【ワシントン時事】ロシアによる米大統領選介入疑惑の捜査で政権の反感を買い、昨年5月に解任されたコミー前米連邦捜査局(FBI)長官が、トランプ大統領と激しい非難合戦を繰り広げている。17日発売予定の回想録でトランプ氏を批判したコミー氏に対し、トランプ氏は「史上最悪のFBI長官に落ちぶれるだろう」などと罵倒。対立は泥仕合の様相を呈してきた。

 米メディアが伝えた回想録の抜粋によると、コミー氏はトランプ氏を「倫理にもとり、真実や制度の価値に無頓着」などと論評。政権が「エゴと個人への忠誠によって動かされている」と痛烈に批判した。

 さらに、15日夜に放映された米ABCテレビのインタビューで、トランプ氏について「女性をモノのように扱い、大小のうそを日常的につき、それを国民が信じていると言い立てる」と批判。「道徳的に見て大統領に不適格だ」と断言した。

 一方のトランプ氏は、回想録抜粋が12日に報じられた後、ツイッターで、道徳面で醜悪な人物を指す「スライムボール」という言葉を使ってコミー氏を中傷。機密情報を漏らしたと決めつけ「訴追すべきだ」と訴えた。15日朝には、投稿の大半でコミー氏に触れ「いつもろくな結末を迎えないポンコツだ」と糾弾した。

 コミー氏を引き継いでロシア疑惑の捜査を指揮するモラー特別検察官は、近くトランプ氏を事情聴取するとみられている。9日にはモラー氏の要請などに基づき、FBIがトランプ氏の個人弁護士の事務所や自宅を家宅捜索。トランプ氏の反発には、捜査が身辺に迫りつつあることへの焦りもありそうだ。 

〔写真説明〕トランプ米大統領(右)とコミー前連邦捜査局(FBI)長官(AFP=時事)

トランプ米大統領(右)とコミー前連邦捜査局(FBI)長官(AFP=時事)