園田・姫路競馬の元トップジョッキーで、4月1日付で地方競馬の調教師に転身した木村健調教師が、5月15日から栗東・笹田和秀厩舎で研修を開始した。

 16日朝、オークスや日本ダービーの追い切りがひと段落した頃、スタンドで挨拶回りをする木村師の姿があった。騎手時代は地方通算3560勝(JRA6勝)、地方重賞70勝を挙げた新人調教師は「木村です。騎手時代はお世話になりました」と先輩調教師たちに自身の転身を改めて報告した。JRA重賞では2010年にチューリップ賞をショウリュウムーンで制覇。同馬を管理していた佐々木晶三調教師は「体はもう大丈夫?」と現役時代に痛めた腰を気遣った。

 この日はロードアルペジオの坂路での追い切りにも騎乗。「栗東トレセンで騎乗するのは今回の研修が初めてです。坂路は初めはドキドキしました。馬に結構負荷がかかりますね。トモがグイグイ入っているのを乗っていて感じました。こうして鍛えているからトモの肉付きが違うんですね」と、乗り慣れた園田競馬場にはない施設を体感した。

 今回、研修を受け入れた笹田師とは以前から親交があった。また、普段から仲の良い後輩の笹田知宏騎手(園田・姫路)は師の次男。そういった縁が重なり、今回の研修が決まった。「笹田先生には初日からいろんな方を紹介していただき、ありがたいです。トレセンは広くて、まだちょっと迷子になりそうです(笑)。早く人が慣れないとね」と笑った木村騎手。「園田では運動をするにも同じ所をグルグル歩きますが、栗東ではずっと違うところを歩くので、馬も飽きないでしょうね。逍遥馬道は涼しくて、歩いていて人間も気持ちいいです」。栗東トレセンと園田・姫路ではどうしても施設に差があるため、地元に戻って全く同じことは実践できない。しかし、こうして強い馬づくりのノウハウを体感し、どのようにアレンジして取り入れていくかが大切になるのだろう。

 笹田厩舎での研修は5月31日までの予定。「土日もレースがあれば、一緒に競馬場に行かせていただき勉強したいと思います」。

 厩舎開業日は未定だが、着実に準備は進んでる。

(取材・文:大恵陽子)