平日の15時頃。仕事の休憩をしようと、さぁ一服――。

胸ポケットにはタバコのような箱。だがこれはタバコではない。静岡産日本茶の商品開発・販売を手掛けるショータイムから発売されている、粉末茶「チャバコ」だ。

紙巻きタバコを思わせるデザインのスティックから、緑色の粉末が水の入ったコップへと注がれる。一口飲むと、味わい深く飲みやすい。Jタウンネット編集部は、同社代表取締役の森川翔太さん(34)に2018年5月15日、話を聞いた。

お茶だけにタバコを「茶化」してみた

ショータイムより発売されている「チャバコ」は、1グラム×8袋入りで500円(税込)。深蒸茶、ほうじ茶、玄米茶、有機煎茶(オーガニック)の4種類が発売されている。

2017年2月頃からネット通販でのみ取り扱っていたが、18年1月からは自動販売機や店舗などで発売が開始された。

5月13日にはパッケージのデザインが変更。リニューアルした理由について、森川さんは次のように話す。

「既存のタバコをモチーフに、雰囲気は残しつつも、さらにひねりや創作性を加えて、手に取った人が『面白い』と思ってもらえるようにしました。旧態依然としたイメージがあるお茶業界の中で、『自分たちが面白いと思うもの』を突き詰めた結果ですが、興味を持ってくれる若い人が増えたと感じています」

また、「たばこだと思ってお茶を手に取ってもらうのは健康にはいいですが、たばこに興味を持ってもらうのは本意ではない」とも話してくれた。

森川さんによると、同商品のコンセプトは「日本で発売されているたばこのパッケージに対する風刺」だ。海外で発売されているたばこのパッケージには一目で「健康に良くない」というイメージを持たせるようなデザインが多い。一方、日本のたばこは消費者の関心を惹きつけるような商品となっている。そんな現状を風刺しようと、「お茶だけに『茶化す』という思いで発売しています」。

そんなチャバコだが、喫煙者からは否定的な反応はなく、むしろ好意的な意見が寄せられているという。喫煙者が「自分は○○銘柄を吸っているから、このパッケージの商品にする」といったように、吸っている銘柄で同社の商品を選ぶという遊び心をくすぐっているようだ。

プレゼント用に購入する人も

筆者も実際に購入し、飲んでみた。

購入したのは、「有機煎茶」。箱のパッケージには、「チャバコの味は、あなたの周りの人、特に家族や会社の同僚、取引先などの機嫌に好影響を及ぼす可能性があります。お飲みになる際は、周りの人もお誘いの上楽しみましょう」と、タバコのパッケージ顔負けの文章が書かれている。

購入場所は、東京駅丸の内地下内にある、「日本百貨店とうきょう」だ。店内前でお客を迎えるのは、「Chabacco 大切な人の笑顔に火を灯そう」と書かれたチャバコの自販機。横には、チャバコをはじめ「茶祭り」と題し、様々なお茶の飲食品が陳列されていた。



店員は「『なんだろう』と思って立ち止まって見るお客様が多いですね」と話した上で、「プレゼント用で購入された若い女性もおりました」とお客の反応を教えてくれた。




冷水が入った水筒に粉末を入れ、縦に何回か振る。湯呑に注ぐと、「これぞ日本茶」と思わせる鮮やかな緑色をしている。「苦そう」と思ってしまったが、一口飲んでみると、濃すぎず薄すぎずで、飲みやすい。

あまりお茶にはこだわりがない筆者だが、飽きずに飲んでいたくなる味わいだ。

デスク上に数種類のお茶の粉末を常時置くほどお茶好きの同僚男性(23)は「苦み、クセがなくてさっぱりしている」としたうえで、「水に溶けにくいので、そこが難点かなと思います」と指摘。だが、「タバコだと煙が出る部分に該当するスティックの先から粉末が出てくるのが面白いですね」と話した。

さて、一服するか...(筆者撮影、以下同)