タイヤの側面が白くなっている、または白いラインがぐるっと丸く入っているタイヤのことを「ホワイトウォールタイヤ」「ホワイトリボンタイヤ」と言います。クラシックカーなどでは現在も見かけるホワイトリボンタイヤですが、これはドレスアップの一種なのでしょうか?それとも?文・加藤久美子

タイヤはもともと白かったという衝撃の事実
キャデラック エアロダイナミック クーペ1933

タイヤの色と言えば”黒”が定番ですが、あの色は着色したものだということをご存知でしょうか?もともとのゴムの色は白。消しゴムの色が白いのも、本来、ゴムの色は白いからです。(プラスチック消しゴムは違いますけどね)

また、ミシュランタイヤのキャラクターとしておなじみの「ビバンダム(ミシュランマン)も、全身白いですね。ビバンダムは、「いろいろなサイズのタイヤが重なった状態が人のように見える…」ということで1898年に生まれたキャラクターです。

「なぜタイヤのキャラクターなのに、黒じゃなくて白?」と思っていた方もいらっしゃるでしょう。公式には”ミシュランマンが白い理由は、当時高級品であったタイヤはひとつひとつ白い布や紙で包まれていたからだと言われています”とされていますが、初期の広告では、描かれている車両や自転車に白いタイヤを見ることができます。

つまり、ビバンダムの全身が白いのは、当時のタイヤが白かったからなのでは?と思います。

ホワイトリボンタイヤが生まれた理由は?
ホワイトウォールタイヤ

100年以上前には、タイヤ=白だったわけですが、白いゴムでできたタイヤは耐久性に難がありました。車の性能が上がって、長距離を走ることが増えてくると耐久性に問題が出てきたのです。

そこで接地面を強化するため、炭素(カーボンブラック)を混ぜたゴムをコーティングしました。ゴムに炭素を混ぜて使うと、耐久性が劇的にアップすることが判明したことで、タイヤは黒くなったのです。1920年代ごろのことです。

1930年代になると、メンテナンス性にも優れる黒いタイヤは広く普及しますが、白から黒へいきなり全部変えてしまうと違和感があったのか、アメリカではメーカーオプションとして、サイドウォールが白いホワイトリボンタイヤが誕生。高級車オーナーを中心に流行しました。

その後、1960年代以降~80年代のアメリカ車で、ふたたび装飾用としてホワイトリボンタイヤが流行。この時代ではもはや、タイヤが黒だからといって違和感があるわけもなく、ホワイトリボンタイヤは装飾的要素が強いものでした。

ホワイトリボンタイヤは、いまでも買えます!

黒いタイヤがスタンダードになった現代において、ホワイトリボンタイヤを新車で装着している車は皆無です。しかし、いまだに古いアメリカ車ではマストアイテム。求めるオーナーも少なくありません。

また、そういった市場の要求に答えるタイヤメーカーも、めっきり少なくなりましたが、いくつか存在しています。そのなかのいくつかは、日本でも購入可能です。タイヤ通販大手のオートウェイのHPで検索したところ、ナンカン、ミネルバ、トラベルスターなどアジアンタイヤの4ブランドで20種がヒットしました。しかも、6,000~1万円となかなかリーズナブル(アジアンタイヤにしたら結構な高級品?)です。

最初のホワイトリボンタイヤは、性能を求めたものでしたが、タイヤを黒く作る技術が確立された後は、性能よりもドレスアップ的要素が強かったのですね。

ホワイトリボンタイヤを最近見かけない理由