの行動責任を負いきれないはずだし、負わせるべきではない、という大前提があります。そのため報道でも実名は控えるのが原則です」

 そう語るのは、過去、多くの少年犯罪を報じてきた大手新聞社社会部の元記者A氏。

 実は、今回の事件をきっかけにSNS上で警官の銃の取扱についてジャーナリストやアルファブロガーの間で議論が巻き起こっているのをご存知だろうか。
「日本においては、当然ながら一般人による拳銃の所持は禁止されています。が、警察というだけで拳銃所持を許された19歳少年が、その権力のもと拳銃で人を殺しても、刑期を終えればゼロからスタートできるのが今の日本。となれば、問題意識を持つ人がいてもおかしくない。SNSで議論が巻き起こるのは当然でしょう」(A氏)

 実は、過去4年間だけでも警察の銃に関する不祥事はいくつかある。ここで過去の事件を振り返ってみよう。

◆過去4年間に起きた警官による銃の不祥事

2018年2月
大阪府警の男性巡査長が悪ふざけで、エレベーターで実弾異例の拳銃を向けたとして書類送検。

2017年7月
・兵庫県警の男性巡査長が昇任試験に備えた訓練のため借りた拳銃1丁をバッグに入れて自宅へもちかえっていたと発表。

2016年10月
・和歌山県警の男性警部補が悪ふざけで、5人の部下に計6回実弾の入った拳銃を突きつけたとして書類送検。

2016年6月
鹿児島県警の男性警部補が部下にいたずら目的で実弾の入った拳銃を向けたとして書類送検。

2016年2月
広島県警の男性警部補が部下の書類作成が遅いことなどに腹をたてて20代と30代の部下に銃を向けたとして書類送検。

2015年10月
・群馬県警の男性警部補が実弾の入った拳銃を部下に手渡す歳、コミュニケーションを深めるつもりで、部下6人に計30回以上銃口を向け、うち一人には腹部に押し付けたとして書類送検。

2014年6月
兵庫県警の男性巡査部長が冗談のつもりで部下の右腰付近に実弾が入った拳銃を2度押し付けたとして書類送検。

 以上、どれも発砲には至っていないものの、一部の警官が職務中に軽い気持ちで拳銃を扱っていたことはわかるだろう。

「今回の滋賀県警の事件とは違い、上記の事件はいずれも発砲する事態には至っていません。しかし、銃の管理のずさんさが垣間見れる事件があることは確か。そもそも、書類送検された事件がこれだけあるだけで、実際には、警察がないないに済ませてしまったケースもあるはずと考えるのが自然でしょう。新聞記者は警察のスキャンダルがすべて世の中に出てないことはわかっていますから」

 言うまでもなく、拳銃で人は簡単に殺せてしまう。今回の事件をきっかけに世間から警察の拳銃の扱いについて疑問を呈す声があがる可能性は低くない。数年後、警官の銃の取り扱いを一部制限するなどの動きは十分にあると言えるだろう。<取材・文/日刊SPA!取材班>