○日立が気象庁の新スパコンを構築

日立製作所は5月16日、同社が構築を担当した気象庁の新たなスーパーコンピュータ(スパコン)が6月5日より稼動することを発表した。

新システムの中核には、CrayのCray XCシリーズの最新モデルとなる「XC50モデル」を採用。これで得られる総理論演算性能は従来システム比で約21倍となる18PFLOPSとしている。また、約10.6PBの高速ストレージのほか、共有・大容量・長期保存ストレージとして同社のミッドレンジストレージ「VSP G800」、ルーチン制御・運用監視機器として同社の総合システム運用管理「JP1シリーズ」や同社のアドバンストサーバ「HA8000シリーズ」などでシステムは構築されており、日立では24時間365日体制で安定稼動を支援していくとしている。

○台風の強度予測を3日から5日に延長

用途としては、衛星観測データをはじめ、世界中から収集される気圧、気温、風などの観測データをもとにコンピュータを用いた数値計算によって、大気の状態を予測する「数値予報」を高速かつ最適に実現することで、これにより天気予報や季節予報の精度向上のほか、中心気圧や最大風速といった台風の強度予報の予報期間の延長などが期待できるようになるという。

具体的には、例えば全球数値予報モデル(GSM)の午前3時、午前9時、午後3時に行う予報の期間を現在の84時間(3.5日)から132時間(5.5日)に延長することで、台風強度予測(中心気圧や最大風速など)の予測期間を従来の3日から5日先まで延長することが可能になると気象庁では説明している(2018年度末までに実施予定)ほか、詳細な降水分布を予測する「降水短時間予報」の予報時間を従来の6時間先から15時間先まで延長(2018年6月時下旬開始予定)したり、集中豪雨や暴風などの災害をもたらす現象の予測として、複数予測の手法を取り入れた運用が可能になるという(2019年度の早期に実施予定)。

さらに、2019年度の早期には2週間先までの気温予報として、5日間平均の気温の予測値を毎日発表する計画とするほか、1か月先から数か月先までの予測情報の基礎データとなる全球・季節アンサンブル予報システムなどを順次高度化していくことで、長期的な予測情報の改善も期待できるようになるとしている。

加えて、静止気象衛星ひまわりの観測データを活用した黄砂の飛散予測システムの高度化も2019年度末までに進め、これにより黄砂の実況から予測までをシームレスに把握できる黄砂解析予測図も提供していく計画だとしている。
(小林行雄)

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